その1はコチラ
第1部にてご紹介したRibelli(リベッリ)が活躍していたRomaのPiper Club(パイペル・クラブ・・・イタリア人の発音で表記しています)は、1960年代のイタリアPOPカルチャーの最前線発信地であり、後に大物になる多くのアーティストがしのぎを削っていた聖地であったということは、2007年にリリースされたその名もずばり「Piper Club」(2007)という4枚組CDBOXに集約して収められております。
1965年のオープン以来、Teddy Reno、Rokes、Equipe 84、Fred Bongusto、Dik Dik、Renato Zero、Romina Power、Gabriella Ferri、Rita Pavone、Caterina Caselli、Mal、Mia Martini、Loredana Berté、Patty Pravo、New Trolls、Le Orme、Mino Reitano、Pooh、Formula Tre、Lucio Battisti、Ricchi e Poveriなど、実に多くの才能と個性を排出しました。
いわゆる外タレのライヴ会場にも良く使用され、Procol Harum、Birds、Pink Floyd、Genesis、David Bowie、Sly and the family Stone、Duke Ellingtonなどがステージを踏んでおります。60年代は彼らもまだ、国外営業に力を入れる売り出し中のバンドだったのでしょう。
第2部では、そんなPiper Clubから育った2人の大物歌手にスポットライトを当てることにしました。
今では誰にも追随できない唯一の世界観と存在感を確立した大物歌手Renato Zero(レナート・ゼロ/58歳/Roma出身)。彼もまた若き日には、RomaのPiper Clubで精進する若者だったようです。(来歴は2007年2月FESTA記事をご参照ください)
Mia MartiniらBerté姉妹との交流もこのPiper Clubから始まっていたのは、今では有名な話。(2007年3月FESTA、2008年7月FESTAの記事をご参照ください)
そんなRenato Zeroのデビューシングル盤(1967)と言われる楽曲が、このアルバム「Piper Club」に収録され、17歳の頃のRenato Zeroの声が楽しめます。FESTAではA面の"Non basta sai(充分じゃないよ)"を紹介しました。(B面の"In mezzo ai guai(厄介事の中に)"も収録されています)。17歳とはいえ、低い声とPOPな楽曲センスに、すでにZeroらしさを漂わせているのが充分に感じ取れました。
さて時代は飛んで1990年。70年代後半に奇抜なルックスと楽曲センスでブレイクしたZeroも40歳を迎え、大人のエンターテイナーへのターニングポイントとなった頃の映像を、DVD化されたばかりの当時のライヴ映像「Zero 40 live」(1991/2008)からお届けしました。タイトルの『40』は『Zeroの40歳の誕生日』の意。
DVDのオープニング曲として収録された名曲"Amico(友人)"。ストレートのロングヘアーをなびかせたZeroに赤いジャケットが映え、まるで上品な奥様のように見えます。タイトルの"Amico"は、ノーマルな『友人』の意味とともに、イタリア語ではホモセクシャルの相方を示す単語でもありますので、Renato Zeroが歌うと、ダブルミーニングのニュアンスが出るところもミソ。実際の歌詞は、同性愛に偏ることなく、男同士の友情を歌うとともに、少女に教え諭すような部分もあり、普遍的な大きな友情を歌っているところが、名曲たるところかもしれません。
(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)
続いてはこれまた名曲中の名曲"Il cielo(空)"。奇抜な化粧と衣装を身にまとったイロモノ的な70年代のZeroが放ったとは信じられないぐらいの大いなる楽曲です。Pavarotti & Friendsに出演した時に、故Luciano Pavarottiとデュエットしたことから、イタリア外でも知られるようになった楽曲で、日本のカラオケシステムにラインナップされていたこともありました。
(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)
曲の後半、観客の暖かな声援に感極まったのか、Zeroは頭を覆って男泣き感動的なシーンです。曲が終わるとステージには巨大なケーキが用意され、観客全員で
たんてぃ・あうぐ〜り・あ・て
の大合唱。そして続けて楽曲"Giorni(日々)"へ。タイトル通り、Zeroが歩んできた足跡が、当時の写真と共にフィードバックされる演出が小粋です。
2人目のPiper Club出身の大スターは、Patty Pravo(パッティ・プラヴォ/60歳/Venezia出身)。別名 - la ragazza del Piper - と呼ばれるほど、Piperのシンボル的な存在でした。
Piper時代のPattyの映像と楽曲は2008年6月FESTAで紹介したので、少しだけ流すに留め、今回は1970年代以降のPattyの活躍に焦点を当てることにしました。映像ソースはBoxセット「Patty Pravo」(2007)のDVDから。
"Pazza idea(狂った思いつき/1974)"はPattyの最も有名な代表曲で、『Patty Pravoと言えばPazza idea』とイメージされることが多いです。26歳当時のPattyは美しく、モノクロの映像ながらもその魅力が時代と空間を越えて溢れ出て来そうです。上品な佇まいがまた格別です。
ところが、前出のRenato Zeroもそうでしたが、どうやらPiper出身者は奇抜な格好をしたがる傾向があるようで、続いての楽曲"Pensiero stupendo(素晴らしい考え/1978)"では、まるでヘビメタ? 往年のX Japan? といういで立ちに・・・・・またステージアクションが魔術的で、魔女の儀式といった感じ・・・楽曲が良いだけに、そのミスマッチ感が不思議で堪りません。カラー映像で記録された30歳当時のPattyです。
時代を大きく飛び越えて1997年。Sanremo音楽祭に出演した49歳のPatty Pravoが歌う"e dimmi che non vuoi morire(死にたくないと私に言いなさい)"。大物RockスターVasco Rossiが曲作りに参加した極上のメロディに乗せて、美しく年齢を重ねたPattyが大人の愛を歌い上げます。サビに向かっての躍動感。エモーショナルな心の動きを見事に表しています。間奏のソプラノ・サックスの響きも美しい。
注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2008年に達する年齢で表記しています。


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