サンレモ優勝歴(2017年)も持つカンタウトーレFrancesco Gabbani(フランチェスコ・ガッバーニ/38歳/Toscana州Carrara出身)の『Viceversa(意:逆に)』(2020)。全曲に自身が曲作りに参加し、単独または他者との共作で書かれている。チャート最高2位。
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先行シングル「E` un'altra cosa(それは別のこと)」は2019年夏のヒットとなった先行シングルで、太陽・海・サーフの3つをテーマに往年のラテンポップのキーで製作されている。バウステッレのフランチェスコ・ビアンコ―ニが曲つくりに参加しているのも注目点だ。https://youtu.be/rPF9E4jHUL8

アルバムタイトル曲「Viceversa」は、サンレモ音楽祭2020で惜しくも2位となった楽曲で、2017年大会優勝曲「Occidentali's Calma」のキャッチ―さとは異なり、次第に盛り上がっていくバラード曲で、会期途中までは優勝曲候補の筆頭株のひとつで、サンレモ音楽祭期間中、オンライン最多再生回数賞に輝いた。

そのサンレモ音楽祭2020の第3夜カヴァー大会で披露したのは、「L'italiano(意:イタリア男)」。オリジナルはToto Cutugno(トト・クトゥーニョ/当時40歳・現77歳)で、1983年大会で5位となったものの、80年代を代表するイタリアの楽曲となるほどヒットし、イタリア人気質を歌うエヴァ―グリーン曲となった。https://youtu.be/J5Yty3yfgCw

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Il sudore ci appiccica(意:汗が僕らにまとわりつく) は、2020年の夏向けにシングル化されたばかりの楽曲。 https://youtu.be/lnJ9GuQNbxQ

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サンレモ優勝歴(1996年)も持つTosca(トスカ/55歳/Roma出身)の『Morabeza』(2019)は、Targa Tenco(タルガ・テンコ)賞2020の最優秀パフォーマンス賞に輝いたアルバム。タルガ・テンコ賞とは、不世出のカンタウトーレ故Luigt Tenco(ルイジ・テンコ)の遺志に基づいて設けられた賞で、プロの審査員のみで評価・選出する栄誉ある賞である。
Tosca - Morabeza(2020)

アルバムタイトルに掲げた“Morabeza”とは、ブラジル風ポルトガル語の“サウダージ”と同じ意味を持つクレオール語。クレオール語とは、中南米で生まれ育ったヨーロッパ人たち(主にスペイン系たち)の言葉だ。“サウダージ”という言葉自体も他の言語に翻訳できないニュアンスを含む言葉で、郷愁や穏やかな環境で感じる幸せ、リラックス、憧れなどのニュアンスを含む感覚で、特にポルトガルのファドやブラジルのボサノヴァでは主要なテーマとして歌われている。

Tosca自身が発案した企画を受けて同アルバムのプロデュースを担当したのはカンタウトーレのJoe Barbieri(ジョー・バルビエリ)。なるほど、彼はイタリアで最も中南米音楽に影響を受けたスタイルで音楽表現を行っている第一人者だ。

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Toscaは中南米音楽のイタリア語カヴァーなどを中心に、4か国語(イタリア語・フランス語・ポルトガル語・アラビア語)で歌い分け、古典的作品には現代的な再解釈のメスを入れ、彼女の旅路の中で出会ったアーティストたちをゲストに招いて共演している。

「Giuramento(意:誓い・宣誓)」は、“ショーロの父”の異名を取ったPixinguinha(ピシンギーニャ/1897年4月23日 - 1973年2月17日/アフリカ系ブラジル人)の「Rosa(意:薔薇)」が原曲で、Joe Barbieriが書いたイタリア語詞で歌っている。クラリネット奏者Gabriele Mirabassi(ガブリエレ・ミラバッシ)のフィーチャリング。https://youtu.be/TmKpC7QDMII

「Normalmente(邦題:いつものように/意:普通に)」はJoe Barbieriのオリジナル作品。アルバムではブラジルの作曲家Ivan Linsとの共演だが、公式ヴィデオクリップではJoe Barbieriがギター演奏で参加している。

そしてサンレモ音楽祭2020で6位となった「Ho amato tutto(意:私は全てを愛した)」を追加したのが『Morabeza』のサンレモエディション(2020)だ。同曲はサンレモでニッラ・ピッツィ賞(最優秀楽曲&パフォーマンス賞)&ジャンカルロ・ビガッツィ賞(最優秀作曲賞)のW受賞に輝いた。そして後のタルガ・テンコ賞では、アルバムも受賞しただけでなく、同曲も最優秀楽曲賞を受賞している。その通り、重厚な曲調とトスカから溢れ出る格調のある声に深い感動を覚える作品だ。公式ヴィデオクリップは名映画監督フェルザン・オズペテクが担当している。

なお、サンレモ2020第3夜のカヴァー大会では、スペインの歌姫Silvia Perez Cruz(シルヴィア・ペレツ・クルツ)をゲストに迎え、故Lucio Dalla(ルーチョ・ダッラ)の「Piazza Grande(意:大広場)」(1972年大会8位)をカヴァーし、カヴァー大会の優勝を勝ち取った。同テイクはアルバム『Morabeza』には収録されていなかったが、後に単発シングルとしてスタジオ録音テイクがリリースされ、公式ヴィデオクリップも製作された。https://youtu.be/duzPCKJxmR4

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FestaではToscaのサンレモ1996優勝を振り返り、Ron(ロン)と共演した優勝曲「Vorrei incontrarti fra cent'anni(意:百年の間に君と出会いたい)」を紹介した。Ronは前出のLucio Dallaの愛弟子で「Piazza Grande」を共作した人物でもある。Toscaは当時31歳。https://youtu.be/LUgzXDwgT9s

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第176回イタリアPOPSフェスタ(2020年7月)紹介曲PlayList


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2020年に達する年齢で表記。