Bungaro(ブンガロ/53歳/プーリア州ブリンディジ出身)は、実力派カンタウトーレ。初出場のサンレモ音楽祭1988で栄誉ある批評家賞を獲得して注目を集め、作曲家としても他の多くのアーティストに楽曲を提供することで知られる。サンレモ音楽祭では2度の批評家賞、ルネツィア賞(歌詞の文学性を評価)など栄誉ある副賞を何度も受賞している。
Bungaro

楽曲提供やプロデュースしたアーティストには、Patrizia Laquidara(パトリツィア・ラクイダーラ)、Fiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)、Ornella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)、Antonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ)、Massimo Ranieri(マッシモ・ラニエリ)、Gianni Morandi(ジァンニ・モランディ)、Chiara Civello(キァーラ・チヴェッロ)らのベテラン勢から、Malika Ayane(マリカ・アヤン)、Marco Mengoni(マルコ・メンゴーニ)、Emma(エンマ)、Giusy Ferreri(ジュズィ・フェッレ−リ)、Dear Jack(ディアー・ジャック)、Chiara(キァーラ)、Deborah Iurato(デボラ・イゥラート)、Valerio Scanu(ヴァレリオ・スカーヌ)らの若手層、さらにはYoussou N'Dour(ユッスー・ンドール)やIan Anderson(イアン・アンダーソン/Jethro Tullジェスロ・タル)といったインターナショナルな名前まで並ぶ。

ライヴアルバム『Maredentro live』(2017)は、彼自身がオリジナル歌唱した楽曲の他、他のアーティストに提供した楽曲のセルフカヴァーを中心に収録されている。会場はローマのAuditorium Parco della musica。
Bungaro - Maredentro live_2017

アルバムタイトルに掲げられた“Maredentro(意:海の中)”とは、BungaroとAntonio Fresa(アントニオ・フレーザ)が牽引するプロジェクト名であり、彼ら2人を含む6人編成のバンド名でもある。3人の弦楽隊(ヴァイオリン/ヴィオラ+チェロ+コントラバス)にパーカッショニスト、ピアノはAntonio Fresa、ギターとヴォーカルはBungaroという編成。その編成からイメージできる通り、シンプルなアコースティックサウンドをベースに優雅なストリングスが乗った情緒豊かなサウンドだ。
Bungaro - Maredentro live_membri

ピアニストのAntonio Fresaは、作曲家・編曲家としても自らのプロジェクトの他、映画音楽やTVの劇中曲などを多く手掛けており、日本では特にJoe Barbieri(ジョー・バルビエリ)のレコーディングやアレンジ面で支え続け、来日公演時に必ず同行するバンドリーダーとしてお馴染み。2017年にはFabrizio Fiore(ファブリツィオ・フィオーレ/DJ)とSouth Designers(サウス・デザイナーズ)プロジェクトを敢行し、古き良きナポレターナに新たなアレンジを施した『Napoli Files』(2017)を手掛けている。詳細:http://piccola-radio-italia.com/archives/52257908.html

【収録曲】
01 - Tra sette anni(意:7年の間に)
オープニングはAntonio Fresaが書き下ろしたインスト曲。アコースティックピアノをベースにストリングスとヴィブラフォンが重なって行き、これから始まるライヴ・サウンドの傾向を暗示してくれる。

02 - Il deserto(意:砂漠)
2009年のアルバム『Arte』の中でFiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)とのデュエットで収録されていた楽曲。

03 - Agisce(意:行動する)
Patrizia Laquidara(パトリツィア・ラクイダーラ)と共作し、Bungaroがプロデュースしたアルバム『Indirizzo portoghese(意:ポルトガルの住所)』(2001)に収録された楽曲。Patriziaは同曲でMusicultura音楽祭(意:音楽文化を意味する造語)で最優秀音楽賞を受賞し、知名度を得るきっかけとなった。Bungaroは自身のアルバム『L'attesa(意:予期)』(2004)の中でセルフカヴァー。

04 - Apri le braccia [Once in a lifetime](意:両腕を広げて[人生の中で一度])
米ポスト・パンク・バンドTalking Heads(トーキング・ヘッズ)の1980年発表曲にイタリア語詞を付けたもの。

05 - Il mare immenso(意:広大な海)
Giusy Ferreri(ジュズィ・フェッレーリ)らと共作し、彼女のサンレモ音楽祭2011出場曲となり、Lunezia賞(文学的歌詞賞)を受賞。

06 - Il prato(意:平原)
Teresa De Sio(テレーザ・デ・シオ)と共作。観客の笑い声が入るので何か笑いを誘う仕草をしている模様。映像が見たいところだ。

07 - Nottambula(意:夜遊び女)
アルバム『L'attesa(意:予期)』(2004)に収録していた楽曲。

08 - Passione(意:情熱)
1934年に書かれたナポレターナ。現地では有名なナポレターナのひとつだが、国外ではあまり知られていない隠れた名曲。

09 - Se rinasco [per pianoforte a sei mani](意:もし生まれ変わるなら [6つの手のピアノのために])
アルバム『Arte』(2009)に収録された楽曲。サブタイトルは “6つの手”、つまり3人で連弾するピアノをフィーチャリングしている。
Bungaro - Maredentro live_pianoforte a sei mani

10 - Io non ho paura
Fiorella MannoiaにCesare Chiodo(チェーザレ・キォード)らと共作して書き下ろしたシングル曲(2011)。Bungaroはアルバム『Il valore del momento(意:あの頃の値打ち)』(2012)でセルフカヴァー。

11 - A me non devi dire mai(意:僕に絶対に言うべきではない)
Chiara Civello(キァーラ・チヴェッロ)と共作し、彼女のアルバム『Al posto del mondo』(2012)に収録された楽曲。Bungaroはアルバム『Il valore del momento(意:あの頃の値打ち)』(2012)でセルフカヴァー。2人の共演映像を貼っておく。

12 - Guardastelle(意:星たちの番人)
Bungaroのサンレモ音楽祭2004出場曲で、ヴォラーレ賞(最優秀音楽賞)とLunezia賞(文学的歌詞賞)を受賞。サンレモ出場時の映像を貼っておく。

13 - Lu viddicu di lu mundu [L'ombelico del mondo(意:世界の中心)]
Jovanotti(ジョヴァノッティ)の1995年発表曲にBungaroの出身地ブリンディジ方言の歌詞を付けたヴァージョン。終盤にメンバー紹介が入り、ステージは幕を閉じる。

14 - Perfetti sconosciuti(意:完璧な見知らぬ人々)
アンコール1曲目。Fiorella Mannoia、Cesare Chiodoと共作し、Fiorella Mannoiaがアルバム『Combattente』(2016)に収録した楽曲。ちなみにこの曲を含めて同アルバムにBungaroは4曲も提供している。ラジオ番組出演時の映像を貼っておく。

15 - La donna riccia(意:縮れ毛女)
Domenico Modugno(ドメニコ・モドゥーニョ)が1954年に自作して歌った楽曲。後に元祖カンタウトーレにして、唯一のイタリア語歌唱でグラミー賞を受賞したイタリア音楽界の永遠の英雄となるModugnoの最初期の楽曲のひとつ。この曲でエンディングとは、同郷のプーリア人Bungaroならではの選曲だ。