5/15に発売になった日本盤『小さな村の物語 イタリア 音楽選集〜イタリアン・ポップスとカンツォーネ100曲〜』(5CD)から。
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この音楽選集は、実際に番組に使用された楽曲の中から1960年代から2010年代までに渡って、イタリア音楽界の中で重要なアーティストたちを網羅した、イタリアン・ポップス集としても大変魅力的な作品集として仕上がっている。さらには解説書には番組ナレーターの三上博史氏を始め、番組プロデューサーやディレクター、スタッフへのインタビューも掲載され、どのような想いを込めて、どのような時間のかけ方をしてこの番組が製作されているのかが判るのも大きな魅力である。もちろん楽曲ごとにアーティストの解説や番組に使用された放送回までもが丁寧に解説されている。

音楽を単なるBGMとして流しているのではなく、その回で放送される地域や、スポットを当てられる市井の人々の来歴や置かれている立場に則した歌詞の楽曲が選ばれているという。こうした一般的な日本人の視聴者はそんなことまで気にしないし、判らないであろう部分にまで、手を抜くこと無く番組製作していることに、きっと誰もが驚くはずだ。しかもいわゆるキャッチーな大ヒット曲は敢えて外して選曲している点でも、ヘビーリスナーやコレクターの食指さえも動かす選曲集にもなっている。

小さな村の物語 イタリア 音楽選集−チラシ

CD1は三上博史氏の実際の番組ナレーションで始まる。Festaで紹介した楽曲をかいつまんで紹介しよう。

Lucio Dalla(ルーチョ・ダッラ/1943-2012/Bologna出身)とFrancesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ/1951年生/Roma出身)のデュエットで「Cosa sara` それって何だろう」(1978)。紹介した映像には、楽曲の共作者(Lucio Dallaと共作)でもあるサンレモ音楽祭優勝者Ron(ロン/1953年生/Lombardia州Dorno出身)もコーラスで参加している。
https://youtu.be/y5die8i3Pj4

※当サイトでのLucio Dallaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Lucio_Dalla

※当サイトでのFrancesco De Gregoriの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Francesco_De_Gregori

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Milva(ミルヴァ/1939年生/Emilia-Romagna州Goro出身)「on pianger piu` Argentina アルゼンチンよ泣かないで」(1977)は、当時世界的なヒットとなったミュージカル『エビータ』の主題歌。
https://youtu.be/23Dqi19GuF0

※当サイトでのMilvaの紹介記事
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Alunni del Sole(アルンニ・デル・ソーレ)の「'A canzuncella ア・カンツンチェッラ」(1977)。全曲を単独で書き、ピアノでソロヴォーカルを取る故Paolo Morelli(パオロ・モレッリ/1947-2013/Napoli出身)のソロ・カンタウトーレ活動が、最後までバンド形態を取り続けた、といっても過言ではないだろう。一族郎党が寄り添い合い、稼げる人が皆を養う、という南部特有の生き方そのもののバンドだったともいえる。標準語でも歌ったが、時にはこの曲のようにナポリ語で歌い、その点では現代のナポレターナ創作者の1人でもあった。事実この楽曲はその後、多くの歌手にカヴァーされて歌い継がれている。
https://youtu.be/d-zICqa5DJc

※当サイトでのAlunni del Soleの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Alunni_del_Sole

Noemi(ノエミ/1982年生/Roma出身)「La borsa di una donna 貴女の鞄」(2016)は、サンレモ音楽祭2016で8位となった楽曲で、カンタウトーレのMarco Masini(マルコ・マジーニ/1964年生/Firenze出身)がメインコンポーザーとなって書いた楽曲だ。
https://youtu.be/rnbHKMGDzX8

※当サイトでのNoemiの紹介記事
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Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ/1954年生/Siena出身)「I wanna die 4 U アイ・ウォナ・ダイ・フォー・ユー」(2011)は、57歳で婚外子を産み、非認可の生殖医療疑惑で物議を醸した頃の彼女の作品。おそらく"U ユー"に当たるのは、生まれた娘のことだろう。Gianna自身とカンタウトーレでもあるPacifico(パチフィコ)の共作。

※当サイトでのGianna Nanniniの紹介記事
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Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ/1949年生まれ/Roma出身)「Ci vorrebbe un amico 求められて」(1984)。イタリアの国民的人気を誇るベテランカンタウトーレの1人で、数多くの代表曲に埋もれてしまっているものの、心の琴線に触れる佳曲だ。
https://youtu.be/UDUA4t7ExFc

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サンレモ音楽祭優勝経験者でもあるTosca(トスカ/1967年生/Roma出身)の隠れた名曲「Di piu` もうこれ以上」(1997)。巨匠Ennio Morricone(エンニオ・モッリコーネ/1928年生/Roma出身)が作曲した美しいメロディとたおやかなToscaの歌唱、前出のカンタウトーレLucio Dallaの紡いだ歌詞が相乗効果をもたらし、極上の作品に仕上がっている。

※当サイトでのToscaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Tosca

Luca Dirisio(ルカ・ディリジオ/1978年生/Abruzzo州Vasto出身)「Spariro` 消えゆく想い」(2006)はサンレモ音楽祭2006出場曲で、残念ながら1回戦目で敗退に終わった楽曲だが、その結果が信じられないほど美しい楽曲だ。イントロがMelissa Manchesterの「Don't cry out loud」にちょっと似ている。

※当サイトでのLuca Dirisioの紹介記事
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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2019年に達する年齢で表記。