Piccola RADIO-ITALIA

〜イタリアPOPSを簡単に聴ける環境を日本に作りたい〜
Gruppo per diffondere la musica pop italiana in Giappone!!

Daniele_Battaglia

イタリアの家庭でラジオをつけるがごとく、イタリアPOPSを簡単に聴ける環境を日本にも作りたい
という趣旨で、2005年4月より毎月1回、通称“FESTA(フェスタ)”と呼ばれるイタリアPOPS鑑賞会を開催しております。
このサイトでは、そのFESTAのレポートを中心に、イタリアPOPS(イタリアン・ポップス)を紹介しております。
FESTA会場で流した音楽や映像には、Web上ではご紹介できないのが多々あります。ぜひFESTA会場にお越しください。

Ecco il gruppo per diffondere la musica pop italiana in Giappone,
e speriamo di creare la circostanza in cui si divertono la musica pop italiana in Giappone
Diamo la festa musicale ogni mese da Aprile 2005, dove mettiamo la musica pop italiana.
Qua sul nostro sito, inseriamo dei rapporti sulla ogni festa.
Ci sono tante musiche che non si può mettere nel sito,quindi partecipate alla nostra festa pure!

第37回イタリアPOPSフェスタ(2008年4月)レポート (その1)

第37回Festaは、24名の参加者が集まり、4/19(土)に開催しました。参加者の内訳は男性11名 女性14名(うち、新顔さん7名、イタリア人1名)。
東京・水道橋のダイニングバーYou Meにて、美味しいドリンクと温かい料理をつつきながら、120インチの巨大スクリーンに投射されるDVDを大音量で楽しむことができました。


第1部

第1部は20代の部。まずはDaniele Battaglia(ダニエレ・バッタリア/27/Bologna出身)のサンレモ音楽祭2008出場時の映像で、"Voce nel vento(風の中の声)。
Daniele自身が曲作りにも参加したサンレモ向きの落ち着いた曲調でしたが、残念ながら予選落ちしてしまい、サンレモ初日のみの出場となってしまいました。

DanieleBattaglia/TuttoIlMareCheVorreiこのサンレモ出場曲を2007年9月に発売になったデビューアルバム「Tutto il mare che vorrei(僕が求める海じゅうに)」に追加した、いわゆる『サンレモ・エディション』がサンレモ直後の2008年3月に発売されました。悪評高い『サンレモ・エディション』ですが、Danieleのはさらに自身のビデオクリップ4曲を収めたDVDを付けているので、良心的と言えるでしょう。

ジャケットの背景は、Danieleの幼少時からの成長を記録したスナップ写真のコラージュになっていて、父Dodi Battaglia(ドディ・バッタリァ)が所属するイタリアの国民的人気バンドPooh(プー)のバックステージパスなども映っています。

既に2回ほどDaniele BattagliaをFESTAで紹介していますので、このDVDから、まだFESTAで紹介していない曲"Tutte ma nessuna(無二の女性)"を紹介。父Dodi Battagliaが曲作りに参加しているだけあって、Poohのアルバムの中に収録されても違和感のないアップテンポの曲。タクシーの運転手役を務めるDanieleの姿が楽しめるビデオクリップになっています。

3曲目は、既に2007年5月FESTAでも紹介したデビュー曲"Vorrei dirti che è facile(簡単なことだよと君に言いたい)"をDVDに収められたビデオクリップで再度紹介しました。i Gens(イ・ジェンス)のベーシストEttore Cardullo(エットーレ・カルドゥッロ)の愛娘・Brenda(ブレンダ/20)とのデュエットです。

改めて映像付きで鑑賞してみると、この曲、スケールが大きく、なかなか素晴らしい曲だと気付きます。2人のヴォーカルの掛け合いも心地よく、Sanremo2008のオーガナイザーPippo Baudo(ピッポ・バウド)が各出演者にデュエットでの参加を呼びかけ、実際にデュエット曲が優勝(2008年3月FESTA参照)していることから考えると、Daniele Battagliaも再びBrendaとのデュエットで新たな曲を手掛けた方が最終日まで残れたのではないかと、残念に思います。



第1部2人目の20代は、Anna Tatangelo(アンナ・タタンジェロ/21/Lazio州Sora出身)。Daniele Battagliaとともに、2005年のRADIO-ITALIAの映像放送番組で進行役を務めていましたが、歌手としてはAnnaの方がキャリアが長く、僅か20歳そこそこにして既にサンレモ音楽祭出場5回を誇ります。

2007年11月に3rdアルバム「Mai dire mai」を発表。Annna自身が作詞に取り組んだ最初のアルバムともなりました。大半の曲の作曲とアルバムのプロデュースを例によってGigi D'Alessio(ジジ・ダレッスィオ)が手掛けています。

ロングヘアをバッサリと切ったうえ、セミヌードに近い写真が多数収められたアルバムとなり、清純なデビュー当時の面影を引きずるファンには、かなりショックを与える事になりました。

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第30回イタリアPOPSフェスタ(2007年9月)レポート (その1)

ACID第30回Festaは東京・新宿CLUB ACIDにて9/15(土)に開催しました。

三連休の初日という日取りでしたが、参加者数32名+Yoshio@主宰の33名が集まり、大盛況となりました。

33名の内訳は、男性14名 女性19名、うち、新顔さん9名、イタリア人4名と、楽しい顔ぶれが揃い、賑やかな会となりました。



第1部

Cime Domestiche第一部からいきなり、あらゆるジャンルのてんこ盛りの企画がスタート!
まずは、Paolo Benvegnu, Monica Demuru, Petra Magoni, Ares Tavolazziという4名のアーティストの連名による企画アルバム「Cime domestiche(国内最高峰の山々=国内最高のアーティストたち)」(2007)。オーストリア寄りのアルプス山麓の町、Trentoのトラッドソングをベースにしたアルバムの仕上がりになっています。


Paolo Benvegnuは、1993年にオルタナバンドSismaを結成したギタリスト&カンタウトーレ。数々のコンテストで優秀な成績を収めた後、ソリストに転向します。Monica Demuruは舞台女優として活動する女性。そしてPetra Magoni(35/Pisa出身)は、ご存知、Petra Magoni e Ferruccio Spinettiとして2006年に大ブレイクした女性歌手。(2006年11月FESTAレポート参照) 

そしてAres Tavolazzi(Ferrara出身)は、1970年代にイタリアのジャズ=ロックの金字塔を打ち立てたスーパーグループAreaのベース奏者だった人で、Areaの解散後は、多くのイタリア人アーティストのレコーディングやJazzバンドに参加し、イタリアを代表する名コントラバス奏者となっている人物。

1曲目は"Serenata trentina(トレントのセレナーデ)"。Aresの奏でるコントラバスのみの伴奏に併せて、4人がハーモニーを聴かせます。男性2名の低い声に乗せて、女性2名が自由に歌声を合わせるその心地よさにうっとり。Aresの弾く年季の入ったコントラバスの音色は、Ferruccio Spinettiとはまた違った、ベテランらしい落ち着いた中にも正確さのあるプレイ。

彼らの2曲目は"Tuti i me dis"。方言のため意味不明ですが、どうやら『Tutti mi dicono(みんなが私に言う)』という意味らしいです。こちらは夢の中にいるような気持ちにさせてくれる穏やかな曲。男性2名の弾くギターとベースに合わせて、女性2名が絶妙のハーモニーを聴かせる子守唄風の楽曲。

この企画ユニットは、今回のアルバム限りの限定ユニットなんでしょうか?それとも今後も活動するのでしょうか?



Daniele Battaglia/Fresco2人目はDaniele Battaglia(26/Bologna出身)。5月FESTAにて紹介した通り、PoohのギタリストDodi Battagliaの息子。デビューシングルはデュエット作品だったものの、その路線は止めて、どうやらこのシングル"Fresco(涼気)"からソロ路線で進めるようです。そのためか、父Dodiがプロデューサー役を務め、曲作りにも参加、当然ギタリストとして演奏にも参加しています。

ビデオクリップでDanieleの爽やかな雰囲気と長身のルックスを楽しんでもらいました。ミドルテンポながら、少しスペインやラテンっぽい感じがある曲調ですね。間もなくリリースされるであろうファーストアルバムが待ち遠しいところ。



Seba/Quadri d'Autore3人目のアーティストは2006年にアルバム「Quadri d'Autore(巨匠の絵画)」デビューした新人Seba(Sicilia州Catania出身)。バイオグラフィや写真が公開されていない(アルバムジャケットはイラストのみ)謎が多いカンタウトーレですが、そのサウンドは、バイオリンやアコースティックギターを多用したアコーステックサウンドで、どことなくジプシーっぽさも漂う、新人ながらどこか懐かしさのある温もりサウンド。

日伊協会の今年の夏期講習で教材に採用されたというDomenica d'estate(夏の日曜日)。実に生き生きとした躍動感のあるアコースティックサウンドです。

2曲目は"Minigonna blu(青いミニスカート)"。カントリーミュージックぽい曲調ですが、アメリカのとはまた異なるヨーロッパの香りがあるサウンドとなっています。

Sebaのデビューと同時にアルバムを入手し、アルバムレビューを書いていたPoohlover.netのSiriusさんから紹介してもらいました。



Afterhours/NonUsatePrecauzioni/FateviInfettare(1985-1997)第1部の最後のアーティストはAfterhours。1986年の結成ですから、いつの間にか活動歴が20年を超えた長命のオルタナ・バンド。ドラム、ベース、管楽器、バイオリン、ギター&キーボード弾きx2名の6名編成のバンドで、それなりにメンバーチェンジを重ねていますが、リーダーとボーカルは一貫してManuel Agnelli(41/Milano出身)が務めています。

この度、彼らの活動の記録として、2枚組DVDが2タイトルもリリースされました。ビデオクリップを中心にした「Non Usate Precauzioni/Fatevi Infettare(予防措置はしないで/染してあげるよ)」(2007)と、ライブテイクを中心にした「IO NON TREMO(僕は怯えない)」(2007)。Afterhours/IO NON TREMO (1997-2007)

1曲目は彼らの最大のヒット曲"Non e per sempre(永遠ではない)"(1999)をビデオクリップで。特徴的なサウンドとメロディで、一度聴いたら耳について離れない不思議な魅力のある楽曲。オルタナ色のない、ポップなチューン。

2曲目はオルタナらしいハードなサウンドの"Dentro Marilyn(マリリンの中に)"。こちらはライブ映像で。彼らのサウンドの特徴のひとつであるバイオリンの絡み付きが心地よい楽曲。



Continua alla prossima puntata.(続く)

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第26回イタリアPOPSフェスタレポート (その1)

Burn_neon第26回Festaは「ミュージック・ラウンジ♪バーン」(東京・江東区)にて5/13(日)に開催しました。

参加者数17名+Yoshio@主宰の18名(男性7名+女性11名)、新顔さん1名の参加と、若干少ない人数で開催が危ぶまれましたが、会場のバーンさんのご厚意と参加者の皆様のご協力に助けられて、無事開催することができました。



第1部

2007年初頭にリリースされた新作アルバムを3枚。

Marina Rei/Al Di Là Di Questi AnniまずはMarina Rei(38/Roma出身)の「Al di là di questi anni」(2007)。パーカッション奏者でもある中堅カンタウトリーチェで、癒し系の優しげな声が魅力的なMarina Reiですが、過去の自身の作品を弦楽四重奏を中心としたアコースティックセットで再録音されています。生ピアノの響きと弦楽隊の調べが美しく、どちらかというと秋の木漏れ日の中のドライヴの時にぴったりの雰囲気のアルバムに仕上がっています。

まずはアルバムタイトル曲"Al di là di questi anni(ここ数年のあれやこれ)"。たおやかな生ピアノの調べと、リリカルな弦楽四重奏の響き、そして穏やかなMarina Reiの声が絶妙に入り混じって、最高にリラックスできる秀作に仕上がっています。

続いて2000年のヒット曲"Inaspettatamente(思いがけず)"。弦楽隊が醸し出す不安定な緊張感ある和音と、Marina自身が奏でるパーカッションが、張りつめたテンションのイントロに仕上がっていて、癒し要素の高いこのアルバム全体の中で、適度な香辛料の役目を果たしているように感じます。

Marina Reiは主にアフリカやアラブの社会慣習である『女性割礼』の廃止活動に身を投じていて、アルバムのインサートの最後のページに、2人のアフリカの少女の屈託のない笑顔の写真を掲載しています。


Franco Battato-Il Vuoto第1部2人目は、大御所Franco Battiato(62/Sicilia州Catania近郊出身)。数年周期でカメレオンのように作風を変えるアーティストとして有名ですが、何と言ってもその振れ幅が実験音楽からクラシックまでと、実に幅広い範囲&掴みどころがないのが、他の追随を許さないBattiatoの特徴であり、魅力だと思います。

イタリアの中で、歴史上最も多くの異民族の流入を受けたSicilia州は、今でも人種のルツボであり、多様な文化が融合した結果、Battiatoのような鬼才が誕生しやすい地だとも言われています。

最新作「Il vuoto(空白)」(2007)から、アルバムタイトル曲"il vuoto"を、2007年サンレモ音楽祭にゲスト出演した時の映像で。イギリスで活躍するイタリア女性バンドMABを従えて、お得意のエレポップスタイルの弾けた音楽を聞かせてくれます。いや〜60過ぎても感性が若々しい。

ビデオクリップとサンレモのステージと交互に映し出される映像なのですが、途中、神様の予言が入る部分では、明らかに東洋の神らしき出で立ちの人物が登場します。Battiatoは東洋、特に日本に少なからず興味を持っているようなので、日本の神なのかもしれませんね。

続いては"Stati di gioia(喜びの状態)"。Battiatoのクラシカルな魅力が溢れる作品です。歌メロの裏で鳴っているオーケストラの美しい響き、そして歌の合間に投入される、混声合唱のスリリングな美しさが、素晴らしい。



Mariella Nava-Dentro Una Rosa(dentro)第1部のラストは、実力派カンタウトリーチェMariella Nava(47/Puglia州Taranto出身)。自身で歌う他、数々の歌手に数え切れないほど多くの楽曲を提供してきたMariellaの新作「Dentro una rosa(薔薇の中に)」(2007)は、イタリア歌謡が世界の中心だった時代を彷彿とさせるような、実にスケールの大きな歌い上げ系の良質なメロディの楽曲が詰まったアルバム。生まれながらにして名盤と言える出来かもしれません。

そのアルバムの魅力を凝縮したような"Via della poesia(詩への道のり)"。サビの部分のメロディの美しさとそれを支えるオーケストラの調べ、大胆な転調。往年のサンレモ音楽祭の常套手段のような楽曲。といいつつ、静かな部分でベースが不規則な動きをするなど、なかなか凝ったアレンジが施されています。Giorgiaあたりに歌わせても最高かな、と思える曲。

そして"Fade out"少々緊張感のあるイントロで力強く始まる曲ですが、サビの部分は力強くも美しい楽曲で、Iva Zanicchiあたりが歌っても似合いそうな曲に感じました。

Mariella Nava-Dentro Una Rosaまた通常のCDジャケットは、赤いフィルターをかけられたMariellaの顔写真のアップですが、恐らく初回限定仕様だと思われるスリーブが付けられています。このスリーブ、白地に薔薇の花びらと女性の横顔を合わせたデザインでくり貫かれていて、そのくり貫きからCDジャケットの赤い色が見えることで、情熱の赤い薔薇に見えるという仕掛け。

さらに良く見ると、そのくり貫きからMariellaの目もかすかに見え、ジャケットを手にした者は、まるで薔薇の花の中から見つめられている気分にさせてくれます。このスリーブに薔薇の香りが付いているのもおしゃれなところ。

FESTA会場の多くの参加者の耳や心にも大きく響いたようで、このアルバムは買うぞ!という発言がアチコチから沸き起こりました。


第2部

第2部は若手アーティストを3名。

Francesco(27/Milano出身)は、元DJ Francesco名義でラジオDJ、サンレモ音楽祭出場、ミニアルバム発売などをしていました。父がPoohのリーダーRoby Facchinettiであることと、若者の特権を最大限に活用したおふざけモード全開で、コミカルな歌い方や全身に入れたタトゥーを見せつけるようなパフォーマンスをして話題を取ってきたものの、そろそろ真面目に音楽に取り組む覚悟を決めたようで、DJの冠を外し上品な出で立ちに変更。

その決意ある旅立ちを父として援助したかったのでしょうか、Roby FacchinettiはFrancescoの2007年サンレモ音楽祭出場をサポートし、Francesco con Roby Facchinettiというデュオとして出場。"Vivere Normale(普通を生きる)"を歌いました。Festaでもサンレモの映像でお届けしました。2人が並ぶと薄いブルーの眼差しは、すぐに親子であることを語りかけてくれました。ハモる部分ではFrancescoが下を、父Robyが上を歌っていました。

そのサンレモ音楽祭出場曲をアルバムタイトルに掲げたFrancesco名義のファーストアルバムは、ほぼ全曲をFrancesco自身が作曲。父譲りの作曲の才能を見せ付けています。ところが1曲ゴーストトラックが仕込まれていて、それはB-Narioの2004年の曲"Non cambieremo mai(僕らは決して変えたりしない)"。これがまた、生ピアノと弦楽団による美しいアレンジが施された実に良い作品に仕上がっています。誰かとデュエットしているのですが、なにぶんゴーストトラックゆえ、何もクレジットされていません。父Robyの声とは違うので、B-Narioのメンバーとのデュエットなのかもしれません。


Brenda e Daniele Battaglia-Vorrei dirti che e` facile続いてBrenda e Daniele Battagliaのシングル盤"Vorrei dirti che è facile(易しい事だと君に言いたい)"。今度はPoohの中でRobyに次いで作曲数が多いギタリストDodi Battagliaのご子息Daniele Battaglia(26)とi GensのベーシストEttore Cardulloの愛娘・Brenda(19)とのデュエット。RADIO-ITALIATVで番組ホストを務めていたDanieleがついにCDデビューとなった、という訳です。

同じPoohでもこちら父子は、曲作りを息子に任せて置けなかったのか、父Dodiとの共作になっています。若い男女向きのカラオケで流行りそうな感じの楽曲、という感じでしょうかね、シングル盤には、しっかりとカラオケエディションはもちろんのこと、Danieleのパートだけを抜いたもの、Brendaのパートだけを抜いたものと、カラオケバージョンが3バージョン入っているのも、予めカラオケ市場でのヒットを期待しているように感じます。


Simone Cristicchi-Dall'Altra Parte Del Cancello第2部ラストは、2007年サンレモ音楽祭で総合優勝を果たしたSimone Cristicchi(30/Roma出身)。往年のベテラン歌手や実力派が勢揃いした2007年のサンレモ音楽祭で、前年に新人部門の準優勝したばかりの彼が総合優勝するとは、いろんな意味で予想外でした。

Biagio Antonacciへの憧れをストレートに歌った曲で注目を集め、女子大生へ想いを馳せる曲をヒットさせるなど、どちらかというと能天気なイメージがあった彼ですが、今年のサンレモ音楽祭は、精神病患者の悲哀と世の中の差別を歌った深刻で重苦しい楽曲"Ti regalerò una rosa(君に一輪の薔薇の花を贈るよ)"で出場し、それが優勝してしまうというのは、病めるイタリア社会を映し出す鏡なのでしょうか・・・・

子供のころから40年も精神病院に閉じ込められている53歳のAntonioから、ある女性にしたためられた手紙の内容の歌詞になっています。


君に一輪の薔薇を贈るよ
あらゆるものを描くために赤い薔薇を
君の涙を和らげる薔薇を
君を愛せるように薔薇を

君に一輪の薔薇を贈るよ
まるで僕のお嫁さんのように白い薔薇を
あらゆる小さな苦痛を忘れさせる白い薔薇を

というサビの部分は、名作文学「アルジャーノンに花束を」を彷彿とさせます。

小学生以下の字だけど許してね
この手が震えて止まらないんだ


と書き始めた手紙の中で彼は言う

僕らは健常者にとっては厄介者。ゴミみたいな存在なんだ

そうした精神病患者の悲哀を並べたあと、彼は彼女への想いを綴ります。

君はまるで天使のようだった

そして最後に彼は改めて言います。

行く前に君にこの手紙を残しておくよ
もう行かなくちゃ
僕が感情表現を身に付けたことを知ったら
君はびっくりしてくれるよね
うん、君はびっくりするよ
だってAntonioは空を飛べるんだから・・・

自分の意志だったのでしょうか、彼女を喜ばせたかったのでしょうか。いずれにせよ、彼はこの手紙を残して、高い所から「飛んだ」のでしょう・・・・

こんなに重い気持ちになる曲・・・
ほとんど知られていないし、またあまり知りたくもない世界の事をまざまざと歌い、イメージを突き付けてくるこのような曲が優勝してしまうイタリア社会というものが、またひとつ判らなくなりました。

Simone Cristicchi-Dall'Altra Parte Del Cancello(DVD)このサンレモ優勝曲を含むフルアルバム「Dall'altra parte del cancello(鉄格子の向こう側から)」(2007)、同アルバムの特典DVD付きの2バージョンが3月にリリースされました。が、初回のDVDは精神病院での患者へのインタビュー映像のみ・・・・かすかにBGMとして彼の楽曲が流れているだけ・・・・これは・・・・見る気が起きませんし、FESTAでも使えません・・・

5月になって正式なDVDが発売になったので、期待を込めて入手してみると・・・・初回の特典DVDにサンレモ優勝曲のヴィデオクリップが追加になったモノ・・・・あ〜、がっかり。Simone Cristicchiのライヴ映像を見たいのに・・・

せっかくなので、FESTAでは、このDVDに収められたヴィデオクリップでお届けしました。

2曲目は、"L'italiano(イタリア男)"。古くは1960年代のGiorgio Gaberから現代の巨匠Ivano Fossatiまで、イタリアの重鎮カンタウトーリの魂を受け継いでいるCristicchiらしく、今回のアルバムではToto Cutugnoのヒット曲であり、イタリア男のアイデンティティを歌い上げた名曲をカバーしています。

しかしながら、その冒頭にはまた違う曲がほんの2フレーズほど入れられています。それは、イタリア歌謡が初めて共通語で歌われるようになったきっかけの曲「Bella Ciao!(やあ、美しい人よ!)」です。その短いながらも覚えやすい歌詞とメロディ、そしてそのタイトルそのものが、イタリア男のアイデンティティのようなセリフではありませんか!

第2部最後の曲は、続いてSimone Cristicchiの"L'Italia di Piero(ピエロのイタリア)"。ローマ時代から受け継がれたようなファンファーレや、大道芸の雑踏のようながやがやとしたSEが挿入された、どこかレトロな雰囲気が漂う楽しい曲です。

ピエロという名の男の眼を通したイタリアの側面が描き出されていますが、これはおそらく、彼がもっとも 敬愛している故Fabrizio De Andréの初期の代表曲"La guerra di Piero(ピエロの戦争)"を意識した作品と言えるでしょう。

Continua alla prossima puntata.(つづく)

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5/27・6/24『イタリア音楽&イタリアンブランチ』(於:アッティコ)開催決定!

『イタリア音楽&イタリアンブランチ』@Attico

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記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、記事を書いた年度に達する年齢で表記しています。

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Cristina da Kyoto e Yoshio Antonio da Tokio, non siamo professionisti nel settore musicale, ma come fan della musica pop italiana vorremmo creare la circostanza in cui si può ascoltarla più facilmente anche qua in Giappone. Sperando questo motivo, il progetto si chiama "Piccola RADIO-ITALIA".

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