人気TV番組『A grande richiesta(意:大きなリクエストに応えて)』が2021年2月20日に放映した『Minaccia bionda(意:金髪の脅威)』は、デビュー55周年を迎えたPatty Paravo(パッティ・プラヴォ/73歳/Venezia出身)特集。
Minaccia-Bionda

「Tutt'al piu`(意:ことによると)」(1970)は、親日派でもある作曲家&ピアニストのGiovanni Allevi(ジォヴァンニ・アッレヴィ/ジョヴァンニ・アレヴィ)との共演。ヒットメーカーFranco Migliacci(フランコ・ミリアッチ)らが書き下ろした楽曲。

「Pensiero stupendo(意:素敵な考え)」 (1978)はOscar Prudente(オスカル・プルデンテ)が作曲した作品。当初は別の詞でGianni Morandi(ジァンニ・モランディ)のために書かれた曲だったのに頓挫し、後に重鎮カンタウトーレとなる、まだ若きIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)が書いた歌詞に乗せ換えられた。ところがその歌詞が女性から女性への同性愛視点で描かれた世界観であっため、次の歌い手候補となったLoredana Berte`(ロレダーナ・ベルテ)が歌うのを拒否。当時のイタリアでの同性愛は宗教的理由でタブー中のタブーとされ、まったく市民権が無かったのだ。ならば言葉の意味がよく判らないであろうフランス人女性歌手に歌わせる方向に動き始めた時点で、Patty Pravoのマネージャーが手を挙げたといういわくつきの楽曲だ。ところがPattyが歌うと同曲は瞬く間に大ヒットする。当時Claudio Baglioni(クラウディオ・バリォーニ)と共作コンビを組んでいたAntonio Coggio(アントニオ・コッジォ)がプロデュースを努めている。
https://youtu.be/RrVeUpxFSDE

最初の歌うゲストとして登場するのは、Nina Zilli(ニナ・ズィッリ)。レトロな雰囲気の作品を歌わせたら最高の女性歌手だ。「Ragazzo triste(意:打ち沈んでいる青年) (1966)
https://youtu.be/0m3ecwFpGZM

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大御所カンタウトーレFrancesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)が登場し、彼がPattyに書き下ろした楽曲「Mercato dei fiori(意:花市場)」(1975))をデュエットする。見どころのひとつだ。

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Pattyの最大のヒット曲「Pazza idea(意:愚かな考え / 邦題:狂おしき愛)」(1973)

元Elio e le Storie Tese(エリオ・エ・レ・ストリエ・テーゼ)のElioが登場し、サンレモ音楽祭1970でPattyがLittle Tony(リトル・トニー)とパートナーを組んで歌った「La spada nel cuore(意:心の刀)」をカヴァー。実力派ながらも、おふざけコスプレに命を懸けるElioは、往年のLittle Tonyに寄せた衣装で登場し、“Little Patty Elio”と名乗る。
https://youtu.be/WQYXd8H6DFE

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「Qui e la`(意:ここと向こう)」(1967)は、ランボルギーニ社の創業者の孫娘Elettra Lamborghini(エレットラ・ランボルギーニ)とのデュエット。新旧のセックス・シンボルの共演だ。

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1950年代から1960年代にかけて、フランス音楽界で大活躍したレジェンドJacques Brel(ジャック・ブレル/ベルギー出身)の名曲「Ne me quitte pas(邦題:行かないで)」のイタリア語カヴァー「Non andare via(意:行かないで)」(1970)
https://youtu.be/ZpP9V-cjtSA

大御所Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)が登場し、Pattyに書き下ろした楽曲「Le tue mani su di me(意:私の上のあなたの両手)」(1975)をデュエットする夢の競演。

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来日歴もある若手実力派カンタウトーレGiovanni Caccamo(ジォヴァンニ・カッカモ)が登場しPattyの最近の楽曲「Cieli immensi(意:広大な空)」 (2016)をカヴァー。彼の歌唱を聞いていると、まるで彼のオリジナル曲にも感じられ、同曲の新たな魅力が再発見されるほど見事なパフォーマンスだ。

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再びNina Zilliが登場し、名匠Sergio Bardotti(セルジォ・バルドッティ)が作詞した「Se perdo te(意:もしあなたを失うのなら)」 (1967)をデュエット。

Patty Pravoが非常に大事にしてきた楽曲「Col tempo [Avec le temps](意:時と共に)」(1972)はモナコ公国出身でフランス音楽界に大きな影響力を与えたLeo Ferre'(レオ・フェレ)作品。
https://youtu.be/qhJrccBF1-Q

X Factor 2020で4位となり、同チームを率いるMika(ミーカ)がその才能を大絶賛したのがN.A.I.P.(ナイプ)。Baustelle(バウステッレ)のFrancesco Bianconi(フランチェスコ・ビアンコーニ)ばりの低音の魅力でカヴァーするのは「Tripoli 1969(トリポリ 1969)」(1969)。Paolo Conte(パオロ・コンテ)らが作曲し、Vito Paravicini(ヴィート・パラヴィチーニ)らの実力派たちががっぷり組んで作り上げた楽曲だ。

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初期のヒット曲のひとつ「La bambola(意:人形)」 (1968)は名匠Franco Migliacciらが書き下ろした作品。
https://youtu.be/w1quNi24GGw

再びElioが登場し、1960年代の終わりから1970年代にかけて、エポックメイキングとなったたMogol(モゴール) - Battisti(バッティスティ)作品「Il paradiso(意:天国)」(1969)をPattyとデュエット。同曲はある女性歌手に提供された楽曲だったが、ヒットメーカーコンビだった彼らには珍しくヒットせず・・・英語カヴァーがヨーロッパでスマッシュヒットしていたのを、ヨーロッパツアー中だったPattyが耳にして気にいり、イタリア語でカヴァーしようと思い立ったら、実はイタリア語版がオリジナルであったと知る、という逸話のある楽曲。もちろんPattyのイタリア語歌唱で同曲はイタリアで初めてヒットすることとなる。

Morgan(モルガン)がウクレレベースを手に登場し、「I giardini di Kensington(意:ケンジントンの庭)」 (1973)をカヴァー。そもそも同曲はアメリカのRockシンガーLou Reed(ルー・リード)「Walk on the Wild Side(邦題:ワイルド・サイドを歩け)」のイタリア語カヴァーだ。最後の方でPattyが登場しデュエットとなる。
https://youtu.be/KMgtaGefbeE

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Pattyとのおしゃべりの流れでMorganは「Pensiero stupendo」を歌い始める。すると演出なのだろうか?Pattyは踵を返してステージを去る。前年のサンレモ音楽祭2020で、Morganのデュエット相手Bugo(ブーゴ)が突然ステージを降りてしまったため、失格となるという前代未聞の事件を起こしていたのだ。

エンディングはロックの帝王Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ)とベテランバンドStadio(スターディオ)のGaetano Curreri(ガエターノ・クッレリ)らがPattyに書き下ろした美しい楽曲。イタリアジャズサックスの第一人者Stefano Di Battista(ステーファノ・ディ・バッティスタ)の神がかったテナー・サックスのパフォーマンスも聴き所だ。

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第188回イタリアPOPSフェスタ(2021年7月)紹介曲PlayList(カヴァー曲の原曲も収録)


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2021年に達する年齢で表記。