11月に24年振りの来日公演が決まったGigliola Cinquetti(ジリオラ・チンクェッティ/70歳/Verona出身)
Gigliola Cinquetti
来日公演情報:http://piccola-radio-italia.com/archives/52254728.html

これまでのFestaで、来日パンフレットに記載されている演奏予定曲を全曲紹介し終えているので、今回は番外編として、主に1970年代に従来と異なる路線にチャレンジした活動の中で生まれた作品を紹介。

1971年にイタリアの山岳地帯に伝わるフォルクローレ伝承歌を歌い出し、全曲がフォルクローレ作品のアルバムもリリース。「La domenica andando alla messa(邦題:日曜はミサに)」は、Canzonissima(カンツォニッシマ)1970で歌われ、チャート26位まで上がり、日本でもシングル「薔薇のことづけ(Rosa nel buio)」のB面に収録され、来日公演でも良く歌われていた楽曲。修道院に入れられる事になった若い娘が、恋に別れを告げる心境が歌われている。

同路線のフォルクローレ「Qui comando io(邦題:涙の小道)」は、Canzonissima1971で歌われ、チャート17位まで上がったが日本ではシングル未発売。
https://youtu.be/AJlqWi2VN2A

Canzonissima1971では、子供のコーラスを活かした「Canta bambino(邦題:そよ風の詩)」(1971)で新境地を切り開く。日本語詩のテイクも録音された。
https://youtu.be/zXIhbZ4-k38

チンクェッティは子供向けの楽曲だけのアルバムも1967年にリリースしており、主演2作目の映画『おろか者(Testadirapa)』(ヴェネツィア国際映画祭1966参加作品)のサントラとなった「Cinque son le dita(邦題:指は五つ)」なども。幼い子供たちの先生役のオーラが眩しい。
https://youtu.be/JTQOR_C6EzE

1972年になると、パルチザン(第二次世界大戦中にファシズムに対してレジスタンス運動を起こした民間勢力)伝承歌だけのアルバムをリリース。運良く世界的にブレイクしたシンデレラ・ガールのイメージから脱却して、イタリアでは大人の歌手として認識される大きなターニングポイントとなった。「Il povero soldato(意:哀れな兵士)」は、銃殺される兵士の心境を歌った作品。
https://youtu.be/naPmNyp3QtY

「Mistero(邦題:ふしぎな気持ち)は、実力派作家のClaudio Mattone(クラウディオ・マットーネ)が書き下ろしたサンレモ音楽祭1973参加曲。1964年の鮮烈な初優勝以来、ほぼ毎年のように同音楽祭に出場して2度も優勝を飾った彼女が、この年、初めて不名誉な選外となった(注:同年のサンレモ音楽祭は出場30曲中14曲が選外となる厳しいルールだった)ため、以後、12年間に渡ってサンレモ音楽祭に参加しなくなるきっかけとなった曰く付きの楽曲。

サンレモ音楽祭に見切りを付けた彼女は、Canzonissima1973で「Alle porte del sole(邦題:太陽のとびら)」で優勝を飾り、チャートでも9週に渡って首位をキープする自身の最大のヒット曲を叩き出し、落選の憂き目にあったサンレモ音楽祭の鼻を明かす事に成功する。
https://youtu.be/o7Ly56Jhheo

さらに1974年のユーロビジョン・ソング・コンテスト(英国で開催)にイタリア代表として再び出場し、「Si`(邦題:夢はめぐり来て)」を歌って見事2位を獲得(優勝はAbbaの「恋のウォータールー」)。チンクェッティは同曲の英語版「Go(Before you break my heart)」をリリースし、英国チャートの2位に上がる国際的なヒットを記録。さらには1900年代初頭の流行歌だけを収録したカヴァー・アルバムをリリースするなど、サンレモ音楽祭に頼らない新境地を切り開いていった。

※当サイトでのGigliola Cinquettiの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Gigliola_Cinquetti


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2017年に達する年齢で表記。

次回の月例FESTAは11月25日(土)開催予定。