第4部

第3部に引き続きNomadi(ノーマディ)のロングヒット&チャリティ・ライヴDVD『Exodus- live』(2014)を紹介。第3部同様、DVD収録と同じ動画はネット上に存在しないので、ここでは公式映像を中心に紹介するに留める。

Nomadi - Exodus- live

「Dove si va(意:人はどこへ行くのか)」はサンレモ音楽祭2006出場曲で、グループ部門の首位&総合2位となったヒット曲。当時のヴォーカルは2代目のDanilo Sacco(ダニーロ・サッコ)が務めており、彼はその2年前にParmaにある禅寺・正法山 普伝寺で出家し、"Kakuen"なる法名を得ていたため、作務衣を着ている点に注目。https://youtu.be/kwj226N-Ghs

続いて収録されている「Io voglio vivere(意:僕は生きたい)」(2003)は、当初の紹介予定曲に入っていなかったものの、来場者の要望により紹介。ヴァイオリンの音色が彼らのグループ名Nomadi(放浪民族)を彷彿とさせる楽曲だ。Daniloはまだ出家前なので普通の衣装を着ている。https://youtu.be/2B93Svv1qRI

「Sangue al cuore(意:心臓に血)」 (2002)はNek(ネック/44歳/Sassuolo出身)との共演。ここでは現メンバーが揃った2013年のライヴ映像で。https://youtu.be/teAQw1ePSII

「Dio e` morto(意:神は死んだ)」 (1967)は、彼らの初期時代にコラボしていた社会派カンタウトーレFrancesco Guccini(フランチェスコ・グッチーニ/76歳/モデナ出身)の作品。曲名はもちろんニーチェの有名な言葉を挿しており、アメリカのユダヤ系の詩人アレン・ギンズバーグの『吠える』にインスピレーションを得ているという。サブタイトルには"se Dio muore, e` per tre giorni poi risorge(もし神が死ぬのなら3日間で、そして生き返る)"というフレーズが連なっている。本ライヴDVDではカンタウトーレのLuca Carboni(ルカ・カルボーニ/54歳/Bologna出身)との共演だが、ここでは初代ヴォーカリストAugusto Daolio(アウグスト・ダオリオ)在籍時の映像で。https://youtu.be/pvpoMVAj0XI

「Ho difeso il mio amore(意:僕は自分の愛する人を擁護した)」(1968)は、英バンドMoody Blues(ムーディ・ブルース)の「Nights in white satin(邦題:サテンの夜)」(1967)のカヴァー。本ライヴDVDではAnnalisa(アンナリーザ/31歳/Liguria州Savona出身)との共演だが、ここでは1989年の初代ヴォーカルAugusto Daolioヴァージョンで。https://youtu.be/72bX5XMJE_U

「L'ultima salita(意:最後の上り坂)」(2006)は、2004年に急逝したイタリア自転車界の英雄Marco Pantani(マルコ・パンターニ/1970-2004/34歳没/Cesena出身)に捧げられた楽曲。1998年にイタリアとフランスの2大レースを制し、市場7人目のダブルツールを達成したクライマー(上り坂を得意とする自転車競技者)として著名な選手であったが、翌年にドーピング検査に引っ掛かって以降、疑惑の渦中に晒されてスランプに陥り、2004年にリミニのホテルで死亡しているのが発見された。コカインのオーヴァードースが原因と発表されたが、他殺の可能性の有力な証拠が残っるなど、その死については謎のままだ。

Marco Pantani

このライヴの主旨がExodus30周年であり、Exodusとは麻薬患者救済活動であることから考えても、このライヴには無くてはならない楽曲だったと言える。ここでは2011年の2代目ヴォーカルのDanilo Saccoヴァージョンで。https://youtu.be/M5TfTz93DuI

「Amore che prendi amore che dai(意:君が得る愛・君が与える愛)」(2002)は、1992年に交通事故死した4代目ベーシスト(1984-1992)Dante Pergreffi(ダンテ・ペルグレッフィ/1961-1992/31歳没)に捧げられた楽曲。6代目ベーシストのMassimo Vecchiがリードヴォーカルを取る代表曲のひとつ。ここでは2012年のライヴ映像で。https://youtu.be/_tNvEbiirWA

ちなみに同1992年はNomadi存続危機の年としてファンにはずっと記憶され続けている。年初に初代ヴォーカリストAugusto Daolioの癌が発覚し、5月にベーシストのDanteが事故死。そして10月にAugustoが45歳で永眠するのだから。

Nomadi - Augusto e dante
Augusto Daolio(左)とDante Pergreffi(右)、共に1992年に他界

そのAugustoを讃えるためにNomadiが2016年11月にリリースしたばかりなのが『1965-1979 Il diario di viaggio di Augusto e Beppe(意:アウグストとべッぺの旅行記)』。通常版が4CDでDX版は8CDというボリューム。ちなみにBeppeとは、Nomadiをずっと牽引し続けて来た唯一のオリジナル・メンバーにしてリーダーのキーボード奏者Beppe Carletti(ベッペ・カルレッティ/70歳/Novi di Modena出身)のこと。

Nomadi - 1965-1979-Diario di viaggio di Augusto e Beppe

ライヴの最後はお約束の「Io vagabondo(意:僕は放浪生活をする)」(1972)。Nomadiの最大のヒット曲&代表曲だ。作詞家Alberto Salerno(アルベルト・サレルノ)とLucio Battistiのベーシストとしての活動歴も持つDamiano Dattoli(ダミァーノ・ダットリ)の作曲。本DVD収録の映像とはアングルが異なり、ステージ後方から客席に向けられたカメラからの映像ではあるが、本公演がUPされている唯一の公式映像を貼っておく。ライヴの主題であるExodus活動の主宰であるAntonio Mazzi司祭との共演。司祭の歌はお世辞にもお上手ではないが、主旨としては大事な場面なので、温かく見守ることにしよう。

※当サイトでのNomadiの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Nomadi


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2016年に達する年齢で表記。

次回のイベントは、11月26日(土)に東京・表参道のベリタリアに於いて、イタリアン・ポップス・セミナー『百花繚乱』として開催。詳細情報→http://piccola-radio-italia.com/archives/52236688.html

12月のFESTAは、毎年恒例のNataleフェスタとして12月17日(土)に開催予定。