Gigi D'Alessio(ジジ・ダレッシオ/55歳/Napoli出身)の芸能生活30周年記念ライヴ『Gigi Uno come te 30 anni insieme(意:ジジ・あなたのような1人の男・30年間共に)』(2022)から。故郷ナポリのプレビシート広場で2022年6月17日・18日の両日行われた野外ライヴで、初日がTV中継された。たくさんのゲストとの共演シーンが見もの。日本から視聴不可コンテンツ。
Gigi D'Alessio - Uno-come-te-30-anni-insieme

ダイジェスト映像

「Quanti amori(意:どれほどの愛)」 (2004)は世界的スターEros Ramazzotti(エロス・ラマッツォッティ|エロス・ラマゾッティ/59歳/Roma出身)との共演。歌い終わったErosはGigiを“ナポリの弟”と呼び、Gigiもそれを受けて“僕らは兄弟!”と言及している。

続いてEros自身の持ち歌をGigiとデュエット。「Un'emozione per sempre(意:永遠の感情)」(2003)は、本来Alex Baroni(アレックス・バローニ/1966-2002/Milano出身)にErosが提供するつもりで書き下ろした楽曲だが、Alexが交通事故で突然他界してしまったため、Eros自身の歌唱で世に出た楽曲。そして「Piu` bella cosa(意:とても美しいもの)」 (1996)はErosの当時の妻に捧げられた楽曲で大ヒットとなった。

続いては、Gigiが敬愛してやまないナポリの、否、イタリアの偉大な音楽家として死後もイタリア人の心に残り続けるRenato Carosone(レナート・カロゾーネ/1920-2001/Napoli出身)に捧げるコーナー。Gigi曰く“言わば僕の一番上の兄”。多彩な芸を持つFiorello(フィオレッロ/62歳/Sicilia州Catania出身)が客演。カヴァーする楽曲は最も有名な「Tu vuo' fa' l'americano(意:君はアメリカ人になりたいのか)」〜「Torero(意:闘牛士)」〜そして「'O saracino (意:サラセン人)」。

イタリアを代表する歌ウマ女性歌手のひとりFiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア/68歳/Roma出身)が登場し、Gigiとのデュエットで発表された「L'ammore(意:愛)」(2019)をしっとりと再現。

そしてGigiがピアノでイントロを弾き出すのは、Fiorellaの代表曲中の代表曲「Quello che le donne non dicono(意:女たちが言わないこと)」 (1987)。当然、観客を巻き込んでの大合唱となる。

近年のサンレモ音楽祭の司会者としてお馴染みのAmadeus(アマデウス/60歳/Emilia-Romagna州Ravenna出身)が登場し、Gigiのサンレモ音楽祭初出場シーンを再現した前説を展開。Gigiはそのサンレモ音楽祭デビュー曲「Non dirgli mai(意:彼には絶対に言わないで)」 (2000)を披露。これを契機にGigiは全国区の知名度を得てビッグスターになっていく大切な転機となった楽曲だ。

主にフランスで活躍するLara Fabian(ララ・ファビアン/52歳/ベルギー生まれ)とのデュエットで話題となった「Un cuore malato(意:病んだ心)」(2006)をAmici出身者の中で一番の出世頭となったAlessandra Amoroso(アレッサンドラ・アモローゾ/36歳/Puglia州Galatina出身)が登場して共演。

Milano郊外にある栄光のサッカースタジアムSan Siro(サン・シーロ)でコンサートをすることになった、史上2人目のイタリア女性歌手だとGigiはAlessandraを褒めたたえる。※1人目はLaura Pausini(ラウラ・パウジーニ) San Siroは芝が痛むのを嫌って、本当に大物と認められたアーティストにしかコンサートを許可しないことで有名な、まさにイタリア人アーティストたちが目指す国内頂点に君臨する聖地である。

今回のゲスト最年少のLDA(エッレ・ディー・アー/19歳)が登場。2021年のAmiciに出場して話題となった人物で、その芸名は本名の頭文字。LはLuca(ルカ)、DAはD'Alessio(ダレッシオ)。つまりGigiの息子だ。LDAの持ち歌「Quello che fa male(意:居心地悪いあのこと)」 (2022)を父子デュエット。

余談ではあるが、LDAはGigiの長男と17歳離れた第3子で、長男の第一子(=Gigiの初孫)はLucaの僅か4歳年下という関係。Gigiの孫で一番年下は2021年生まれ。一方、Gigiは現在3人目の伴侶と家庭を持ち、一番下の息子は2022年初頭に生まれたばかり。つまりGigiは孫より若い息子がいるという、驚愕のプライヴェートライフを過ごしている。

ナポリ語詞で歌われる「Si turnasse a nascere(意:もし生まれ変わるなら)」(2013)は、サッカー界で“神の子”の異名をとったレジェンドで、ジリ貧だったNapoliのチームを優勝(1986-87シーズン)に導いたディエゴ・マラドーナ(1960-2020)に捧げられた楽曲。マラドーナはアルゼンチン出身ではあるものの、この偉業が今もNapoli人の心に残り“ナポリの王”という異名で愛され続けている。Gigiはステージ上で俳優Alessandro Siani(アレッサンドロ・シアーニ/47歳/Napoli出身)の隣で歌い上げる。

Achille Lauro(アキッレ・ラウロ)が登場して持ち歌「16 Marzo(意:3月16日)」(2020)をGigiとデュエットするものの、Achilleのマイクが機能せず、Gigiとマイクを持ち替えながらの共演となった。Achille Lauroはど派手なステージパフォーマンスで知られる存在だが、今回は客演の立場なので、場をわきまえておとなし目の衣装&メイクに留めている。

そしてGigiの持ち歌「Mon amour(意:我が愛するひと)」(2001)をAchille Lauroが客演。

さらにはGigi D'Alessioの歴史を振り返るコーナー。まだNapoli限定の知名度しかなかったGigiが“il Re della sceneggiata(意:大衆音楽劇の王)”の異名を取ったMario Merola(マリオ・メロラ/1934-2006)に提供した「Cient'anne(意:百年)」(1999)を披露。Marioの息子Francesco Merola(フランチェスコ・メロラ)が代理で歌うのも心温まるシーン。

“マリオ・メロラから始まった僕の音楽はLuche`まで到達したよ”とGigiが話して始めるのは「Come me(意:僕のように)」(2019)はもちろん人気ラッパーLuche`(ルケ/41歳/Napoli出身)が客演として登場。近年は世界的に“歌うラッパー”が人気を博しているように、Luche`も全編をほぼ歌い切っている。

2004年にGigiが同郷のGigi Finizio(ジジ・フィニツィオ/57歳)、Sal Da Vinci(サル・ダ・ヴィンチ/53歳)らとの共演で発表した「Napule(意:ナポリ)」(2004)は、故Lucio Dalla(ルチォ・ダッラ/1943-2012)の登場シーンは、在りし日のLucioの映像を用いたヴァーチャル・デュエットとして再現したのも見どころ。

ここからは2021年にGigiが展開した、ナポリ語曲をラッパーたちとの共演でパフォーマンスした世界観を展開する。もちろん、スタジオ録音どおり、多数のラッパーが次から次に登場して共演を展開。楽曲は「Guagliune(意:若者)」〜「Como suena el corazon(意:心はどのように響くのか)」〜「Buongiorno(意:おはよう)」。登場するラッパーはEnzo Dong(エンツォ・ドング)、Ivan Granatino(イヴァン・グラナティーノ)、Lele Brade(レレ・ブレイド)、Samurai Jay(サムライ・ジェイ)、Clementino(クレメンティーノ)、Vale Lambo(ヴァレ・ランボ)、MV Killa(エンメヴー・キッラ)、Coco(ココ)、Franco Ricciardi(フランコ・リッチャルディ)、Geolier(ジェオリエール)、そしてLDAといった面々だ。

コンサートの最後に披露されたのは、、意外にもGigiの持ち歌ではなく故Pino Daniele(ピーノ・ダニエレ/1955-2015)の名曲「Napule e`(意:ナポリは)」。意外ではあるものの、ナポリに捧げる曲としてはこの曲以外にはあり得ない、と誰もが納得できる選曲だ。


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2022年に達する年齢で表記。