第41回Festaは、17名の参加者が集まり、東京・水道橋のYou Meにて8/9(土)に開催しました。参加者の内訳は男性6名 女性11名(うち、新顔さん2名)。
お盆休みの開始時期と重なったため、少なめの参加者となりましたが、会場スペースをゆったり目に使って、極上の音楽を楽しむひと時は、至福の時となったかと思います。
第1部
Little Tony(リトル・トニー/67/Tivoli生まれ-国籍San Marino)。1957年にデビュー以来、休むことなく活躍し続けるロックスター&エンターテイナー。San Marino出身の両親から生まれたためSan Marino国籍ですが、ずっとイタリア国内で育ち、15歳ごろからロックンロールを演じるようになります。当時のアメリカン・スターLittle Richard(リトル・リチャード/76)に憧れて、本名のAntonioの愛称を引用したLittle Tonyと名乗り始めたのがそのまま芸名になりました。
今年のサンレモ音楽祭2008にも出場し、暖かくも渋いステージを見せてくれました。自らの芸能生活を暗示するようなタイトルの楽曲"Non finisce qui(ここで終わらない)"だったのも好印象でした。
そのサンレモ出場曲を含むアルバム「Non Finisce Qui」(2008)は、自身の活動の集大成にような、ベストCD2枚とDVDという3枚組でリリースされました。サンレモ2008出場曲"Non finisce qui"は、PVとして制作されたものが収められています。ややゴスペル調のサウンドとアレンジ。
コーラスガールとして愛娘Cristiana Ciacci(クリスティアーナ・チァッチ)が参加しており、やたらとカメラが向けられ、アルバムジャケットにも大きくコーラス3人娘の写真をフィーチャーするなど、目に入れても痛くないほど愛している様子が伺えます。またギターには、兄弟のEnrico Ciacci(エンリコ・チァッチ)が参加。彼はClaudio Baglioni(クラウディオ・バリォーニ)の名作アルバム「Sabato Pomeriggio」に参加するなど、職人肌のミュージシャンとしても活躍する人物。こうした血縁関係のメンバーにかこまれているせいなんでしょうね、この楽曲になんとなく暖かさが感じられるのは。
続いてDVDに収められた彼の足跡から、1966年の楽曲"Riderà(彼女は笑うだろう)"を。カナダの放送局CHINのライブラリー映像から収録されています。ロッカバラードの情緒たっぷりの楽曲。
Little Tonyの最後は"Figli di Pitagora(ピタゴラスの息子たち)"(2004)。ヒップホップ界のスターGabry Ponte(ガブリィ・ポンテ/35/Torino出身/元Eiffel65)をフィーチャリングしたダンスナンバー。当時既に60歳を過ぎていたLittle Tonyの、老いを全く感じさせないチャレンジ精神あふれる試みはお見事です。
第1部2人目はSilvia Mezzanotte(スィルヴィア・メッツァノッテ/41/Bologna出身)の3rdアルバム「Lunatica(気まぐれ女)」。3rdアルバムとはいっても、1stアルバムは1990年。その後コーラスガール等の下積み経験を積んだ後、2000年にMatia Bazar(マティ・バザール)の3代目歌姫に大抜擢され、2004年まで在籍。脱退後2年後の2006年に2ndアルバムをリリースしていますので、2枚目のソロアルバムと捉えた方が自然かもしれません。
1曲目はシングルカット曲"Non c'è contatto(触れ合いが無い)"をPVで紹介しました。Silviaが曲作りに参加し、自身の低音から高音までの幅広い音域を楽しませてくれる、やや緊張感がある楽曲です。Silvia自身の他、女優Carolina Crescentini(カロリーナ・クレシェンティーニ/28)が出演している映像作品になっています。前半のSilvia Mezzanotteによるカメハメ波攻撃で、階段から男女が転がり落ちて行くところがちょっと見もの?
2曲目もSilviaが曲作りに参加し、自らの名前を取り入れたタイトルの"Silvia che freddo(スィルヴィア なんて寒い)"。心の中にアイスランドがある、という比喩を使って冷えた心を持つSilviaの事を歌い上げています。Silviaはインタビューに際し、『Lunatica(気まぐれ女)というタイトルは、自分の中に秘めた、あらゆる側面を象徴している』と答えているように、Silvia Mezzanotteという女性の中にある一面なのかもしれません。
音楽的にも確かに、自らが曲作りに参加した曲もあれば、様々なタイプのアーティストのカバー曲を収めています。Raf、Riccardo Cocciante、Ronなどなど。FestaではFranco Battiato(フランコ・バッティアート)の"La cura (心遣い)"のカバーを紹介しました。
TV番組で"Silvia che freddo"をピアノ1本で歌い、"Non c'è contatto"のPVを紹介したあと、最後に"La cura"を再びピアノ1本で歌いあげるという映像を紹介しておきましょう。順番こそ違えど、8月FESTAと同じ選曲ですね。
注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2008年に達する年齢で表記しています。
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