ローマ時代の遺跡にして現代もなお屋外イベントが行われているArena di Veronaで2022年6月2日に開催され、翌6月3日にTV放映されたばかりの野外コンサート『DallArenaLucio(ダッラレーナルーチォ/意:アレーナからルーチォ)』(2022)から。日本からは視聴不可コンテンツ。

DallArenaLucio

イタリアの国民的カンタウトーレだった故Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ/1943-2012/Bologna出身)の没後10周年の節目の年に、Fiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)の音頭で集まったアーティストたちがLucio Dallaの楽曲をカヴァーして披露した。

冒頭に登壇するのはもちろん、番組の進行役も務めるFiorella Mannoiaがサンレモ音楽祭優勝歴を持つMarco Mengoni(マルコ・メンゴーニ)を迎え、1988年にほぼ同郷&ほぼ同い年のスターGianni Morandi(ジャンニ・モランディ)とコンビで活動していたころのヒット曲「Vita(意:人生)」(1988)をカヴァー。この楽曲はDallaのヒット曲としては珍しく自作曲ではなく、名プロデューサーにして伝説のギタリストMario Lavezzi(マリオ・ラヴェッツィ)の作曲。
Fiorella Mannoia & Marco Mengoni - DallArenaLucio

そして大ヒット曲「L'anno che verra`(意:やってくる年)」 (1979)をMarco Mengoniのソロで。今もなお、年末年始には必ず流れる定番曲だ。

オペラティック・トリオIl Volo(イル・ヴォーロ)が登壇し、おそらく日本で一番知られたLucio Dalla作品である「Caruso(邦題:カルーソー)」 (1986)をカヴァー。もちろん稀代の名テノールだったエンリコ・カルーソーの晩年を歌った楽曲。ちなみに日本では“カルーソー”という間違った発音のカタカナが定着してしまったが、現地での発音は“カルーゾ”で、南伊では“若者”を意味する言葉だ。
Il Volo - DallArenaLucio

Gigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ)は名曲「Piazza Grande(意:大広場)」(1972)をカヴァー。Dallaの故郷Bolognaを代表する大広場Piazza Maggiore(マッジョーレ広場)の愛称をタイトルに据えたご当地ソングの代表格的な定番曲であり、もちろんDallaの訃報に際し、多くの人々がこの広場に集まり、自然発生的にこの楽曲を合唱して故人を偲んだ。
Gigi D'Alessio - DallArenaLucio

一時期Dallaとコラボして共作相手を務めていたSamuele Bersani(サムエレ・ベルサーニ)は「Tu non mi basti mai(意:君は僕には充分ではない)」 (1996)を。
Samuele Bersani - DallArenaLucio

再びFiorella Mannoiaが登壇し、Alessandra Amoroso(アレッサンドラ・アモローゾ)を招いて、「La sera dei miracoli(意:奇跡の夜)」(1986)を披露。
Fiorella Mannoia & Alessandra Amoroso - DallArenaLucio

Dallaの愛弟子だったRon(ロン)はDallaのサンレモ音楽祭出場曲にして、出世曲となった「4/3/1943(意:1943年3月4日)」(1971)をしっとりとカヴァー。同曲の原題は歌詞の最後に登場する“Gesu` Bambino(意:幼子イエス)”だったが、歌詞の内容はアメリカ兵とイタリア女性の間に生まれた境遇を歌っており、このタイトルだと“イエス様も父なし子”と強調されてしまうので、サンレモ音楽祭直前に曲名変更が求められ、結果、Dallaは自分の誕生日をタイトルに据え、あたかも自伝であるかのようにリリースしたのだ。ちなみにDallaの父はイタリア人だし、父母が揃った家庭でDallaは育っているので、実話ではない。
Ron - DallArenaLucio

Negramaro(ネグラマーロ)のヴォーカリストGiuliano Sangiorgi(ジュリアーノ・サンジョルジ)は「Cara(意:親愛なる)」(1980)をカヴァー。

そしてGiuliano SangiorgiはFiorella Mannoiaを迎え、それぞれが歌の主人公となって美しい楽曲「Anna e Marco(意:アンナとマルコ)」(1979)」を披露。
Fiorella Mannoia & Giuliano Sangiorgi - DallArenaLucio


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2022年に達する年齢で表記。