South Designers(サウス・デザイナーズ)は、Fabrizio Fiore(ファブリツィオ・フィオーレ/DJ)とAntonio Fresa(アントニオ・フレーザ/ピアノ)のデュオ。
SOUTH DESIGNERS
Antonio Fresa(左)、Fabrizio Fiore(右)

前者はDJの他、ジャズ系のアーティスト(Flabby等)に楽曲を提供する作曲家でもあり、30ヵ国を超える国々で彼の曲がリリースされている。後者はピアニスト・作曲家・編曲家として自らのプロジェクトの他、映画音楽やTVの劇中曲などを多く手掛けており、日本では特にJoe Barbieri(ジョー・バルビエリ)のレコーディングやアレンジ面で支え続け、来日公演時に必ず同行するバンドリーダーとしてお馴染み。

彼らがタッグを組んで手掛けたアルバム『Napoli Files(ナポリ・ファイルス)』(2017)は、古き良きナポレターナにたっぷりの愛情を込めて捧げたプロジェクト。Roberto Murolo(ロベルト・ムーロロ)やSergio Bruni(セルジォ・ブルーニ)、Tito Schipa(ティート・スキーパ)、Nilla Pizzi(ニッラ・ピッツィ)、Jula De Palma(ユーラ・デ・パルマ)らのオリジナル・ヴォーカル・トラックをベースに、Fabrizioがサウンドを変化させ&新たなリズムトラックを加え、Antonioが美しいアコースティックピアノ演奏を加えることで、新旧のサウンドが混ざり合った、不思議で新しいナポレターナを生み出している。ジャケ写の手のジェスチャーは厄除けのおまじないか?
South Designers - Napoli files_2017

【収録曲】
01 - Anema 'e Core (feat.Nilla Pizzi) アネマ・エ・コーレ(feat.ニッラ・ピッツィ)1950
ナポレターナを代表する曲のひとつ。オリジナルのNilla Pizziのヴォーカルをアレンジして、クール・ハウスのグルーヴのアレンジに。

02 - 'O Sole Mio (feat.Sergio Bruni) オ・ソレ・ミオ(feat.セルジォ・ブルーニ)1898
世界で最も有名なナポレターナにドラム・マシーンのループ音やシンセサイザー、ファンク・スタイルのベースラインを加えている。失われゆくナポレターナの保存に貢献したカンタウトーレでもあるSergio Bruniのオリジナル・ヴォーカルをアレンジ。

03 - Scalinatella (feat.Trio Carosone) スカリナテッラ(feat.トリオ・カロゾーネ)1948
モダンミュージックのリーダーとして一世を風靡し、今も尚フォロワーの絶えないRenato Carosoneのトリオのヴォーカル・トラックを修復して採用。クラブ・カルチャーのグルーヴを加えている。

04 - Nu' quarto 'e Luna (feat.Jula De Palma) ヌ・クアルト・エ・ルナ(三日月/feat.ユーラ・デ・パルマ)1951
ロマンティックなイントロから始まり、ビートサウンドが乗る。優雅な低音で定評のあるJula De Palmaは、今もなおレトロ音楽ファンたちの女王だ。逆説的だが、1950年代当時にとって、Julaは新時代的な存在だった。

05 - Malafemmena (feat.Roberto Murolo) マラフェンメナ (悪い女/feat.ロベルト・ムーロロ)1951
喜劇王Toto(トト)が書いた名曲のひとつで、ナポレターナ歌手の第一人者だったRoberto Muroloのヴォーカル曲にタンゴのリズムトラックを入れて電子音も加えているが、不思議にもクラシカルな雰囲気が残るイメージ。

06 - Luna Rossa (feat.Nunzio Gallo with Gianfranco and Massimiliano Gallo) ルナ・ロッサ(feat.ヌンツィオ・ガッロ withジァンフランコandマッシミリァーノ・ガッロ)1950
戦後に誕生した新しいナポレターナだがイタリア全土で空前のヒットを記録し、スタンダード曲となった。ハリウッド・スタイルの映画俳優としても活躍したNunzio Galloのヴォーカル・トラックと彼の息子たち(彼らも俳優&歌手として活動)がヴァーチャル共演したヴォーカルにディスコ・ファンクのアレンジを施したサウンド。

07 - Torna a Surriento (Come back to Surriento) 帰れソレントへ 1902
世界で最も有名なナポレターナのひとつ。19世紀の雰囲気を醸し出すマンドリンとハープやストリングスのサウンドをフィーチャーしながら、電子サウンドを加えた新旧ミックスのバランスがいい。

08 - Indifferentemente (feat.Sergio Bruni) 無関心(feat.セルジォ・ブルーニ)1963
エフェクトを効かせたDJサウンドの裏にアコースティックピアノが響き、クラシカルなSergio Bruniのヴォーカルが乗る。

09 - Canzona Appassiunata (feat.Tito Schipa) 情熱の歌(feat.ティート・スキーパ)1950
愛と憎悪のジレンマを歌った楽曲で、クラシカルなTito Schipaのヴォーカルを活かしサウンドにハウスのエフェクトをかけたダンスチューンに仕上げている。

10 - Santa Lucia Luntana (feat.Roberto Murolo) 遥かなるサンタ・ルチア(feat.ロベルト・ムーロロ)1950
ナポレターナを代表する曲のひとつ。Roberto Muroloのヴォーカルを活かしサウンドにエフェクトをかけ、ポスト・モダンの衣をまとわせたダンスチューンに仕上げている。

11 - Carmela (feat.Raiz) カルメラ(feat.ライツ)1976
同アルバムはすでに故人となった偉大な歌手のヴォーカリストの起用が主となっているが、この曲は現役バリバリのナポリのバンドAlmamegretta(アルマメグレッタ)のRaizのヴォーカルをフィーチャー。彼らはサンレモ音楽祭2013に初出場している。同曲はカルメラという農民の娘の美しさと彼女への恋慕を歌った作品。マンドリンやギターのリリカルなサウンドの上に電子音トラックを乗せている。

12 - Tammurriata Nera (fea.N.C.C.P.) 黒い落とし子(feat.N.C.C.P.)1948
第二次世界大戦中に書かれた楽曲で、進駐軍の黒人兵とイタリア女性の間に生まれた混血児(通称:figlio di guerra/戦争の息子)のことを歌っている。N.C.C.P.とは、1960年代からメンバーを変えつつ活動を続ける民族音楽グループNuova Compagnia di Canto Popolare(意:民族音楽の新しい仲間たち)。

13 - Tutte 'e Juorne feat.Pietra Montecorvino and Cristina Donadio) トゥッテ・エ・ユォルネ(新曲/feat.ピエトラ・モンテコルヴィーノ and クリスティーナ・ドナディオ)2017
アルバム唯一のオリジナル&新曲。つまり新しいナポレターナだ。2人の女性ヴォーカルを起用し、女性の権利を正当化する願いを込めて、South Designersの2人が共作。