太陽カンツォーネ・コンコルソの初代優勝者にして、カンツォーネ歌手。さらに後進の育成にも励む加藤順子の記念すべきイタリア・デビュー・アルバム『Abbracciame アッブラッチャメ(抱きしめて!)〜ナポリに恋をして〜』(2017)。
Junko Kato - Abbracciame

サブタイトルにもあるようにナポリにこだわり、ナポリの制作チームとがっぷり組んで、ナポリ語やナポリ由来の楽曲を収録した作品集となった。

“ナポリの歌”と言っても、日本や世界で良く知られているナポレターナは5曲目の「Anema e core(アネマ・エ・コーレ)」ぐらいで、その他はナポリでは知られているものの・・・といった、いわゆる“隠れた名曲”的な選曲集になっているところが実に魅力的だ。

若手のナポリ人歌手4名がデュエットに参加していることや、ベテランのPino D'Alessio(ピーノ・ダレッシォ)がプロデュースを務め、Gigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ)のサポートで知られるギタリストPippo Seno(ピッポ・セーノ/Gigi D'Alessio来日公演2016にも同行)がアレンジや楽曲提供、演奏で参加しているところも特筆するところだ。

1曲目「Abbracciame (con Andrea Sannino) アッブラッチャメ」は、ナポリの若手カンタウトーレAndrea Sannino(アンドレア・サンニーノ)の2015年ヒット曲で、Sannino自身とのデュエットヴァージョン。公式ヴィデオクリップもCD内に収録されている。

2曲目「'A canzuncella ア カンツンチェッラ」。これはナポリ出身のバンドAlunni del sole(アルンニ・デル・ソーレ/意:太陽の弟子たち)の1977年発表曲。これぞ知る人ぞ知る名曲のひとつだ。ここではオリジナルのAlunni del Soleの映像で。

3曲目「Resta cu'mme (con Maria Boccia) レスタ・ク・メ」。イタリア人初のグラミー賞を獲得した元祖カンタウトーレDomenico Modugno(ドメニコ・モドゥーニョ)が自作して歌った有名なナポリ語曲のひとつ。

4曲目「Fiori d'arancio オレンジの花」。かつて60年代後半から70年代初頭にかけてビート・デュオFranco IV e Franco Iとして活躍したFrancesco Calabrese(フランチェスコ・カラブレーゼ)の1979年発表曲。これも知る人ぞ知る名曲のひとつ。

5曲目「Anema e core アネマ・エ・コーレ」。このアルバムの中で一番有名なナポレターナ曲。

6曲目「Bona notte (con Andrea Sannino) おやすみ」。本アルバムのアレンジャー&ギタリストのPippo Senoが書き下ろした楽曲。

7曲目「Lo specchio dei pensieri (con Salvo De Rosa) 思考の鏡」。Gigi Finizio(ジジ・フィニツィオ)がサンレモ音楽祭1995新人部門に出場して3位となった出世作。ここではオリジナルのGigi Finizioのライヴ映像で。

8曲目「Scacco matto スカッコ マット」。前曲同様Gigi Finizio作品。

9曲目「Sempre tu (con Monica Sarnelli) いつもあなたが・・・」。Pippo SenoやAndrea Sanninoを支えるSpenilloらとの共作曲。

10曲目「Passione パッショーネ」。有名な「Tu ca nun chiagne(泣かないおまえ)」など、20世紀初頭に多くの作品を書いたLibero Bovio(リベロ・ボヴィオ)の1934年作ナポレターナ。これも国外ではあまり知られていないナポレターナのひとつ。