1960年代から活動するRomaのバンドBanco del Mutuo Soccorso(バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ)。日本では特に1970年代の作品が評価され、プログレ・ファンに知名度が高い。イタリア本国ではプログレ期後も商業的に成功し、イタリアを代表する大御所バンドのひとつとして知名度も高い。

近年は相次ぐメンバーの急逝で存続の危機に瀕していたが、創立メンバーのVittorio Nocenzi(ヴィットリオ・ノチェンツィ)を中心に25年ぶり14枚目の新作アルバム『トランシベリアーナ〜シベリア横断、人生の旅路 Transiberiana』(2019)をリリース。イタリア本国とほぼリアルタイムで日本盤も発売された。日本盤紹介記事参照→http://piccola-radio-italia.com/archives/52309261.html
Banco - Transiberiana(J)

邦題のサブタイトルが示す通り、シベリア横断鉄道でヨーロッパ側から太平洋側までの旅路を人生に例えたコンセプトアルバムに仕上がっている。全曲をVittorioと息子Michelangelo(ミケランジェロ)の親子Nocenziで共作。

音楽ジャーナリストとVittorio自身のペンによる楽曲解説もたっぷり掲載されており、日本盤には歌詞を含め解説にも日本語訳が付くので、ぜひ日本盤の入手をお奨めする。

サウンドはもちろん往年のプログレ的ではないものの、確かなテクニックに裏打ちされた安定感とスリリングさが共存したシャープなロックに仕上がっている。伝統的にヴォーカルにも重きを置くバンドなだけに、イタリアPOPSファンにもお奨めしたい。

組曲「地上の星(Stelle sulla terra)」で順調に始まる旅路。しかしドラマにはお約束の障害が発生する。雪原を走る列車は行く手を阻まれるのだ。「予期せぬ出来事(L'imprevisto)」

そして停車した列車から降りて地上に降り立った旅人たちは狼どもに囲まれるピンチに遭遇する。「オオカミの襲撃(L'assalto dei lupi)」

無事に列車は復旧し、シベリア横断の旅路は続く。途中で旅人が目にするのは、旧ソ連時代の強制労働収容所・矯正収容所「グラーク収容所(I ruderi del gulag)」だ。シベリア鉄道に乗った旅人は、こうした過去の遺物たる収容所跡を目にする。そして檻に監禁されることとは?真実とは何か? 自らで考える事の大切さなどに思いを馳せる。

やがて旅人は太平洋側に達し旅は終りを迎える。が、そこから先には"塩の道"が連なっており、さらに旅は続くのだ。。。。

※当サイトでのBanco del Mutuo Soccorsoの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Banco


Francesco Renga(フランチェスコ・レンガ/51歳/Udine出身)は、サンレモ優勝歴を持つカンタウトーレ。ロックバンド出身ながら、何を歌ってもピカイチの歌唱力を誇る。アルバム『L'altra meta`(意:半分のもう片方)』(2019)のプロデュースは敏腕&売れっ子プロデューサーMichele Canova Iorfida(ミケーレ・カノーヴァ・イォルフィダ)。
Francesco Renga - L'altra-meta

「Aspetto che torni(意:君が帰るのを待つ)」はサンレモ音楽祭2019で15位となった楽曲。カンタウトーレBungaro(ブンガロ)が中心となった書かれた楽曲で、サンレモ会期中第4夜ではそのBungaroをゲストに招いてのデュエットも披露された。ヴィデオクリップはTorinoでロケされた。

「L'odore del caffe`(意:コーヒーの香り)」は若手最注目株のひとりUltimo(ウルティモ)ことNiccolo` Moriconi(ニッコロ・モリコーニ/23歳)が歌詞を書いている(作曲はRenga)。彼はサンレモ2018新人部門で優勝。サンレモ2019では惜しくも2位となるほど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのあるカンタウトーレだ。ヴィデオクリップでは幼馴染みの男女が大きくなって再会し、幼い頃の恋心が成就する話だが、キーアイテムにはスマートウォッチが使われている。子供のころから身に付けていたスマートウォッチを最後は投げ捨てて追っ手から逃げる2人。追っ手は未来社会のタイムパトロールのような感じ。2人はタイムトラベラーだったのだろうか。。。使われている車がホンダCRXなのも注目どころ。

「Prima o poi(意:遅かれ早かれ)」

※当サイトでのFrancesco Rengaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Francesco_Renga


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2019年に達する年齢で表記。