Enrico Nigiotti(エンリコ・ニジォッティ/32歳/Toscana州Livorno出身)はキャリア10年超の実力派カンタウトーレ。しかし彼の名が広く知られるようになったのはまだここ1〜2年のことだ。

21歳でCaterina Caselli(カテリーナ・カゼッリ)のSugarレーベルからデビュー。敏腕プロデューサーMichele Canova Iorfida(ミケーレ・カノーヴァ・イォルフィダ)と実力派カンタウトリーチェElisa(エリーザ)のバックアップでアルバム制作するも芽が出ずに終わる。22歳でAmici(優勝者:Emmaのシーズン)に出場するも、ダンサー部門の出場者の中に当時の彼女がいたため、競合するのを避けて辞退し、またしてもチャンスを逃してしまう。

28歳の時、サンレモ音楽祭2015新人部門出場権を獲得するが3位と順位が振るわず、大きな脚光を浴びずに終わる。2017年、30歳で今度はX Factorに出場し3位。しかしここからようやく彼の道は少しずつ開き始める。その時X Factorで歌った自作曲が「L'amore e`(意:愛とは)」だ。

同曲を翌2018年に女優Matilde Gioli(マティルデ・ジォリ/当時29歳)とのデュエット・ヴァージョンを披露。

「Nel silenzio di mille parole(意:たくさんの言葉の静寂の中で)」は、そのMatildeが登場するPVが製作された。冷蔵庫が重要なアイテムに据えられている。ドラえもんの世界観??別途制作された故郷Livornoの海辺での弾き語りヴァージョンもイカシている。

そして2018年。いよいよ彼の人生が大きな転換期を迎える。当時大物歌手たちのコンサートの前座を務めて下積みをしていた彼に、その大物歌手たちから声がかかるようになり、Laura Pausini(ラウラ・パウジーニ)、Eros Ramazzotti(エロス・ラマツォッティ/エロス・ラマゾッティ)らに楽曲を提供し、まずは作曲家として注目を集めるようになる。Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)とは「Complici(意:共謀者たち)」で共作&共演が実現した。

※当サイトでのGianna Nanniniの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Gianna_Nannini

そしてついにClaudio Baglioni(クラウディオ・バリォーニ)の目にも止まり、サンレモ音楽祭2019への出場権を獲得。自作の「Nonno Hollywood(意:ハリウッド爺ちゃん)」を披露し、順位は10位と振るわなかったものの、栄誉あるLunezia賞を獲得して大きな注目を浴びたのだ。Lunezia賞とは歌詞の文学賞だ。この「Nonno Hollywood」で歌われているのは、亡くなった自身の祖父と一緒に過ごしたLivornoの田舎のこと。誰もの心に残る祖父と過ごした懐かしい想い出と変わりゆく故郷の人々や風景とのギャップ。多くのイタリア人の心の琴線に触れる彼の描いた世界が評価されたのだ。私小説的な詞の中にタイトルの"ハリウッド"について直接言及する部分はない。どうやらアメリカのハリウッドのことではなく、ハリウッドが意味する"聖なる木"という隠喩でそれが彼の中で祖父を示すのかもしれない。

サンレモ2019第4夜では、ジャズピアニストPaolo Jannacci(パオロ・ヤンナッチ/カンタウトーレEnzo Jannacciの息子)とMassimo Ottoni(マッスィモ・オットーニ/芸術家)をゲストに招いたステージとなった。後者は楽曲に合わせてライヴで製作していく砂絵アートを披露した。

このサンレモ2019出場曲を含むアルバムが『Cenerentola e altre storie(意:シンデレラとその他のお話)』(2019)だ。いわゆるサンレモエディション。アルバムで、元は『Cenerentola』(2018)の再発盤。
Enrico Nigiotti - Cenerentola e altre storie

「Campari soda(カンパリ・ソーダ)」

「Buonanotte(意:おやすみ)」

新曲「Notturna(意:ナイトゲーム)」は2019年5月にリリースされたが、まだどのアルバムにも未収録だ。Nigiotti曰く、"誰の心にもあるLGBT的な部分をテーマにしている"そうだ。

※当サイトでのEnrico Nigiottiの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Enrico_Nigiotti


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2019年に達する年齢で表記。