第27回Festaは、江東区亀戸の夜景がきれいな某所にて6/10(日)に開催しました。

参加者数17名+Yoshio@主宰の18名(男性7名+女性11名)と、少なめの人数となりましたが、新顔さん3名、イタリア人2名を迎えて和気あいあいと過ごす事が出来ました。


第1部

2007年上半期にリリースされた新作を3枚。

CapsicumTree/ScappaScappa新進のロックバンドCapsicum Treeのシングル盤「Scappa scappa」(2007)から、タイトル曲"Scappa scappa(逃げろ 逃げろ)"をビデオクリップで。

歌詞や映像にも野獣が登場している通り、アフリカを回帰させる原始のリズムとスキャットで始まり、それが曲を通じてリフのように繰り返されるものの、曲全体はスタイリッシュなイメージをまとう、不思議な楽曲。

Capsicum TreeはChris Pescosta(Vo&key)、Phil Mer(Drs)、Valerio De Paola(Gt)の3人が正式メンバーとしてクレジットされていますが、サポートメンバーとしてベースやトランペット、コーラスを加えた編成となっています。

2006年にアルバムデビューした時のプロデューサーがPoohのRed Canzian(56/Veneto州Treviso出身)。自身がPooh加入前(1970年代初頭)に率いていたロックバンドCapsicum Redの名前を、まだバンド名も無かった現代の若手実力派ミュージシャンに与え、Capsicum Treeを名乗らせることにしたそうです。

何故ならば、ドラムのPhil Merは、Redの愛息であり、まだ学生ながらコーラスとして参加しているChiara Canzianは愛娘であるからでもあります。

今回紹介したシングル"Scappa scappa"はメンバー3人の共作になっていますが、共作詞者としてPoohのStefano D'Orazioの名も連ねています。

イタリアの国民的バンドであるPoohの4人のメンバーのうち、独身のStafano D'Orazioを除く3人のメンバーの子息たちが、プロミュージシャンとしてデビューした、という事になりましたね。(第26回FESTAレポート参照ください)

もっともPhil Merはその芸名が示すとおり、公表されているProfileには一切、Red Canzianの息子である事には触れていません。ドラムだけでなく、ピアノ&ギターをこなし、作曲や編曲を手がけ、Poohを含む大物スターのサポートミュージシャンとして経験を積んだ実力を持って、プロの音楽家としての成功を目指すその姿勢に、大きな声援を贈りたいものです。

Canzianファミリーの話題がてら、このCanzian親子が1998年に録音した、Trevisoのサッカーチーム賛歌"il calcio del sorriso(微笑みのサッカー)"を紹介しました。

小学校低学年ぐらいの時のChiaraが、父と共にあどけなく歌っている作品で、イタリアでのコンサートではお馴染みの聴衆が一体となって行う"Ale-o-o"を歌詞に乗せています。

Pooh/Ascolta(2004)しかしChiara Canzianが全国区に対し、その存在と名前が知られるようになるのはPoohの2004年のアルバム「Ascolta(聴いて)」のアルバムジャケットにChiara自身の姿が採用されてから。

ということで、その「Ascolta」のアルバムから、Red Canzian作曲&リードヴォーカルのヒット曲"Capita quando capita(起きる時に起きる)"をビデオクリップで。

美術館に設置された美青年の彫刻に興味を持つ女子大生。やがてその彫刻に魂が宿り、彼女が去った後、動き出して彼女の後を付けて行きます。彼女がbarで席に着くと、どこかで会った事がある美青年が彼女を見つめている・・・・さり気なく彼女が彼の足元を見ると・・・彫刻の名残を示す白い石膏質の皮膚のまま・・・・それで彼女は気付きます。

今度は彼女が彼の後を付けて美術館に。何事も無かったようにいつもの場所でいつものポーズを取る美青年の彫刻・・・・でも今日は何故か下半身はジーンズを履いたまま。

ゆっくりと彫刻の隣に腰を下ろし、距離を狭め、彫刻の体に触れる女子大生・・・・といったストーリー展開の面白い映像です。

おそらくこのヴィデオクリップで女子大生役を演じたのも、Chiara Canzianだと思われます。


Neffa/PrimaDiAndareVia続いてはRapミュージックでデビューしたものの、その後少々軌道修正し、ダンスミュージックの分野で成功を収めるようになったNeffa(40/ナポリ南部のSalerno出身)。

彼の音楽活動の集大成が「Aspettando il sole(太陽を待ちながら)」というCD+DVD2枚組で発売になりました。

1990年代にスキンヘッドでラップをしていた頃の作品は、イタリアPOPSファンの趣味にマッチしにくいので、今回はエレPOP&ダンスミュージック路線にコンバートした2000年代の作品を紹介しました。
       
"La mia signorina(僕のお嬢さん)"は、2001年のヒット曲。能天気なエレpopのリズムに乗せて、相変わらず無表情のNeffaがボディスェイしながら歌っています。ヴィデオクリップなので、複数の魅力的な女性たちが踊っていて、楽しい映像作品に仕上がっています。

そして2003年に大ヒットした"Prima di andare via(行ってしまう前に)"。空港のロビーに設置されたスピード写真マシーンが、あたかも『四次元ポケット』のように機能するという舞台設定のヴィデオクリップ。

そのスピード写真機からスネアドラムを持って出てくるNeffa。そしてそのスピード写真機の横のロビーにドラムを設置。やがてベーシストやギタリストも登場。Neffaがドラムを叩きながらソウルフルに歌い始めます。

旅行客やキャビンアテンダントなど、様々な人々が登場。どこかで噂を聞きつけてきたかのように、この不思議なスピード写真機の中に入っていきます。カーテンを開けた時だけ、人々の喧騒が聴こえてくるので、どうやらその先はFESTA会場に繋がっているようです。

次々と人々を飲み込み、バンドメンバーも飲み込んで誰も居なくなったホール。最後に現れた男がカーテンを開けても、もう何も聴こえず、異次元の空間も見えません。ふとスピード写真機の取り出し口を見ると、そこには写真が出力されています。Neffa がFESTAで美女に囲まれて楽しんでいるような様子が写っています。

相変わらず無表情なままのパフォーマンスですが、サウスポースタイルでドラムを叩きながら歌うNeffaの映像が新鮮です。



1978年にデビューし、1980年代前半に清涼感溢れる曲調のヒット曲を量産し、その後も渋い作風も取り入れて、ベテランの域に入りつつある実力派カンタウトーレFabio Concato(54/Milano出身)。

デビュー後20年が経過した2000年代になって突然、サンレモ音楽祭に初出場。2007年のサンレモ音楽祭にも参加しました。

まずは"Oltre il giardino(庭の向こう)"を2007年サンレモ音楽祭出場時の映像で。渋くて地味な曲ですが、Fabioのボーカルが味わい深い楽曲に磨きをかけています。サンレモ音楽祭4日目のゲストミュージシャンを迎えて行ったステージでは、Michele Zarrilloを迎えて熱唱していたのが印象的でした。

新作アルバム「Oltre Il giardino」(2007)は2枚組で、サンレモ出場曲"Oltre il giardino"以外は、彼の過去の作品をアレンジし直して再録音されたもの。

若き日の清涼感溢れるサウンドを、小編成のアコースティック楽器で再録した、渋みのある作品集に仕上がっています。
    
その中から1984年のヒット曲"Fiore Di Maggio(五月の花)"を選曲。
元々アコースティックなエアー感溢れるサウンドが魅力的な曲ですが、このリメイク版の最大の魅力は、愛娘Carlotta Concatoとのデュエットでしょう。

おそらくまだ20代だと思われる女声ですが、低い音域で雰囲気のある声を聴かせてくれます。

二世歌手として期待してしまうところですが、最近のインタビュー記事に寄ると、彼女は音楽の他に進みたい道があるとのことで、本格的な歌手デビューする予定は無い、と父Fabioはきっぱりと否定しています。

Fabio Concato/La Storia 1978 2003リメイク版2枚組と同時に、Fabio Concatoは彼のヒット曲のオリジナル音源を集めた公式3枚ベストアルバム「La Storia 1978 2003」(2007)も発表。

このオリジナル音源集から、彼の初期の大ヒット作であり、80年代のイタリアを代表するヒット曲とも言える"Domenica bestiale(格別な日曜日)"(1982)を第1部の最後の曲に選定しました。

直訳すると『野獣の日曜日』になるのですが、これは親密語の表現で、「すごい!」という意味を表します。どちらかというとネガティブな場面で使われるようですが、この歌の場合はポジティブな意。

その歌詞の世界は、日曜日に湖畔でのデートを題材にしており、幸せに満ち溢れた男女の姿が描き出されています。

ミラノの街がまだ寝静まっているうちに出発して湖へ・・・
そこで他愛もない散歩や釣りを太陽の下で楽しむ2人

やがて愛の言葉を交わすだけで楽しくなり
不思議な事にもう釣りなんかしたくなくなってしまう

激しい空腹に襲われてランチをする
フライやサラダを食べながらも愛の言葉を交わしあう
あなたに逢えて本当に良かった

なんて格別な日曜日 あなたと過ごす日曜日
なんて自然は美しく あなたの心もなんて美しいのだろう

Continua alla prossima puntata.(つづく)