サンレモ音楽祭2022のハイライトシーンから。(Festaでは実際のサンレモ音楽祭の生ステージ映像で紹介)

なんといっても、視聴率がものすごく弾けた大会となり、平均視聴率:58%(前年比125.4%)、最高視聴率:最終夜後半72.09%(前年比115.3%)、瞬間最高視聴率:最終夜優勝発表時81.15%(前年比102.7%)という結果となったのが特筆する点。
まずは本選出場25組から、上位6位までをピックアップ。例年のサンレモは、最終夜に大きく順位が変動する大番狂わせが常態化しているが、今回はほぼ、途中経過の順位通りの結果となったのも大きな特徴といえよう。
6位は優勝経験者Emma(エンマ/38歳)が歌う「Ogni volta e` cosi`(意:毎回こんな感じ)」。ヒットメイカーのDardust(ダルダスト)らとエンマ自身が書き下ろした楽曲で、何よりも若手女性歌手Francesca Michielin(フランチェスカ・ミキェリン/27歳)が初めて指揮者として登壇したのが大きな話題となった。

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5位はSangiovanni(サンジョヴァンニ/19歳)が歌った「Farfalle(意:蝶々たち)」。2021年にタレント・ショウ番組Amici(アミーチ)で2位となり(歌手部門1位)、2021年の年間シングルチャートの首位を制する大躍進を果たした注目株だ。

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4位はIrama(イラマ/27歳)「Ovunque sarai(意:君がどこにいても)」。共作者であり、同大会で指揮者を務めたGiulio Nenna(ジュリオ・ネンナ)の亡き父に捧げた楽曲で、惜しくもこの順位にとどまった。

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3位は優勝経験者にして、長年現役であり続けるレジェンドGianni Morandi(ジャンニ・モランディ/78歳)の「Apri tutte le porte(意:あらゆる扉を開け)」。コロナ禍でこの2年間も行動の自由を奪われた人々へに向けてのメッセージソングで、Jovanotti(ジョヴァノッティ/56歳)らが書き下ろしたことも順位に大きな貢献をした。ルチォ・ダッラ賞(記者クラブ賞)も受賞。

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2位は優勝経験者Elisa(エリーザ/45歳)の「O forse sei tu(意:あなたかもしれない)」は、ピアノやストリングスの音色を生かした美しいラヴソングで、ジャンカルロ・ビガッツィ賞(最優秀作曲賞)も受賞。

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そして優勝したのは、優勝経験者Mahmood(マムッド/30歳) e Blanco(ブランコ/19歳)がタッグを組んで歌った「Brividi(意:おののき)」。

内容は“愛の不確かさ”。間違いや不充分さ、脆さなどを恐れずに、逃げずに立ち向かっていこう、というメッセージソング。メタファーに富んだ歌詞なので、人それぞれの解釈が成り立つものの、直近の2年もの間、愛が確かめにくい状況に陥った誰もの心に刺さったことは間違いないだろう。美しい高音域のメロディをしっかりとした歌唱力で魅了したパフォーマンスだったことが勝利に繋がったようだ。
マムッドは2019年に優勝後わずか3年目に2度目の優勝という快挙となり、21世紀になってからは初めてのこととなり、ブランコは2020年にデビューしたばかりながら、2021年はチャート首位を獲得する曲を3曲も放ち、年間チャートも賑わせた赤丸注目株の存在。
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第4夜に行われたカヴァー大会から、イタリア語歌唱で光るパフォーマンスだったものを紹介。
最優秀カヴァー賞に輝いたのは、Gianni MorandiがJovanottiをゲストに迎えて歌った彼らの持ち歌メドレー「Occhi di Ragazza(意:太陽の少女)」(1970) 〜 「Un mondo d'amore(意:愛の世界)」(1967) 〜 「Ragazzo fortunato(意:幸福な青年)」(1992) 〜 「Penso positivo(意:プラス思考)」(1994)。前半2曲はGianni Morandiの、後半2曲はJovanottiの持ち歌だ。デュエットとはいえ、それぞれの持ち歌を歌っただけなので、厳密にはカヴァーといえないじゃないか、という意見も集めたものの、余興コーナーなので、楽しければそれで良し、ということで。

MahmoodとBlancoがカヴァーしたのは、「Il cielo in una stanza(意:ある部屋の空/邦題:しあわせがいっぱい)」 (1960)。60年代にイタリア音楽界の革命を目指したジェノヴァ派と呼ばれるカンタウトーレたちの中で、現在、唯一の生存者であるGino Paoli(ジーノ・パオリ/88歳)が書いたエヴァーグリーン曲。尖がった音楽を奏でる現代の若者2人が60年以上前の楽曲をカヴァーして歌うところが実にイタリアらしい。

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SangiovanniはFiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア/68歳)を迎えて、故Pierangelo Bertoli(ピエランジェロ・ベルトリ/1942-2002)の「A muso duro(意:断固として)」 (1979)をカヴァー。68年にデビューしたものの長い下積み時代を余儀なくされたフィオレッラが、ようやくヒット曲を放って注目を集めるようになったのが、ピエランジェロ・ベルトリとのデュエットで歌った「Pescatore(意:漁師)」(1980)だったので、まさにドンピシャのゲストというところがツボ。

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Massimo RanieriはNek(ネック/50歳)を迎えて故Pino Daniele(ピーノ・ダニエレ/1955-2015)の「Anna verra`(意:アンナがやってくる)」(1989)をカヴァー。“アンナ”とはアカデミー主演女優賞(非英語圏で初となる快挙)の他、数多の国内外の賞を獲得したイタリアが誇る大女優Anna Magnani(アンナ・マニャーニ/1908-1973)を歌っている。

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AKA 7even(アカ・セヴン/22歳)は優勝経験者Arisa(アリーザ/40歳)を迎えて故Alex Baroni(アレックス・バローニ/1966-2002)の「Cambiare(意:変わること)」(1997)をカヴァー。
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Achille Lauro(アキッレ・ラウロ/32歳)はLoredana Berte`(ロレダーナ・ベルテ/72歳)を迎えて、ロレダーナの初期の大ヒット曲「Sei bellissima(意:君はキレイだ)」(1975)をカヴァー。いつもド派手なルックスのアキッレがオトナシ目の衣装だったのに対し、見た目のインパクトが強いロレダーナが自分の持ち歌を歌う構造になったため、どちらが主役でゲストだか判らない絵となってしまった。

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Rkomi(ルコミ/28歳)は、2021年の年間アルバムチャートの首位を収める快挙を成し遂げた注目株。カヴァー大会で披露したのはイタリアのロックの帝王Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ/70歳)のメドレー。「Fegato, fegato spappolato(意:肝臓、ぐにゃぐにゃにされた肝臓)」(1979)〜「Deviazioni(意:逸脱)」(1983)〜「Cosa succede in citta`(意:街に何が起こっているのか)」(1985)の3曲を披露。なんといってもゲストにファンクバンドCalibro 35(カリブロ・トレンタチンクエ)が登場したことがツウには堪らん!キーボードにEnrico Gabrielli(エンリコ・ガブリエッリ)で、途中フルートに持ち替えて、エネルギッシュなパフォーマンスも!他の面々もそれぞれプロミュージシャンとして様々なレコーディングに参加しているプロ中のプロばかり。

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一転してIva Zanicchi(イヴァ・ザニッキ/82歳)が、同僚にして良きライバル関係にあった故Milva(ミルヴァ/1939-2021)のサンレモ出場曲「Canzone(意:歌)」(1968)をカヴァー。冒頭にサンレモで歌うミルヴァの映像&サウンドで始まり、まるでデュエットのような神がかったシーンとなった。同曲はモザイク・カンツォーネという異名をとった作風のDon Backy(ドン・バッキー)らが書き下ろした楽曲で、当時彼が所属していたレコード会社の長Adriano Celentano(アドリァーノ・チェレンターノ)との間で紛争が巻き起こった曰くつきの楽曲でもある。

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Giovanni Truppi(ジョヴァンニ・トルッピ/41歳)が死後もイタリア人たちの心の中でレジェンドであり続けるFabrizio De Andre'(ファブリツィオ・デ・アンドレ/1944-1999)の「Nella mia ora di liberta`(意:僕の自由時間に)」(1973)をカヴァー。しかもゲストにVinicio Capossela(ヴィニーチョ・カポッセラ/57歳)とMauro Pagani(マウロ・パガーニ/76歳)を迎える豪華なステージ。偉大な音楽家にしてマルチプレイヤーのマウロ・パガーニが神がかったヴァイオリンやフルートを演奏することが期待されていたものの、終始ハーモニカを吹くだけに留まったのは少々残念。

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Giusy Ferreri(ジューズィー・フェッレーリ/43歳)はBluvertigo(ブルーヴェルティゴ)のAndy(アンディ/52歳)を迎えて、イタリア人の心に残り続けるもうひとりのレジェンドLucio Battisti(ルーチォ・バッティスティ/1943-1998)のカヴァー「Io vivro [senza te](意:僕は生きる[君なしで]」(1968)をカヴァー。

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さて、ここからはゲスト出演者のシーンを紹介した。
前年の覇者Maneskin(マネスキン)はサンレモ2021優勝曲「Zitti e buoni(意:だまってイイ子ンいしてな)」、「Coraline(コラリーン)」を披露。このステージならではのオーケストラ入りアレンジは見事。パフォーマンスが終わった直後、感極まってヴォーカルのダミァーノは泣き出してしまっていたのも見どころとなった。

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サンレモ2021出場曲「Musica leggerissima(意:超・軽音楽)」が大ヒットとなったColapesce(コラペッシェ/39歳) Dimartino(ディマルティーノ/40歳)は、豪華客船コスタ・トスカーナの別ステージから船乗りの衣装でのパフォーマンス。

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Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ/48歳)は新曲「Scatola(意:箱)」を披露。

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優勝経験者Ermal Meta(エルマル・メータ/41歳)は、サンレモ2021で惜しくも3位に留まった「Un milione di cose da dirti(意:君に言うことがたくさん)」を豪華客船コスタ・トスカーナから中継で見せた。

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Pinguini Tattici Nucleari(ピングィニ・タッティチ・ヌークレァーリ)は初出場したサンレモ2020で3位に入賞した「Ringo Starr(リンゴ・スター)」を豪華客船コスタ・トスカーナから中継で。以降、アルバムも大ヒットして、大躍進となった彼らが演奏の途中で掲げたプラカードが大きな注目を集めた。そこに書かれていたのは「2年間コンサートができていない」「僕らに演奏をさせてくれ」という悲痛な叫び。彼らもまたコロナ禍の深刻な影響を受けていたのだ。

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優勝経験者Marco Mengoni(マルコ・メンゴーニ/34歳)はMadame(マダム)とデュエットした「Mi fidero`(意:僕には自信がある)」(2021)、そしてサンレモ2013優勝曲「L'essenziale(位:かけがえのないもの)」をパフォーマンス。

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Cesare Cremonini(チェーザレ・クレモニーニ/42歳)は「Nessuno vuole essere Robin(意:誰もロビンにはなりたくない)」(2018)、「Marmellata #25(意:マーマレード #25)」(2005)、「La nuova stella di Broadway(意:ブロードウェイの新星)」(2013)、「Poetica(意:作詞論)」(2017)、「La ragazza del futuro(未来の少女)」(2022)、そしてLunaPop(ルナポップ)時代の大ヒット曲「50 special(50 スペシャル)」(1999)と、6曲ものヒット曲をたっぷり披露した。

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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2022年に達する年齢で表記。






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マネスキン『ラッシュ!』(2023日本盤)
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2015/2/3 Ligabue来日公演
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