第1部〜第3部に引き続き1980年代前後にスイスのTV局スタジオで行われたイタリア人アーティストたちのライヴ映像をDVD化したRSIシリーズから、故Mia Martini(ミア・マルティーニ/1947-1995/Calabria州Bagnara Calabra出身)の1978年ライヴ。
Mia Martini - Live collection_Giugno 1982

1963年デビューしたもののパッとせず、1970年代にMia Martiniに芸名を変えてようやくスター歌手になった人物で、サンレモ音楽祭では優勝こそないものの、何度も批評家賞を獲得。その死後、その賞に彼女の名が冠され、優勝よりも栄誉ある賞と言われるようになっている。

このライヴの時期は時代のニーズに応えて、カンタウトリーチェMia Martiniを模索していた時代。冒頭4曲と6曲目は彼女が単独で書いた自作曲だ。

Dario Baldan Bembo(ダリオ・バルダン・ベンボ)が書き下ろしたMia Martini名義初期のヒット曲が27分ごろから始まる。「Inno(意:賛歌)」「Piccolo uomo(意:ありふれた男)」。後者は第2部で紹介したBruno Lauzi(ブルーナ・ラウツィ)が歌詞を書いている。Festival1972首位。

37分ごろから始まる「Minuuetto(意:メヌエット)」もFestivalbar1973首位に輝いたヒット曲で、前出のMaldan BemboとFranco Califano(フランコ・カリファーノ)の2人が書き下ろしている。2人ともカンタウトーレとしての活動と並行して、他のアーティストに多くの楽曲を提供していることで知られている。

そしてMia Martiniにとってとても大きな出会いとなったIvano Fossati(イヴァーノ・フォッサーティ)作品の数々。46分10秒から始まる「E non finisce mica il cielo(意:空は終わりもしない)」そして55分20秒から始まる「La costruzione di un amore(意:ある愛の構造)」はサンレモ音楽祭1982の批評家賞に輝く名作で、Fossati自身もセルフカヴァーしている。

このDVDには嬉しいことにこのライヴ以降に発表された彼女の代表作やレア映像が5曲ほど追加収録されている。もちろん「Almeno tu nell'universo(意:宇宙の中で少なくともあなただけは)」(1989)も。この楽曲はMaurizio Fabrizio(マウリツィオ・ファブリツィオ)とBruno Lauzi(ブルーノ・ラウツィ)のコンビでなんと1972年に書かれていたものの、その後17年も発表せずに引出の中で熟成されていたという逸話を持つ楽曲。満を持してサンレモ音楽祭1989でMia Martiniの歌唱で披露され、9位に留まったものの、またしても批評家賞に輝いた永遠のラヴバラードだ。21世紀になってElisa(エリーザ)がカヴァーしてリバイバル・ヒットした。

そしてMia Martiniにとってのサンレモ音楽祭・最高位となる2位を勝ち取った楽曲「Gli uomini non cambiano(意:男たちは変わらない)」(1992)。ヒットメーカーGiancarlo Bigazzi(ジァンカルロ・ビガッツィ)らが書き下ろした楽曲だが、Miaの歌唱はまるで何かが乗り移ったかのような情念に満ちたパフォーマンスになる。父親や恋人になる男たちに対する女の気持が込められた楽曲だ;《男たちは変わらない。最初は愛を囁くのに、行って(逝って)しまう・・・》

※当サイトでのMia Martiniの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Mia_Martini


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2019年に達する年齢で表記。