その3はコチラ


11月FESTA最終章はライヴDVDで、2人のベテランアーティストをピックアップ。

1人目は、Eugenio Finardi(エウジェニオ・フィナルディ/57歳/Milano出身)。

イタリア人音響技師の父と、アメリカ人クラシック歌手の母の間に生まれたEugenio Finardiは、1973年(21歳)、Lucio Battisti(ルーチョ・バッティスティ)のレーベルNumero Uno(ヌメロ・ウーノ)と契約し、英語のハードロック曲をシングルリリースします。

やがてイタリア語で歌っていく方向に転身し、1975年、新興のレーベルCramps(クランプス)と契約し、アルバムデビューを果たします。

Crampsというレーベルは、1970年代のイタリアのアヴァンギャルドな音楽の支援に特化した伝説的なレーベルで、Area(アレア)やArti e Mestieri(アルティ・エ・メスティエリ)らの最盛期のアルバムをリリースしていたことで有名ですが、Eugenio Finardiは、Crampsレーベルの中で、アヴァンギャルド系カンタウトーレとして注目を集め、3枚の名作アルバムをリリースしました。

その後は、ジャズやブルーズ、民謡などにまで幅を広げ、数年毎にアルバムをリリースする精力的な活動を続けています。

そして2008年には舞台デビュー。テアトロで彼自身が様々なモノローグを語り、アコースティックのバンド編成で楽曲を披露していくスタイルのステージをDVDと全セリフを網羅した本に収録した「Suono(僕は演奏する)」(2008)をリリースしました。
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以下は広告動画です。

なお、この音源は日本のiTunesストアEugenio Finardi - Suono (Live) でもダウンロード販売中です。

もちろんFESTAではこのDVDから紹介しました。まずは、代表曲のひとつ"Le ragazze di Osaka(大阪の女の子たち)"(1983)から。

Eugenio Finardiの『20年来の日本びいき』ぶりが良くわかる楽曲ですね。(2007年6月FESTA参照)

2番の歌詞中に『春日(カスガ)神社』という単語が入っているところに注目。

FESTAでは3曲目に紹介した"Extraterresta(地球外生命体)"(1978)は、Cramps時代のEugenio Finardiが残した傑作中の1曲。アヴァンギャルドなアレンジと演奏が未だに異彩を放っていることが感じ取れます。

(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)

1曲目:"Le ragazze di Osaka"
2曲目:"Dolce Italia"
3曲目:"Extraterrestre"


そしてFESTAでは2曲目に紹介した"Patrizia(パトリツィア)"(1981)。彼の奥様と同じ名前が付けられたこの曲の作詞は、Poohの元メンバーで現在もなお、Pooh作品のほとんどの作詞を行っているValerio Negrini(ヴァレリオ・ネグリーニ)が担当しました。イントロのピコピコしたサウンドが印象的な楽曲です。



(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)


11月FESTA最後のアーティストは、Teresa De Sio(テレーザ・デ・スィオ/54歳/Napoli出身)のライヴDVD「Craj domani」(2008)から。『Craj』はナポリ語で『domani=明日』を意味します。

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ライヴ演奏・・・というよりも、スペクタクル仕立ての演劇の合間にライヴ演奏があるというスタイルで、つまり『Craj』というタイトルを付けられた興業、見世物小屋イベントといった感じのドキュメンタリーと考えて宜しいかと思います。2005年ぐらいからロングランで興行され続けている『Craj』が、ようやく映像作品としてリリースされた、という表現が一番的を得た解説かもしれません。『Craj』のオフィシャルサイトも開設されています。

Giovanni Lindo Ferretti(ジォヴァンニ・リンド・フェッレッティ)というPuglia州Lecce地方の民謡演奏家とTeresa De Sioの2枚看板仕立てといった内容で、Teresa De Sioがメインのパートでは、彼女のアルバム「A Sud! A Sud!(南へ!南へ!)」(2004)に収録されていた"La montanara"と"Lu bene mio"の2曲がパフォームされています。

11月FESTAのラストソングは、このDVDでも最後に収録されている"Pizzica finale(フィナーレのピツィカ)"。Lecce地方の伝統の舞踊音楽のPizzicaのリズムに乗せて、狂乱のうちに大団円を迎える、まさにFESTAの最後の相応しい楽曲と映像でした。


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

次回12月FESTAは、12月12日(土)の開催予定です。