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第4部

6月FESTAの最終章は、2人のベテランのライブDVDから紹介しました。

Raffella Carra`/Raffica baletti & duetti2008年4月FESTAで紹介したRaffaella Carrà(ラッファエッラ・カッラ/66歳/Bologna出身)のアンソロジーの「Raffica Carrà(カッラ連発)」(2007)の第2弾ともいえる「balletti & duetti(舞踊とデュエット)」(2008)から紹介しました。

この「balletti & duetti(舞踊とデュエット)」(2008)はそのタイトル通り、Raffaellaの長い芸能生活の中で、特に優れたダンスシーンとデュエットシーンを抜き出して、CD2枚&DVD1枚にまとめたもの。

こちらは、発売当時の広告映像です。


2009年3月FESTAで、この「balletti & duetti」から、既にMina(ミーナ)との共演シーンを2曲ほど紹介していますので、6月FESTAでは、その他のシーンから紹介することにしました。

最初は、Alberto Sordi(アルベルト・ソルディ/1920-2003/82歳没/Roma出身)とのデュエット。

晩年のカラー映像で"L'uomo ideale(理想の男)"。次いで1970年当時の映像で、Raffaellaの代表曲の一つ"Tuca tuca"を。

この"Tuca tuca"は、数あるRaffaellaの冠番組でゲストを迎える際に、お約束のように歌われ、この親密さの中に、少しセクシャルなニュアンスが入った振り付けは、定番中の定番として定着するほど人気を誇りました。

Alberto Sordiは大スターでありながら、とてもお茶目な仕草でRaffaellaと楽しく歌い&踊る姿が素敵です。時にSordi50歳。Raffaella27歳。

Alberto Sordiは、第二次世界大戦前から長きに渡り、イタリア芸能界で、俳優、声優、映画監督、さらには歌手としても大活躍をし、イタリア国民に広く&深く愛され、親しまれた国民的大スター。

その功績を称えて、1994年にイタリア国家より大十字騎士勲章を拝受し、2003年の永眠の際には、さらに文化&芸術分野における功労大賞も贈られた人物です。

2曲目は、Massimo Ranieri(マッスィモ・ラニエリ)との共演シーンから、"Mi va di cantare(私は歌うのがいいわ)"。デュエットもしていますが、見どころは2人のタップダンス。

2008年4月FESTAでMassimoのDVD「Canto perché non so nuotare…da 40 anni」(2008)を紹介した際にも、Massimoの卓越したタップダンスを紹介しましたが、今回も踊りの達人クラスのRaffaellaと技を競い合いながらも、エンターテインメント性に富んだステージを楽しませてくれています。
(ネット上に映像は公開されていませんでしたので、DVD購入者およびFESTA参加者だけのお楽しみとなります)

3曲目は、若き頃のJovanottiとのデュエットという珍しい映像。1989年のTV番組"Il Principe Azzurro(青い王子=白馬に乗った王子様)"から"Voglio tutto soprattutto te(私は特にあなたが欲しい)"のデュエットシーンを。

Jovanottiと言われなければ、きっと誰だか判らないほど、若くてまだ髭もない23歳のJovanottiがそこに居ます。Raffaella46歳。

続いてRaffaellaがオーガナイザー&司会を務めた2001年のサンレモ音楽祭の映像から、FiorelloとのデュエットでRaffaellaの代表曲の一つ"Chissà se va"を。

Raffaellaのラストは、Raffaellaのソロで"Ciak(ピチャ!)"をお送りしました。1979年。Raffaella36歳。


6月FESTAのオオトリは、Zucchero Sugar Fornaciari(ズッケロ・シュガー・フォルナチァーリ/54歳/Reggio Emilia出身)。

Zucchero/Live in Italy2007年11月に発売されたCD2枚+DVD1枚のベストアルバム「All the Best」(2007)からちょうど1年後の2008年11月、今度はCD2枚+DVD2枚のライブアルバム「Live in italy」(2008)を発表しました。
(Zuccheroの来歴と「All the Best」については、2008年10月FESTAを参照)

今まで何枚かのライヴ盤やライヴ映像作品をリリースしているZuccheroですが、タイトルが示すように、イタリア国内で行われたライヴだけを収録したのは、これが初めてになるようです。

CDとDVDがセットになったパッケージのライヴアルバムが増えてきたイタリアですが、CDかDVDのどちらかに商品価値があり、他方がおまけ程度、といったものが多いのですが、今回のZuccheroのライヴアルバムは、CDもDVDもほぼ同じ音源が収録されていて、ライヴ音源として乗り物の中で楽しむも良し、リビングやPCの前でじっくり映像を楽しむも良し、といった内容になっています。

新曲&未発表曲も4曲入っており、もちろんライヴの後に追加された作品なので、ライヴ映像はありませんが、DVDのEXTRAパートに映像作品としても楽しめるような形で収録されています。

6月FESTAでは、これまでのFESTAで紹介しなかった曲を中心にピックアップしました。

1曲目は1995年のシングル曲"Il volo(飛翔)"。静かなタイプの曲調ながら、内に秘める情熱のたぎりを感じさせるソウルフルな楽曲。

DVDでは、VeronaのArenaでとMilanoのSan Siroの2ヶ所でシュートしたものが編集されて組み込まれていますが、ネット上で公開はされていませんでしたので、スイスのBaselでのライヴ映像を貼っておきます。

2曲目は、盟友だった故Luciano Pavarotti(ルチァーノ・パヴァロッティ/1935-2007/71歳没/Modena出身)に捧げられた楽曲"Così celeste (こんなに空色)"。ゴスペル調の楽曲でありながら、Zuccheroのイタリア語の歌は、違和感を感じさせません。

こちらはDVDに納められたものと同じSan Siroで2008年6月14日にシュートされた映像を貼っておきます。

そして過去のFESTAで紹介した曲とはいえ、これは外せないということで、Pavarottiとのデュエット曲"Miserere(讃美歌ミゼレーレ)。既に故人となってしまったデュエット相手を映像で登場させての疑似デュエットではありますが、それでも圧巻なのはさすが。

この後のZuccheroのステージでは、ずっとこうした映像とのデュエットが余儀なくされるのかと思うと、改めて失ったものの大きさが実感できます。

6月FESTAのフィナーレは、美しいバラード"E` delicato(それはデリケート)"。珍しくピアノを弾き語りするZuccheroの姿を鑑賞していただきました。

このライヴ映像はネット上で公開されていませんでしたので、PVを貼っておきます。

 


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

 

次回7月FESTAは、7月18日(土)の開催予定です。