2006年6月FESTA6/10(土)の第15回Festaは、再びいつもの土曜日夜の開催。
参加者総数は25名(男性14名+女性11名)うち、新顔さん3名、イタリア人1名の参加となりました。

 


第1部は2006年サンレモ音楽祭出場者の新作アルバムを中心に。

女性部門出場者のNicky Nicolai(46/Roma出身)は、2006年の新作アルバムL'altalenaから2曲。
まずは"Lei ha la notte"をサンレモ出演時の映像で。ヨーロッパのジャズシーンで大活躍中のサックス奏者Stefano Di BattistaとJovanottiへのアルバム参加でも知られるキーボーディストGiovanni Alleviがゲスト応援として参加した日のものです。

2005年にはNiky Nicolai & Stefano Di Battista Jazz Quartetとしてグループ部門からサンレモ音楽祭にグループ部門1位・総合4位に入ったのも記憶に新しいところ。今年はソロ部門からの挑戦となりました。

そしてアルバムタイトル曲"L'altalena"。心地よいJazzフレーバーを感じさせる大人っぽい曲。JAZZ畑で育ったNickyですが、このアルバム全体としてはJazzテイストを全面に押し出しすぎることなく、POPSアルバムとして仕上げています。プロデューサーは夫君でもあるStefano Di Battista。

ragazzi di scampiaそしてグループ部門出場のI Ragazzi Di Scampia。ナポリのある中学校に於いて、学校教育の幅を広げるプロジェクトの一つとして始まった中学生による音楽活動が元になりました。Gigi Finizioにこの話が伝わり、このムーブメントの種を大きく育てるために彼が一肌脱ぐことになったそうです。さらに、いまやナポリを越えた全国区の音楽家として成功しているGigi D'Alessioに伝わり、彼がアルバムのプロデューサー役を買ってでてくれました。それから先はナポリの枠を飛び出し、イタリア全土のプロ歌手たちがこのプロジェクトに加わり、一大ムーブメントと化してしまいました。

Gigi Finizio(41/ナポリ出身)をボーカルに据えた"Musica e speranza"をサンレモ出演時の映像でご紹介。ゲスト出演者として、イタリアのドラム界の第一人者であり、JAZZやプログレシーンでも大活躍しているTullio De Piscopoのドラムが加わっていました。ナポリのにぎやかさと楽しさを彷彿とするノリの良いナンバーで、Gigi D'Alessioのペンになるもの。

残り1曲を紹介するのに、どれにするべきか悩みました。Spagnaの"Io te vurria vasà"、Giardino dei Sempliciの"Funicli funiclà"、Simone Cristicchiの"Tu vuò fa l'americano"といった、気鋭の歌手たちによるナポレターナの名曲カバーも捨てがたかったのですが、今回はMariella Nava(46/Taranto出身)によるナポレターナの名曲カバー"Fenesta vascia"を選びました。

Spagna第1部のラストは、女性部門出場者のSpagna(50/Verona郊外出身)。"Noi non possiamo cambiare"をサンレモ出演時の映像でご紹介。80年代から90年代にかけてのセックス・シンボル的存在だったSpagna。50歳の声が聞こえてきても相変わらず妖艶な魅力とあでやかさにクラクラ来てしまいそうです。

2005年発表のアルバムにサンレモ出場曲を加えた、いわゆる「サンレモ・エディション」版のアルバム“Diario di Bordo-voglio sdraiarmi al sole”に、おまけとして追加された2005年のシングルカット曲"Day by day"のビデオクリップをご紹介。ややブラック系のソウルフルな曲で、キュートなSpagnaの映像も楽しめました。


第2部も引き続きサンレモ音楽祭出場者の新作アルバムコーナー。

RONまずはRon(53/Pavia郊外出身)。サンレモ出場時の映像で"L'uomo delle stelle"。ウクレレのバッキングが心地よいトロピカルテイストの良い曲です。いくら曲が良くても、こんなトロピカルな曲で真冬のサンレモ音楽祭に出演したのが、低い順位に終わってしまった原因かもしれません。

しかしサンレモ後に発売されたアルバム"Ma Quando Dici Amore"は、珠玉のデュエットアルバム!
Carmen Consoli、Jovanotti、Raf、Nicky Nicolai、Claudio Baglioni、Luca Carboni、Samuele Bersani、Mario Lavezzi、Loredana Bertè、Toscaとヨリドリミドリ状態ではありますが、ここはアルバムタイトル曲でもあり、FESTAでまだ紹介した事の無いElisaとのデュエット曲"Ma quando dici amore"をピックアップ。Elisaのナチュラルな感性と歌声にピッタリの素直な曲です。

そして最近シングルカットされた"Le ragazze"。これは兄貴分のスーパースターLucio Dallaとのデュエット。

L'Aura第2部最後は、新人部門出場者のL'Aura(22/Brescia出身)。サンレモ出演時の映像で出場曲 "Irraggiungibile"を。歌い出しのメロディがやや、不均衡な危うさを感じさせる不思議な曲。彼女自身のピアノの弾き語りから始まり、徐々に歌い上げていき、サビはイタリアっぽさのある良い曲です。

6歳からピアノとヴァイオリンを学び、16歳でアメリカは、サン=フランシスコのバークレーに移り住みます。確かな音楽力と英語力を身に付け、帰国後は英語で歌うシンガーとしてキャリアをスタートさせたようです。
満を持して発売したファーストアルバム"Okumuki"にも、かなりの英語曲が収録されていますが、イタリア人が歌う英語曲にしては、英語曲がめちゃくちゃ良いのも納得です。アルバムタイトルの"Okumuki"は「奥向き」を意味し、各曲も日本語のタイトルがさりげなく割り振られているところからも、彼女は日本ファンでもあるようです。

2005年のシングル曲"una favola(寓話)"のビデオクリップ。これを流した途端、常連のtonto氏が騒ぎ出しました。何でも半年間、タイトル名&歌手名を探していた曲だったとのこと。早速FESTA翌日、HMVでアルバムを入手をしたとのこと。良かったですね。

そしてサンレモ後にシングルカットされた"Domani(明日)"。スピード感のあるキャッチーな曲ですね。


第3部はリクエスト・コーナー

Pensiero!のもあさんからの3ヶ月越しのリクエストにお応えして、Amedeo Minghi(59/Roma出身)の1990年当時のライブビデオから"Rosa"を、POP! ITALIANOのKazumaさんが見せてくれました。
当時43歳だったAmedeoですが、既に白髪に見えました。でも美しい白馬のような雰囲気。そして、自らキーボードを弾きながら歌っていました。最近はシンガーとして全面に立ったまま歌う姿が多く、こうして演奏しながら歌っている映像はあまり見ることができないかもしれません。そしてアルバムでは打ち込み系が多いAmedeoですが、さすがライブは生ドラムが入って心地よいサウンドでした。


 

FiordalisoMorandi DVDそして常連のニョッキさんからの「Fiordalisoの動く姿を拝みたい!」というリクエストにお応えして、1983年のGianni Morandiのライブにゲスト出演時の映像から、まずはソロの"Oramai"。Fiordaliso(50/Piacenza出身)は当時27歳。情熱的でパンチの効いたハスキーボイスとそのキュートなルックスが堪能できました。Gianni Morandi(62歳/Bologna近郊出身)も当時は39歳。この2人で踊りながら歌う軽快な"In bicicletta"を紹介。そう5月FESTAで参加者からの大人気を博したRiccardo Coccinateの代表曲のひとつですね。

passaporto第3部最後は、ついに発売されたGatto Panceri(44/Monza出身)の新作アルバム"Passaporto"から、まずはシングルカット曲"è solo musica"。シングル向きの覚えやすい曲。サビのところで、リズムのウラから「è solo musica〜」と歌うところが心地よい。

そして前作の傑作アルバム"7 vite"の人気曲"Accarezzami domani"を髣髴させる"Respirarti"。アコースティックギターの調べと時折入るマンドリンのトレモロ奏法。そしてGattoの裏声の重なり合いの魅力にゾクゾクします。

2005年Gatto来日の立役者Almaz社代表のYさんが「女性なら誰でもこの曲にゾッコン!」というお墨付きの"Nebbia trasparente"。結果ですが、FESTA会場内の女性は「誰でも」ではなかったかもしれません・・・・

最後はノリの良い覚えやすい曲・ライブで盛り上がれる曲として、"Gioia"を。"Grazie!"、"Bella!"、"Gioia!"と拳を振るい上げて歌いたくなりました。


FESTA最後の第4部は、再び新作コーナー。

まずはMassimo Di Cataldo(38/Roma出身)の2枚組みベストアルバム"I consigli del cuore"から、彼の最高のヒット曲、1996年の"Anime"。もちろん、セネガル出身のワールド・ミュージックの第一人者Youssou N'Dourとのデュエットバージョンから。
そして2曲の未発表曲の中から、アルバムタイトルでもある"I consigli del cuore"。初めて聞いてもサビの部分が口ずさめるような良い曲でした。

参加者からも催促があったので、Eros Ramazzottiの2005年10月発表のアルバム"Calma apparente"から。
Eros節全開の"Bambino nel tempo"。メイキングビデオ映像がうまく見つからなかったため、DualDiscの利点である歌詞スクロール機能で聴いてもらいました。

そして絶対外せない全欧で大ヒットしたAnastaciaとのデュエット曲"I belong to you (Il ritmo della passione)"。
アメリカ人のAnastaciaは主に英語で歌い、Erosはイタリア語で通すという歌い方ですが、不思議と違和感無く聞こえるところが面白いところ。せっかくなので、2006年のサンレモ音楽祭にゲスト出演した時の2人のデュエット映像で観てもらいました。


Simone Cristicchi6月FESTAの大トリは、2006年サンレモ音楽祭の新人部門で2位となった鬼才Simone Cristicchi(29/Roma出身)。
サンレモ参加曲はすでに3月FESTAで紹介していますので、今回は2005年のアルバムにサンレモ曲を追加して再リリースされた"Fabbricante di Canzoni"から。

まずは、彼が一躍脚光を浴びる事となった出世作"Vorrei cantare come Biagio"のビデオクリップ。「Biagio Antonacciのようになりたい」と、やや笑いを取りながらも、ひたむきなBiagio賞賛歌となっていて、実際2005年のBiagio Antonacciのコンサートに呼ばれて披露して爆発的なヒットになったようです。

続いて"Studentessa universitaria"のビデオクリップ。意中の女子大生の視界に入るように一生懸命な、イタリア版「電車男」のような設定で、ラストシーンでは、Simoneがもともと漫画家志望だったというエピソードを感じさせる"オチ"があり、面白い構成になっています。

Simoneのサウンドはややノスタルジーを感じさせる哀愁を帯びたサウンドをベースにしながら、歌詞の乗せ方はラップ・ミュージック的。それでも全体としては「歌」になっているという高度な手法です。しかしながら彼の音楽経験の出発点は、ごく普通のティーンエイジャーと同じく17歳の時に見よう見まねでギターを手にした事が最初で、初めて結成したバンドがヘヴィー・メタルのNirvanaのコピーバンドだった、というエピソードも興味深いところ。

最後に彼のアコースティックソロとインタビューを交えた映像を流しました。ガット・ギターをエネルギッシュにかき鳴らしながら歌うSimone。その姿はイタリアのカンタウトーレの祖Domenico Modugnoの往年の姿を彷彿させます。

インタビューの中で、彼は詩にとても重きを置いており、「カンタウトーレの父」として彼が敬愛する歌手の名前を挙げていました。まず最初に出てきたのがFabrizio De Andrè。そしてFrancesco De Gregori、Ivano Fossati、Giorgio Gaber、Luigi Tenco。De AndrèやDe Gregoriの名前は当然ですが、29歳のイタリア人の口からLuigi Tencoという名前が出てくる事にビックリしました。そして彼の人生の中での最高の栄誉はSergio Endrigoと出会えて、デュエットできたこととも言及していました。確かにこのアルバムの最後にはEndrigoとのデュエット曲"Questo è amore"が収められています。Endrigoが他界してしまったのが2005年ですから、運良く彼に出会えてデュエット音源を残せた事は確かに最高の栄誉でしょうね。


入梅した直後のFESTAとなりましたが運良く雨は降らず、楽しい夜をすごせました。

7月FESTAは7/8(土)18時より。今回参加できなかった方は、ぜひご参加を!

注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2006年に達する年齢で表記しています。