民族音楽やジャズ、フォークなどのエッセンスを取り入れた、独自のジャンル、スタイルのカンタウトーレVinicio Capossela(ヴィニーチォ・カポッセラ/55歳/ドイツ国Hannove生まれCampagna州Avellino育ち)。その音楽性をとても一言で言い表すことは出来ず、既存のジャンルにカテゴライズすることもできない世界観のある音楽を紡ぎだす。歌唱力があるとは言えず、クセやアクが強く、聴き流しただけなら、彼の魅力は全くわからないことだろう。それにも関わらず、栄誉ある賞を獲得するし、アルバムセールスも高く、特に業界人や音楽仲間からの評価が高いという不思議な存在だ。

『Canzoni della Cupa(意:クーパの歌集)』(2016)は2枚組の大作で、1枚目は“Polvere(意:埃)”、2枚目は“Ombra(意:影)”というサブタイトルが付けられている。フランス盤に日本語の帯のみを加えた日本流通盤もリリースされた。
Vinicio Capossela - Canzoni della cupa(J_2017)

主に彼の両親の出身地の古名イルピニア(現在のCampagna州・Puglia州・Basilicata州に跨る地域)を題材にしており、構想に13年かかってやっとリリースされたという。いくつかの曲は、Puglia州Foggiaの民族音楽カンタウトーレMatteo Salvatore(マッテオ・サルヴァトーレ/1925-2005)の古い作品の書き換え・再解釈となっている。

また、イタリア生まれ&育ちの日本人プロデューサーTaketo Gohara(タケト・ゴウハラ)がVinicioと共同プロデュースを務めており、ロス・ロボス、フラコ・ヒメネス、キャレキシコといった、ヒスパニックテイストを持ち味にしたアメリカのミュージシャンたちが参加しているのも見逃せない。

「La padrona mia(意:僕の女主人)

La bestia nel grano(意:小麦の中の獣)https://youtu.be/bXuk3nLbJVo

「Scorza di mulo (意:壁の皮)」https://youtu.be/AHuL0hKpkjo

そして近作アルバム『Ballate per uomini e bestie(意:男たちと獣たちのためのバッラータ集)』(2019)は栄誉あるタルガ・テンコ賞(プロ審査員のみで評価する)2020年の絶対的最優秀アルバムに選出された。
Vinicio Capossela.-Ballate per uomini e bestie(2019)

「Il povero Cristo(意:可哀そうなキリスト)」

「La peste(意:ペスト)」は「+Peste(意:さらなるペスト)」のタイトルでヴィデオクリップが製作され、ラッパーのYoung Signorino(ヤング・シニョリーノ/21歳/Cesena出身)との共演で、日本人ミュージシャン Gak Sato(ガク・サトウ)がプログラミング、民族音楽の第一人者Daniele Sepe(ダニエレ・セーペ)がフルートを担当している。https://youtu.be/viZAhOY3Bto

「Danza Macabra(意:死の踊り)」は、教会でのライヴ音源だ。

昨2019年の最後のクールで放映されていた番組『Maledetti Amici Miei(意:腐れ縁の友達)』にVinicioは出演し、「Con una rosa(意:一輪の薔薇えを添えて)」(2000)と上記アルバムに収録の「I musicanti di Brema(意:ブレーメンの音楽隊)」を披露した。前者はGiusy Ferreri(ジューズィ・フェッレーリ)やChiara Civello(キァーラ・チヴェッロ)らがカヴァーもするヒット曲だ。

※当サイトでのVinicio Caposselaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Vinicio_Capossela

第176回イタリアPOPSフェスタ(2020年7月)紹介曲PlayList
※Vinicio Caposselaの近作2枚のアルバムはSpotifyに登録なしのため割愛。


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2020年に達する年齢で表記。