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第3部

 

本来は、3月FESTAの第4部に紹介するつもりだったSonohra(ソノーラ)を、4月FESTAの第3部に繰り越して紹介いたしました。

2008年のサンレモ音楽祭の新人部門に突如姿を現し、まだ20代の2人の兄弟が抜群の安定感ある演奏と、優れた楽曲と、圧倒的なボーカルを見せつけ、新人部門の優勝をさらったSonohra。(2008年7月FESTA参照)

デビューアルバムを聴くと、意外にもB.B.Kingなど、アメリカ大陸の土着のブルースに大きな影響を受けていることが垣間見え、実際は22歳と26歳という年齢でジャニーズ系のルックスの若者というギャップに大きな関心が集まりました。そのルックスからはF1層の女性たちに、その音楽性から男性の音楽ファンの人気も集めることに成功しました。

Sonohra/Sweet home Veronaまだデビューアルバム1枚しか出していないのに、早くも同年暮れにライブ盤「Sweet home Verona」（2008）がCD＆DVDの2枚組でリリースされました。彼らの故郷Veronaで9月に凱旋ライブを行った時の映像ですから、サンレモ音楽祭からわずか6ヶ月後に収録されたテイクになります。

アルバムタイトルが、ブルースのスタンダードナンバー"Sweet home Chicago"をもじったものになっている通り、彼らのオリジナル曲の他に、彼らの血をたぎらせるブルースナンバーの演奏も収録されています。もちろん"Sweet home Chicago"も。

2009年3月にはスペイン語版もリリースし、ラテンアメリカにプロモーションツアーに出かけているようです。

グループ名のSonohraとは、彼らの造語で、イタリア語では発音しないHをどの位置に挿入するか、をサンレモ出場前にようやく決めた、なんていうエピソードがある通り、もともとHは必要のない語幹で作られているようです。イタリア語で"Suono Ora(時を奏でる)"という意味と、アメリカ大陸に存在する砂漠Sonoraから流用した、などと言われているようです。

VeronaのTeatro romano(ローマ劇場)という野外ステージで、若い女性を中心に大観衆を集め、質の高い音楽を披露するSonohra。Veronaの街の美しい夜景も極上の効果を付け加ており、イタリア音楽ファン必携のライブ盤ではないでしょうか。20代の若手アーティストが故郷での野外ライブで、一度も立ち上がることなく、椅子に座ったまま演奏を続けるという不思議な違和感も、伝説のライブとして語り継がれる重要な要素を占めているように思えてきます。

彼らのPVは動画サイトにも多数アップロードされているものの、他のサイトへの埋め込み制限がかけられていたり、イタリア外での閲覧制限がかけられていたりしています。またFESTAで紹介したのはライブDVDという『商品』ですので、今回のレポートでは、あまり映像では紹介できませんので、ご了承ください。

作品に収められたライブでは、巧みにブルーステイストのエッセンスを表現するドラム、ベース、キーボードのミュージシャンの他、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏団を投入。さらにSonohraのプロデューサー＆マネージャーのRoberto Tini(ロベルト・ティーニ)がギタリストとしてもSonohraを支えるという構成です。

FESTA1曲目で紹介したのは、彼らのデビューアルバムのタイトル曲"Liberi Da Sempre(ずっと前から自由だよ)"。ゆったりめのテンポで、瑞々しく歌い上げるタイプの楽曲で、弦楽四重奏団が美しいフレーズで演奏に絡むところが素敵です。後半、弟のDiegoがアコースティックギターで弾くリードは、まさにブルースのフレーズです。

2曲目は、R&Bを彷彿とさせる、ややアップテンポな楽曲"Sono io（僕は・・・）"。彼らの第４弾シングル化された楽曲でもあります。通常はコーラスに徹することが多い兄のLucaと弟Diegoが交互にリードボーカルを取る構成ですから、ファン好みの楽曲と言えるかもしれません。オルガンのファンキーな間奏もイカしています。

３曲目は、弟のDiegoがレスポールギターに持ち替えてファンキーなレゲエテイストのリズムを刻むのが特徴的な楽曲"Cinquemila mini mani(5,000の小さな手)"。レスポールというエレクトリックギターを20代前半の年齢で手にすると、普通ならディストーションで歪ませたりオーヴァードライヴをかけたりしたがるものですが、Diegoは
オートワウ系の渋い音色で決めているところが心憎い。弦楽隊のスリリングなフレーズで絡んでくるのもミソとなっています。

3曲目はサンレモ音楽祭2008の新人部門優勝を勝ち取った楽曲"L'amore(愛)"。これも弦楽隊の音色を効果的に活かしたアレンジに再編されていて、Veronaの夜景と絶妙なハーモニーとなっていました。ここではサンレモ音楽祭後にDomenica inにTV出演した時の映像を貼っておきます。


（セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします）

4曲目は、兄Lucaが『とってもロマンティックな曲だよ』というコメントを添える"Io e te(僕と君)"　Scalo 76に出演時のTV映像を貼っておきます。


（セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします）

第3部のラストは、DVDでも最後に収録されている"Salvami(僕を救ってくれ)"。第3弾シングルとなった楽曲でもあります。Riminiで収録されたライブ映像を貼っておきます。


（セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします）

 


注）記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く）

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