2003年以来、大晦日から年またぎで放映されているイタリアのTV番組『L'anno che verra`(意:やって来る年)』。毎年、開催地を変え、開催都市の大広場で繰り広げられているが、2021年を向かえる今回はコロナ禍のため、感染症対策を施した無観客のスタジオライヴ仕様で放映された。

5時間に渡っての生放送で、いわば日本の紅白歌合戦の拡大版的な位置付けになるだろうか。日本では新年を迎える際は、厳かな気持ちの中で迎える風習があるためTV番組も『ゆく年くる年』だが、イタリアでは伝統的に賑やかに新年を迎えるという風習にのっとった番組編成となっている。

ベテランから若手、バラードからロック、ラップに至る多彩なゲストが出演し、2020年の年間チャート上位を勝ち取った楽曲も披露されているため、イタリア音楽界を牽引する面々の一角を知るのにも適した内容となっている。また歌詞の字幕が出るので、イタリア人ならきっと見ながら歌って楽しんでいることが容易に想像できる。

MCは2年連続でサンレモ音楽祭の総合司会&芸術監督を務めるAmadeus(アマデウス/59歳/Emilia Romagna州Ravenna出身)と1960年代からトップスターを続けるGianni Morandi(ジァンニ・モランディ/77歳/Emilia Romagna州Monghidoro出身)の2人。
L'anno che verra 2021

特にGianni MorandiはMCだけでなく、随所で自身の曲や他者のカヴァーなどを披露し、いわばGianni Morandiのスペシャルなショウ番組に多彩なゲストが出演している、という感がある。2021年に77歳となる年齢ながら、そのエネルギッシュさには目を見張るものが。

※当サイトでのGianni Morandiの紹介記事
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既に公式チャネルでは映像が削除されているため、以下に非公式ながら全編の映像をUPしているリンクを貼っておく。
https://youtu.be/mpXBMUxxIDg

以下にハイライトシーンの紹介と解説を書いていこう。

冒頭はGianni Morandiによる番組タイトル名となった「L'anno che verra`」のカヴァー。同曲は故Lucio Dalla(ルーチォ・ダッラ)の1979年作品で、いつの頃か年末の定番ソングとして定着し続けている曲。
Gianni Morandi - L'anno che verra 2021

続いて超新星のGaia(ガイア/23歳/Emilia Romagna州Guastalla出身)が登場。彼女はタレント発掘番組Amiciの2020年優勝者で、後のサンレモ音楽祭2021に初出場が決まっている。歌ったのは今夏ヒットした(年間チャート23位!)ポルトガル語詞の「Chega(意:足りている)」。彼女の母はブラジル人とのこと。
Gaia - L'anno che verra 2021

00:18:00あたりから登場するのはGigi D'Alessio(ジジ・ダレッシォ/54歳/Napoli出身)。「Quanti amori(意:どれほどの愛を)」、そしてベテラン人気ラッパーJ-Ax(ジェイ・アックス/49歳/Milano出身)を迎えてリメイクした「Annare`(アンナレ/=アンナレッラのナポリ風呼び名)」。
Gigi D'Alessio - L'anno che verra 2021
J-Ax - L'anno che verra 2021

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00:32:50あたりからは1960年代から活動する女性シャウト歌手Rita Pavone(リタ・パヴォーネ/76歳/Torino出身)のヒット曲「Come te non c'e` nessuno(意:あなたみたいな人は他にはいない)」〜英語曲「Heart (I hear your beating)」のイタリア語カヴァ―「Cuore(意:心)」のメドレー。この年齢&小さな細い体からみなぎるパワーには目を見張るものがある。
Rita Pavone - L'anno che verra 2021

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00:55:00からは、サンレモ2021にも出場が発表されたAnnalisa(アンナリーザ/36歳/Liguria州Savona出身)の「Tsunami(意:津波)」。日本語タイトルで嬉しいが、背後の波の映像は日本人にはまだ刺激が強すぎるのが残念。
Annalisa - L'anno che verra 2021

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01:09:55からはPiero Pelu`(ピエロ・ペルー/59歳/Firenze出身)のサンレモ音楽祭2020出場曲「Gigante(意:巨人)」、そして古巣のバンドLitfiba(リトフィバ)として発表した楽曲「Regina di cuori(意:心の女王)」のメドレー。孫ができたとのことで、MC陣から“ロックの祖父”という異名で呼ばれているのが笑いのポイント。
Piero Pelu - L'anno che verra 2021

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02:17:55からはArisa(アリーザ/39歳/Genova生まれBasilicata州Pignora育ち)のしっとりとしたバラード「La notte(意:夜)」。あのMauro Pagani(マウロ・パガーニ)プロデュースで大きな話題となった作品で、サンレモ音楽祭2012で2位となった。2014年の同大会で優勝を勝ち取ったArisaは2021年大会にも出場することが決まっている。
Arisa - L'anno che verra 2021

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02:22:15からはサンレモ音楽祭2014新人部門優勝歴を持つ若手ラッパーRocco Hunt(ロッコ・アント/27歳/Campagna州Salerno出身)の「A un passo dalla luna(意:月から一歩)」。スペインの歌姫Ana Mena(アナ・メナ)とのデュエットで2020年イタリア年間チャート2位となる大ヒット曲となった。残念ながらAna Menaは出演せず、ヴォーカルトラックだけ流れた。
Rocco Hunt - L'anno che verra 2021

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02:42:00からは年明けカウントダウンの一幕。お祭りモードで新年を迎えるイタリアの雰囲気が味わえる。それにしてもスタジオで花火をそんなにたくさん上げられるイタリアって。。。
L'anno che verra 2021-highlight

続いてヒップホップグループBoomdabash(ブームダバッシュ)が「Mambo Salentino(意:サレント地方のマンボ)」そして2020年イタリア年間チャート1位となった大ヒット曲「Karaoke(カラオケ)」。どちらも抜群の歌唱力を誇るAmici出身の歌姫Alessandra Amoroso(アレッサンドラ・アモローゾ)をフィーチャリングしている曲だが、残念ながらAkessandraは出場せず、ヴォーカルトラックのみ流された。
Boomdabash - L'anno che verra 2021

03:11:25からはRaf(ラフ/62歳/Puglia州Margherita di Savoia出身)とUmberto Tozzi(ウンベルト・トッツィ/69歳/Torino出身)、国際的なヒット曲を持つベテランカンタウトーレ2人がタッグを組み、それぞれのヒット曲をデュエットしていく。「Self control」(Raf)〜「Stella stai(意:君は星)」(Tozzi)〜「Ti pretendo(意:君を切望する)」(Raf)〜「Gloria(意:栄光)」(Tozzi)。
Raf Tozzi - L'anno che verra 2021

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04:04:20からは来日歴もあるラッパーShade(シャーデー)の「Autostop(意:停留所)」
Shade - L'anno che verra 2021

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04:20:50からは人気ラッパーClementino(クレメンティーノ/39歳/Campagna州Avellino出身)のラップメドレーだが、冒頭でオーケストラへの感謝の言葉を口にしながら、いきなり歌い出すのはサンレモ音楽祭1988年の新人部門で2位となったTrio Melody(トリオ・メロディ)の「Ma che ne sai... [...Se non hai fatto il piano-bar](意:でも君はその何を知ってるの...[...もし君がピアノバーじゃないのなら])」だ。新人部門出場と言ってもTrio Melodyのメンバーは著名俳優Gigi Proietti(ジジ・プロイエッティ/当時30歳)、2度のサンレモ音楽祭優勝歴を持つベテランカンタウトーレPeppino Di Capri(ペッピーノ・ディ・カプリ/当時49歳)らからなっていた。そしてこのトリオのもうひとりが、Stefano Palatresi(ステーファノ・パラトレージ)で、彼はこのL'anno che verra`のバンドマスターを務めていた故、Clementinoから彼へのサプライズのパフォーマンスだったのだ。Clementinoの自国の音楽に対する造詣の深さが感じられる一幕だ。
Stefano Palatresi- L'anno che verra 2021
突然のことに驚くマエストロStefano Palatresi

Clementinoはその後、自曲の「La cosa piu` bella che ho(意:僕が持ってる最高に美しいもの)」〜「Cos cos cos(意:何、何、何)」〜「Chi vuole essere milionario?(意:誰が億万長者になりたいのか?)」〜「Dedicato a Pino Daniele(意:ピーノ・ダニエレに捧ぐ)」をメドレーで披露
Clementino - L'anno che verra 2021

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続いて登場するのはErminio Sinni(エルミーニオ・シンニ/60歳/Toscana州Grosseto出身)がLucio Dallaをカヴァーした「La sera dei miracoli(意:神秘の夜)」。Erminioはタレント発掘番組The Voice of Italyのシニア部門で2020年に優勝して脚光を浴びた人物。1990年代にサンレモ音楽祭新人部門に出場したこともあったが、その後大きな知名度を得ることがないままだったカンタウトーレによる再チャレンジで返り咲くことに成功した。
Erminio Sinni - L'anno che verra 2021

04:40:35からのオオトリはやっぱりGianni Morandiで。かつてLucio Dallaと組んでヒットさせた「Vita(意:人生)」をここではAmadeusとのデュエットで。
Gianni Morandi Amadeus - L'anno che verra 2021

第182回イタリアPOPSフェスタ(2021年1月)紹介曲PlayList


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2021年に達する年齢で表記。