イタリアのロックバンドの中で世界一の知名度を誇るPFMことPremiata Forneria Marconi(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)が4年ぶりのスタジオ録音オリジナル作品アルバム『電気羊の夢を見た(原題:Ho soganto pecore elettriche / I dreamed of electric sheep)』のリリースを発表し、日本盤がイタリア本国とほぼ同時期の2021年10月27日発売となります。

PFM - Ho sognao pecore elettriche (2021)

PFMといえば、1970年代に世界的な名声を獲得し、イタリアの偉大なカンタウトーレFabrizio De Andre’(ファブリツィオ・デ・アンドレ)とのコラボ・ライヴなどを敢行するなど、イタリア音楽史上に燦然と輝く実績を残したバンド。

2002年の来日公演を収録したライヴ盤をきっかけに世界中にプログレッシヴ・ロック・ブームを再燃させることとなったのも、日本人としては押さえておきたいポイントです。

今回は映画『ブレード・ランナー』(1982)シリーズの原作となったSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を基にしたコンセプトアルバム。原作は現在形の疑問形なのに対し、本アルバムは、1人称が主語の過去形になっているのもポイントです。

原作は、進化したAIを持つアンドロイドなら自分を人間と信じ込んでしまう、というロジックの世界感で、夢を見るのが人間であって、見ないのがアンドロイドという定義ならどうだろう?という正解の判らない主題が提示されていました。それに対して、本アルバムは「自分は夢を見た」と回答している訳です。

ブレードランナー

とはいいつつ、アルバムの中で歌われているのは、まさに現実の現代社会を背景に、そこで生きている私たちの生活様式やモノの考え方に一石を投じる内容です。データに追われ、SNSに縛られ、大事なことを忘れちゃいないか? とリスナーにひしひしと問いかけてきます。

高度な演奏テクニックを持つミュージシャン集団ながら、現代では常識となったクリック音を聴きながら演奏することを拒み続けるPFMらしさを深く感じ取れること間違いありません。

サウンドはいい意味でプログレ臭さが無く、現代的。冒頭のインスト曲は、まるで生オーケストラが奏でる序曲のようですし、ロック曲はベースの存在が派手過ぎずながらテクニカルで、実に心地よいサウンドを奏でており、アルバム1枚を素直に楽しめる構成になっています。

参加したゲストも多彩で、元オリジナルメンバーのFlavio Premoli(フラヴィオ・プレモリ/Key.)を始め、イアン・アンダーソン(フルート/ジェスロ・タル)、スティーヴ・ハケット(Gt.)といったインターナショナルなビッグ・ネームに、新進のLuca Zabbini(ルカ・ザッビーニ/Gt./バロック・プロジェクト)、お馴染みのLucio Fabbri(ルーチョ・ファッブリ/Violin&Viola)などなども話題満載。

イタリア語盤&英語盤の2枚組ですが、歌詞の内容が異なり、片方の歌詞を単に他方に翻訳しているものではないので、両方とも必聴です。日本盤にはもちろん、歌詞対訳と日本語解説が付き、ほぼ同時発売なら日本盤を買うのが正解だと思います。ちなみにイタリア語詞の対訳とイタリア語解説文の翻訳は当サイトのYoshioAntonioが担当いたしました。

ソニー・ミュージックのリリース文

※当サイトでのPFMの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/PFM