第29回Festaは東京・亀戸の某所にて8/18(土)に開催しました。

tutti insiemeお盆休み直後という日取りでしたが、参加者数18名+Yoshio@主宰の19名が集まり、会場の窓越しから見える地平線上に、4箇所ほどの花火大会が見えたこともあり、過ぎ行く夏を楽しめるFestaになりましたねー。

19名の内訳は、男性9名 女性10名、うち、新顔さん3名と、非常にバランスが良いメンバー構成となりました。


第1部

第1部は題してエスノ音楽編。
狭義の『イタリアPOPS』では括りきれないバラエティ溢れるラインナップとなりました。

Agricantus/LunaKhinaまずはじめにAgricantusを。本年の3月FESTAで紹介したPippo Pollina(44/Palermo出身)が在籍したグループとしても知られるAgricantusですが、アートディレクター役を務めるTonj Acquaviva(44/Palermo出身)をリーダーに、映画音楽家としても著名なMario Crispi(44/Palermo出身)の2人のオリジナルメンバーに、1990年からRosie Wiederkehr(スイス出身)が加わった、男性2名&女性1名の3人編成。

もともとAgricantusの結成時の方針が、単なる音楽ユニットではなく、社会的な活動の側面が強かったことや、現在の3人のメンバーが、それぞれ独自の道で成功している事を考え合わせると、Agricantusをパーマネントなバンドとは捉えず、音楽的なひとつのプロジェクトとして考えた方が正統な理解になると思われます。(ちなみにRosieは、サーカス団kitonbの歌手としての活動でも知られています。)

民族音楽ベースでありながら、多くの音楽的なエッセンスをイタリアの周辺地域から取り入れた無国籍風エッセンスを、電子楽器も多用した都会的なサウンドで奏でるところが、枠にハマらないスケールを見せ付けてくれます。

最新アルバム「Luna khina(満月)」(2007)から1曲目に"Surya"。
Mario Crispiが奏でる哀愁あるウインド楽器の調べで始まり、ところどころにエスニックな要素を散りばめながらも、Rosieの爽やかなボーカルと軽いタッチのPOPアレンジが施された楽曲。

2曲目は"Imaku"。
アルバム「Luna Khina」には、アルバムバージョンと、RadioVersionの2つのImakuが収録されていますが、Festaで紹介したのは、よりキャッチーで短めに仕上げられたRadioバージョン。魅力的なRosieのボーカルに2人の男性のボーカルが絡み合う爽やかながらもノスタルジーを感じさせるサウンドです。



FrancescaMarini/Parlammene
第1部2人目のアーティストはFrancesca Marini(Napoli出身)。Napoliのローカルレーベルでは何作かアルバムを出しているFrancescaの全国メジャーデビュー盤、といった位置付けになる「Parlammene(私にその事を話して)」(2007)をご紹介。Napoli歌謡の伝統的な曲調が満載のアルバムで、落ち着いて聞くことができるところが良いところ。

1曲目はアルバムタイトル曲"Parlammene(私にその事を話して)"。低い歌い出しのAメロ。Bメロで少し開放感がでてきて、サビはまさしく伝統的なナポリ歌謡の節回し。アレンジもやや前時代的ながらも、オーケストラやコーラスもふんだんに取り入れたゴージャス仕様。

2曲目は"Co fridde 'nguolle"。ややキャッチーなテンポの曲。奥行きと透明感溢れるサウンドが好印象。最初は薄めに重ねられた女性コーラスが最後はメインボーカルと掛け合いになる展開も聴き所。こぶし回しや節回しなどところどころにナポリらしさとノスタルジーが溢れる曲です。


第1部の最後は、大御所Teresa De Sio(52/Salerno出身)。

現在に繋がるナポリ音楽復興活動の立役者のひとりであるEugenio Bennato(60/Napoli出身)により1976年に結成されたMusicanovaに参加したTeresaは、その伝統的なトラッドベースのボーカルスタイルで、その名を知られるようになります。

さらには当時イタリア音楽界で確立しつつあった『地中海音楽』というコンセプトに、非常にマッチしたアーティストとして注目を集めるようになります。P.F.M.を脱退したMauro Pagani(61)が地中海音楽を具現化して見せた傑作アルバム「Mauro Pagani(邦題:地中海の伝説)」(1978)に参加し、多くの音楽ファンを唸らせ、その後ソロデビューするや否や、トラッド系シンガーにしては稀な大ヒットを記録する事になります。

TeresaDeSio/SaccoE_Fuoco8月Festaでは、彼女の新作アルバム「Sacco e fuoco(袋と火)」(2007)から、2曲紹介しました。

訳注:"Sacco"は『袋』の意の他に、Teresaの出身地近郊の地名でもあり、南伊トラッドミュージックの第一人者であった故Andrea Saccoを意味しているとも想像できます。

1曲目は"Non tengo paura(私は怖くない)" 

訳注:共通イタリア語では、"Non ho paura"と言いますが、動詞avereが人の状況を表す意味の場合、南伊ではしばしば動詞tenereを使います。

メジャーコード展開のアコーステックギターのカッティングとコンガのリズムにストリングスのメロディが乗って、心地良い楽曲です。電子楽器を多用すればディスコサウンドになってしまうかもしれません。そこに低音のTeresaの渋い声が被さり、そのアクの強さを見事に魅力に変えてしまうので、安心して聴いていられます。

2曲目は、"Due ore al giorno(1日に2時間)"。こちらはいかにもエスノミュージックといった感じの曲調。男性複数名の地声コーラスが粋です。南伊伝統のリズムPizzicaPizzicaやTarantellaをベースにしたような、力強いリズムが効いた楽曲です。ややうねりを加えたTeresaの変化自在なボーカルが演奏と絡み合って、この楽曲を魅力的なものにしています。

Festa会場では2曲とも、前作「A Sud! A Sud! (南へ!南へ!)」(2004)のツアー時の映像を重ねて紹介しました。

ちなみにTeresaの実妹は女優のGiuliana De Sio(50)。『Io chiara e Lo scuro(1983/邦題:ハスラー・ザ・ファイナル』、『Speriamo Che Sia Femmina(1986/邦題:女たちのテーブル)』、『Quite by chance(1988/邦題:興味本位の女たち)』などなど、数多くの作品に出演しています。


Continua alla prossima puntata.(続く)