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第2部
第2部は、2007年リリースの新作アルバムから。
Marco Armani(46/Puglia州Bari出身)は、幼いころより音楽に才能を発揮し、Zecchino D'Oro等、子供の歌のコンテストにも度々出場しては、優勝をさらっていたそうです。やがてNino Rotaの音楽院に進み、14歳の時に初めてのバンド『I Parsifal』を結成します。その名の通り、Poohが1973年に発表した傑作アルバム「Parsifal」に大きな影響を受けたそうです。
やがてサンレモ音楽祭のオーガナイザー&司会等で有名なPippo Baudoに見出されて、21歳の時にデビュー。1982年から4年間連続でサンレモ音楽祭に出場、その後も数々の音楽祭に出場しています。基本的には自作をするカンタウトーレですが、他のカンタウトーレの作品も積極的に歌い、特にLuca Carboni(45/Bologna出身)から曲の提供を受ける事が多かったようです。1980年代は毎年のようにアルバムをリリースし、90年代に入ると2〜3年おきにコンスタントにアルバムをリリース。1997年を最後に、オリジナルアルバムのリリースが途絶えていましたが、2007年、約10年振りのフルアルバム発売となりました。(その間、ベスト盤やシングル盤はリリースされました)
アルバム「Parlami d'amore(僕に愛の言葉をかけてくれ)」(2007)は、大衆歌謡や映画音楽、ショービジネス業界で作曲家として大活躍したCesare Andrea Bixio (1896-1978/81歳没/Napoli出身) の作品を歌ったアルバム。ちょっと喉に自信がある歌手たちに散々歌い尽された感のあるBixio作品ですが、熟成したArmaniの音楽センスと歌唱の手にかかると、色褪せかかっていたBixio作品が、途端に瑞々しく輝いて、CDというパッケージに納められ、麗しさを漂わすのですから、まるで魔術師のようです。
"Parlami d'amore Mariù(邦題:マリウ愛のことばを)"は、Vittorio De Sica監督作品『Gli uomini che mascalzoni...(邦題:殿方は嘘つき)』 (1932)の挿入歌として大ヒットした、その後70年以上にも渡り、その時代時代の歌自慢たちに歌い継がれて来たBixioの代表作品。Armaniのバージョンでは、Kevin Ettienneのラップボーカルがフィーチャーされてはいるものの、決してブラックミュージックっぽくならず、ヨーロッパの哀愁が漂いながらも古臭くない仕上がりになっています。
"Mamma(ママ)"も、元は映画用に書かれた曲ですが、俳優兼テノール歌手のBeniamino Gigliが劇中で歌ったためか、いわゆる『カンツォーネ歌手』の方々が積極的にレパートリーに取り入れるほど知名度が高い作品。それがArmaniが歌うと、どうしたことでしょう。楽曲が本来持つ魅力が溶けて溢れ出して、聴き手に迫ってくるのです。
最後は、このアルバムに収められた唯一のオリジナル曲"Tu rire(君が笑う)"は、1994年にPasquale Panella(Lucio Battisti晩年作品の共作者)と共に書いた曲で、今回新たに[omaggio a C.A.Bixio(C.A.Bixioに捧ぐ)]というサブタイトルを付けられて収録されています。曲名と歌詞の一部はナポリ語で書かれており、「Tu rire」はイタリア共通語では「Tu ridi(君が笑う)」という意味になります。ガットギターの優しい音色のアルペジオに包まれた、Armaniの潤いある低音やカスレ気味の高音が心に沁み入る素敵な曲です。
以上を、POP! ITALIANOのKazumaさんから紹介していただきました。BGVとして1980年代当時のArmaniのサンレモ出演時の映像を重ねました。20歳前半のArmaniは若々しく美男子ぶりを発揮しています。
スタイルとすると、当時大活躍していたToto Cutugno(64/Toscana州Massa-Carrara出身)と被るタイプのようで、当時40歳前後の脂の乗り切ったCutugnoの存在が大き過ぎました。
同時にArmaniより2歳年下のEros Ramazzotti(44/Roma出身)がデビューした時期とも重なったため、Armaniの人気はいま一つブレイクし切れなかったのかな・・・?と邪推をしてしまいました。しかしながら、現在のArmaniの味は、変に若い頃に大成しなかったからこその賜物のような気もします。
また、2007年のサンレモ音楽祭の新人部門に出場したMariangela(23/Emilia-Romagna州Piacenza出身)のデビューアルバム「…preparati a volare(飛翔準備)」(2007)にMarco Armaniが書き下ろして自らがデュエット参加した曲"Nei Giorni Sempre Uguali(いつも同じ日々の中で)"が収められていますので、さっそく紹介。
2007年6月Festaで既にMariangelaを紹介していますが、ダンサブルな楽曲とラテンフレイバーの情熱的な楽曲だったことと、その若さとセクシー路線の売り出し方と相まって、若干、過小評価を受けてしまった感もありました。
しかし、このMarco Armaniとのデュエット曲は、実にしっとりとした曲でありながら、後半になるに従って、歌唱力を必要とするスケールの大きな曲。まだ若干の荒削りな稚拙さも垣間見えるものの、Mariangelaの潜在能力がしっかりと垣間見える楽曲。ArmaniもMariangelaの引き立て役に徹しながらも、実に旨味成分をたっぷりと含んだボーカルを聴かせてくれています。
この2人の共通点は、共にPoohに影響を受けた経歴を持つことと、同じくPippo Baudoに見出された、というところでしょうか。
さて、第2部の最後のアーティストは、Cristina Donà(40/Milano県Rho出身)。常にギターを抱えてステージに立つ、カンタウトリーチェ。幼いころより音楽に目覚め、音楽高校に進み、音楽アカデミーを卒業。
2007年9月Festaで紹介したAfterhoursのリーダーManuel Agnelli(41/Milano出身)と音楽アカデミー在学中に知り合い、Afterhoursのコンサートの前座としてステージに立つようになり、La Crusらとも共演。こうして1991年(24歳)に音楽シーンに飛び出したものの、しばらくはこうした他のミュージシャンとのコラボレーションで修業を積んで行きます。
ようやくCristinaがアルバムデビューを果たすのが、1997年(30歳)ですから、女性歌手としてはかなり遅咲きになります。ここにもキャリア重点主義のイタリア芸能界の厳しい側面が見えます。
影響を受けたアーティストが、Bruce Springsteen、Sinead O'Connor、 Joni Mitchell、 Tom Waits等、アメリカのちょっと土の香りがするフォークソングやロックというだけあって、ギターを抱えたフォーク/ロックシンガーとしての作品とパフォーマンスで知られていますし、2005年リリースのアルバムは、全曲英語の作品集でした。しかしながら、2年ぶりにリリースしたアルバム「La quinta stagione(第5の季節)」(2007)は、実に秋の空気を感じさせるロック色のないカンタウトリーチェ作品集となっています。
シングルカット曲"Universo(宇宙)"をビデオクリップで紹介。タイトル通り、NASAの宇宙服を着た人間が登場します。最先端の航空宇宙学を誇るNASAのパイロットが何故か手回し蓄音器を抱いて地球上に降り立ち、ポータブル動画プレイヤーに写るCristinaの動画を人々に見せては、何かを訊ねています。ようやく手がかりをつかんだ彼は、音楽ショップへ。蓄音器にかけるため、アナログディスクコーナーに案内された彼は、Cristinaのアルバム「La quinta stagione(第5の季節)」(2007)のアナログ盤を発見! 小躍りしながら買い求め、宇宙船に持ち帰り、盤面に針を落とします。
NASAの宇宙服のヘルメットを被ったまま、しかもサンバイザーをミラーコーティングモードにしたままで、決して素顔を見せないこの宇宙服男は、地球外からCristinaの音楽を求めて地球を訪れた宇宙人だったのかもしれませんね。
考えてみると、なかなか入手できないイタリアPOPSのディスクを地球の裏側から買い求める筆者の行動も、ある意味同じ存在かもしれませんがね(笑)。
第2部最後の曲は、"Migrazioni(移民)"。エレクトリックギターのアルペジオが入るものの、全体的にはクリアで透明感のあるアコースティックサウンドのミドルバラード。どちらの曲も秋のけだるさと、空気のクリア感が味わえる、この時期にぴったりの楽曲です。
Antonellaはサンレモ2007出場後、ライヴアルバム「Souvenir d'Italia(イタリアみやげ)」(2007)を発表。サンレモ2007出場曲以外は全て、2つの世界大戦の間の時期に流行したイタリア歌謡の名曲カバー集となっています。



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