Pino Daniele(ピーノ・ダニエレ/1955-2015/満59歳没/Napoli出身)は、人気と実力を兼ね備えた音楽家として、現代ナポレターナの作者としても認められた存在だった。イタリア国内はもちろん、ヨーロッパ、中南米、北米でも知名度を得た世界的に活躍するイタリア人ミュージシャンのひとりで、特に国内外の一流ミュージシャンたちに一目を置かれるミュージシャンズ・ミュージシャンでもあった。残念ながら日本では無名のまま亡くなってしまったことになる。

Festaではさらに、彼の初期となる1983年のライヴ映像をスイスのTV局のライヴラリーをライヴ盤に編纂したシリーズ『Live Collection』から紹介。Pinoがまだ28歳でバックを支えるのも同年代のミュージシャンで、“ナポリタン・パワー”と称される凄腕のミュージシャンが中心となった面々だ。
Pino Daniele - Live Collection-26 Marzo 1983

ドラムのTullio De Piscopo(トゥッリオ・デ・ピスコポ)、パーカッションのTony Esposito(トニー・エスポージト)の2人は、後に歌手としてサンレモ音楽祭にも出場することになる打楽器奏者のリーダー的存在。イケメンのベーシストRino Zurzolo(リーノ・ズルゾロ)は後にクラシックとジャズを融合させたリーダー作品を手掛ける一人者となるが、2017年58歳で逝去。ファンキーな天才肌のキーボーディストJoe Amoruso(ジョー・アモルーゾ)は、後にプロデューサー&作曲家&アレンジャーとして大成するが、2020年3月60歳で逝去したばかり。

Festaではライヴ映像11分20秒からの「Je so 'pazzo(意:俺はイカレてる)」(1979)、「Tarumbo`」(1982)の2曲を紹介。

前者はイギリスの清教徒革命(1649)より2年早い1647年に世界初の市民革命を成し遂げたナポリの英雄Masaniello(マザニエッロ)について歌われている。当時のナポリを苦しめていたスペインの圧政を革命で跳ねのけたのだが、その天下が5日間と超短命に終わったため、世界史の教科書には載らない事件&人物で、そのあだ名狂人マザニエッロから曲のタイトルが付けられている。後者はナポリ語とブルーズを融合させたPinoの音楽スタイルをPino自身が名付けた音楽スタイル名をタイトルにしている。

ここからはライヴアルバム『Tutta n'ata storia - Vai mo' - Live in Napoli(意:全て別の物語 - 今行け - ライヴ・イン・ナポリ)』(2013)から。2008年の軌跡のライヴを収録した代物だ。
Pino Daniele-Tutta n'ata storia- Vai Mo' - Live in Napoli

なぜ“奇跡”なのか? Pinoの最初期を支えた前出の“ナポリタン・パワー”が27年ぶりに集結して演奏したからだ。それだけでなく、その後のPinoを支えたバンドも集結して、計3組ものバックバンドが入れ替わり立ち替わりステージを魅せた。

エンディング曲「Yes,I know my way」(1981)は、全3バンドメンバーが総出演しての夢のパフォーマンスとなった。

「Se mi vuoi(意:もし私を欲しいなら)」 (1995)はオリジナル通りIrene Grandi(イレーネ・グランディ)をゲストに迎えてのデュエットを披露。当時まだ売り出し中だった女性歌手を迎えてポップな楽曲をデュエットするという振れ幅の広さ、懐の深さもまたPinoのもうひとつの魅力の側面だ。
https://youtu.be/lhCGzzt_z7M

※当サイトでのIrene Grandiの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Irene_Grandi

「Vento di passione(意:情熱の風)」 (2007)もオリジナル通りGiorgia(ジョルジア)を迎えて。
https://youtu.be/KE-_1nDG5rU

※当サイトでのGiorgiaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Giorgia

最後に急逝する1週間前のライヴ映像から「I say I' sto cca`(意:僕がここにいるって言ってあげるよ)」 (1980)。この後もPinoは年越し番組に出演し、生ライヴを披露する。その4日後に帰らぬ人になるなど、誰も想像していなかった。

第175回イタリアPOPSフェスタ(2020年6月)紹介曲PlayList

※当サイトでのPino_Danieleの紹介記事
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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2020年に達する年齢で表記。