第4部

未だ2012年春の来日公演の興奮が日本のオーディエンスたちの心に深く残っているPooh(プー)。

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あの夢のような3夜の日本公演を終え本国に帰ったPoohは、オーケストラ入りでコンサートを行い始め、近作「Dove comincia il sole」の楽曲などをオーケストラ入りで披露するヨーロッパツアーを行っていました。

ブルガリアの首都ソフィアでのコンサート

そして2012年10月9日にオーケストラ入りの企画アルバム「Opera Seconda(意:第二の作品)」がリリースされましたが、全く上記のオーケストラ入りコンサートとは異なる選曲で、11曲収録されている楽曲のうち、ライヴでお馴染みの楽曲は5〜6曲に抑えられており、今までオリジナルアルバム収録時以外のテイクが存在しないような、つまりほとんどライヴでも演奏されていないような隠れた名曲がたくさん選ばれているのが、ヘビーなファンの心を見事にくすぐってくれました。

Pooh-OperaSeconda

1曲目は"Sara nel sole(太陽の中のサラ)"。アルバム「Rotolando respirando(意:転がりながら息をしながら/邦題:ロマンの誕生)」(1977)の1曲目に収められていた楽曲で、その後のベスト盤やライヴ盤にも収録されなかった楽曲です。

しかしながら同アルバムは、1970年代前半にオーケストラ入りRockサウンドを確立し、大きな人気基盤を築いたPoohが、真のライヴバンドとなるために、オーケストラと決別して新たなバンドサウンドを模索始めた最初のアルバムで、"Sara nel sole(太陽の中のサラ)"はその1曲目。当時、このレコードに針を落とした瞬間、冒頭の高らかなギターソロを聴いて、今までのPoohサウンドから大きく脱却し、見事なまでにバンドサウンドを押し出すことに成功した事を実感したものです。

つまりかつてオーケストラサウンドから脱却した記念すべき1曲目が、今回のオーケストラ入りサウンドに立ち返ったアルバムの1曲目に収められたということは、明らかに作為的に置かれたものと思われ、Poohの歴史をリアルタイムに知る者のみがニンマリできるという演出もニクイところです。

1977年オリジナル

2012年オーケストラ入り

アルバム2曲目は、ライヴでもお馴染み"Cantero per te(意:僕は君の為に歌うよ/邦題:あなた色の歌)"。アルバム「...Stop(邦題:Stop...時よ止まれ)」(1980)に収められていたキャッチーな楽曲。

1980年オリジナル

このディスコ調の楽曲をオーケストラバージョンにはどのようにするんだろ?という疑問が湧きますが、見事な交響曲っぽいアレンジで実現してくれました。

Festa2012-11-24Pooh

Festaでは続いて、TV番組出演シーンに合わせて、"Pierre(邦題:ピエール)"、"Se c'e un posto nel tuo cuore(意:もし君の心の中に場所があるなら)"を2曲続けて。前者はアルバム「Poohlover(プーロヴェール/邦題:プーラヴァー)」(1976)に収録されていた、ライヴでもお馴染みの楽曲。後者はアルバム「Asia non Asia」(1985)に収録されていた楽曲。

人気TV番組Domenica In出演時の映像/演奏は4分15秒から

さて、同アルバムにははっきりとクレジットされていないものの、他のアーティストとのデュエットが2曲収められており、そのひとつが、なんとClaudio Baglioni(クラウディオ・バリォーニ/61歳/Roma出身)との共演で、"Maria marea"。Baglioniは、DodiとRedと同い年なんですね。

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人気TV番組Domenica In出演時の映像/Claudio Baglioniからのメッセージは6分5秒から

そしてもう一人の共演者はMario Biondi(マリォ・ビォンディ/41歳/Catania生まれ)で、デュエット曲は"Ci pensero domani(意:そのことは明日考えようかな/邦題:ひとりの女)"。アルバム「Boomerang(邦題:ブーメラン)」(1978)に収められていた、ミドルテンポの楽曲で、1970年代後半から1980年代のPoohのサウンドを代表する楽曲で、ライヴでもお馴染みの楽曲。この楽曲を超低音のMario Biondiがどのように歌うのかが聴きどころです。

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1978年オリジナル

人気TV番組Domenica In出演時の映像/Mario Biondiとの共演は3分13秒から

ちなみに同曲は、北イタリア出身者が中心のPoohにしては珍しく遠過去(passato remoto)を多用した歌詞が特徴的で、そのためかロングショットで描いた映画や昔話風の物語の雰囲気が強く感じられる世界観を持っています。馴染みが薄く難解な遠過去の教材としても適していると思います。

それにしても、Pooh、Claudio Baglioni、Mario Biondiと、ここ最近来日公演を行ったばかりのアーティストが一堂に会したアルバムに仕上がっているのは、イタリア人アーティストの来日公演が少ない日本のファンには嬉しい偶然ですね。

11月Festaのラストソングは"Chi fermera la musica(意:誰がその音楽を止めるのだろう/邦題:永遠[とわ]に向かって)"。アルバム「Buona fortuna(意:幸運あれ/邦題:美しい幻想)」(1981)に収められていたライヴでもお馴染みのヒット曲。

人気TV番組Domenica In出演時の映像/演奏は1分40秒から

このアルバムのオーケストラアレンジを行ったのは、Poohの来日公演でもサポートキーボーディストとしてステージに立っていたDanilo Ballo(ダニーロ・バッロ)。その稀有な才能を今回もまざまざと感じ取ることができましたね。


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2012年に達する年齢で表記しています。

次回FESTAは:
12月15日(土)にいつもの会場で、毎年恒例のNatale Special FESTAを開催予定です。