1960年前後にデビュー後、イタリア音楽界のトップに君臨し続けるMina(ミーナ/77歳/Lombardia州Busto Arsizio生まれ、Cremona育ち)とAdriano Celentano(アドリァーノ・チェレンターノ/79歳/Milano出身)が1998年にコンビを組んでアルバム『MinaCelentano』をリリースしたところ、空前のヒットを記録。
MinaCelentano

その18年後に再びタッグを組んでアルバム『Le migliori』(2016年)をリリースすると、集計期間2ヶ月足らずでその年の年間ヒットチャートの首位に輝く快挙となった。
MinaCelentano - Le migliori

芸歴が長いだけでも凄いことなのだが、80歳近くの歌手が国内外混合のアルバムチャートで首位を獲得するのは、おそらく他国で例を見ることは無いだろう。この2人が現在もなおイタリア音楽界のトップに君臨している事を証明したのだ。

アルバムタイトルはMinaの誕生日にCelentanoが贈ったお祝い文の最後に書いた言葉。MinaとCelentanoがle migliori(最高のコンビ)だという意味だ。イタリア語では男女混合の複数形は必ず男性形に統一されるのだが、チェレンターノはミーナを立てて敢えて女性形の定冠詞"le"を付けたのだ。これをネタにして、女性グループであるかのように、2人の女装チェレンターノと2人のミーナのジャケット写真が撮影されたのだ。

また、この2人のベテランが作曲陣に選んだのは、Andrea Mingardi(アンドレア・ミンガルディ/77歳)、Toto Cutugno(トト・クトゥーニョ/74歳)、Riccardo Sinigallia(リッカルド・シニガッリア/47歳)、さらには同年のサンレモ音楽祭・新人部門で優勝したばかりだったFrancesco Gabbani(フランチェスコ・ガッバーニ/35歳)といった、新旧カンタウトーレたちなのも面白い。

Minaは1970年代中頃を最後にメディアの前に姿を晒さない生活を貫いている事情があるため、アーティスト出演のヴィデオクリップは撮影されていないが、まずは以前のスティール写真をふんだんに使った「A un passo da te [Ragione e sentimento](意:君から一歩で[道理と感情])」

Ma che ci faccio qui(意:私はそこでいったい何をする?)」は、アメリカ先住民族の若い男女をテーマにしたヴィデオクリップ。

さらには一流の映画陣を駆使した公式ヴィデオクリップが2本製作された。俳優&映画監督であり音楽通としても知られるCarlo Verdone(カルロ・ヴェルドーネ)が映像監督を務め、音楽好き女優Geppi Cucciari(ジェッピ・クッチャーリ)と共に出演した「Se mi ami davvero(意:もしあなたが本当に私を愛してるのなら)」。聴き所はCelentanoがラップをしているところ。videoclipのストーリーは、Verdone演じる男が浮気をし、Geppiが演じる女が離婚調停を起こすが。。。というもの。

Andrea Mingardiが書いた「E` l'amore(意:それが愛)」はイタリアで活躍するトルコ人映画監督Ferzan Ozpetek(フェルザン・オズペテク)がトルコの俳優たちを使ってトルコロケで撮影。

※当サイトでのMinaの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Mina

※当サイトでのAdriano Celentanoの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Adriano_Celentano


アルバム『Le migliori』から離れて、Celentanoの1972年の楽曲「Un albero di trenta piani(意:30階の樹木)」を。当時34歳。

この楽曲に新たにサビを付け、替え歌でChacco Zalone(ケッコ・ザローネ/40歳/Puglia州Bari出身)が歌ったのが「La prima repubblica(意:以前の[イタリア]共和国)」。モノマネのレパートリーが幅広いCheccoは、明らかにCelentanoの歌マネ&仕草もマネしている。

この「La prima repubblica」は、映画『Viva!公務員(Quo vado?)』(2015)の主題歌で、Checcoが主演のうえ、原案・脚本を監督と共作している意欲作で、イタリアでは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の興業収入を3日間で書き換えるほどの大ヒットを記録した。

音楽人でもあるCheccoは映画の随所にシーンにぴったりの音楽を配し、単なるBGMではなく、歌詞の内容が映画のストーリーや登場人物の心理描写、時代背景などを補足するために効果的に使われている。

特に重要なシーンで使用されるのがAl Bano & Romina Power(アル・バーノ & ロミナ・パワー)の楽曲。彼らの存在とその歩みを知ってから見ると、あのシーンでChccoが涙ぐみながらあの台詞を語る理由が判るようになる。そしてSanto California(サント・カリフォルニア)の楽曲も。

映画『Viva!公務員』は、2017年5月27日より日本で順次ロードショーが始まった。詳細は次の記事を参照のこと。
http://piccola-radio-italia.com/archives/52253161.html

※当サイトでのAl Banoの紹介記事
http://piccola-radio-italia.com/tag/Al_Bano


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2017年に達する年齢で表記。

Continua alla prossima puntata.(続く)