日本でも上映中の映画『おとなの事情(Perfetti sconosciuti)』(2016)は、イタリアで大ヒットし、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞&脚本賞のW受賞、世界中の映画祭で16冠に輝いた。

この空前の大ヒットとなった映画の主題歌は、映画の原題がそのままタイトルとなった「Perfetti sconosciuti(意:欠点のない見知らぬ人々)」。2016年ナストロ・ダルジェント賞で最優秀オリジナルソング賞にも輝いた。歌ったのはベテラン女性歌手Fiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア/63歳/ローマ出身)。フィオレッラ自身が歌詞を書き、元OROのベーシストCesare Chiodo(チェーザレ・キォード)とカンタウトーレのBungaro(ブンガロ)が作曲をしている。公式ヴィデオクリップは映画のシーンをふんだんに盛り込んで製作されている。

Fiorellaはカンタウトーレ全盛時代時代にデビューしながらも、歌い手に徹するスタンスを貫き、多くの同僚歌手たちが消えてゆく中、生き残って大歌手となった、イタリア音楽界では珍しい存在。新作発表とコンサート活動の両方を行う現役女性歌手として最高峰に位置している。近年は自ら作詞も手掛けるようになり、他者にも提供しているため、カンタウトリーチェになったと言って良いだろう。このように現在もなお成長し続けているのだ。

同曲を含むアルバム『Combattente』(2016)で、アルバムタイトル曲「Combattente(意:闘う人)」も映画作品のような公式ヴィデオクリップが製作され、"第1章"とタイトルが打たれている。冒頭1分間も無音で映像を見せるという荒技がすごい。Cheope(ケオペ/Mogolの息子)が作詞、カンタウトリーチェのFederica Abbate(フェデリカ・アッバーテ)が作曲。
Fiorella Mannoia - Combattente

「Nessuna conseguenza(意:何の結果もなく)」も同様の手法で公式ヴィデオクリップが製作された"第2章"。作詞作曲者も前曲と同じ。

Fiorellaは2017年、29年振りにサンレモ音楽祭に「Che sia benedetta(意:祝福を受けているかも)」で出場する。過去1980年代に4度出場しているFiorellaだが、今回が初めての上位入賞となる第2位に輝いた。またセルジォ・バルドッティ賞(最優秀作詞賞)とルーチョ・ダッラ賞(記者クラブ賞)の副賞も獲得。

この楽曲を書いたのはAmara(アマラ/33歳/Toscana州Prato出身)。作詞はAmaraの従兄Salvatore Mineoとの共作。僅か2年前のサンレモ音楽祭新人部門で上位入賞して知られるようになったばかりのカンタウトリーチェだ。その来歴は2005年のAmiciに出場するも決勝戦で敗退。2008-9年、サンレモ音楽祭出場の登竜門Sanremo Labでベスト8まで進出。2010年ルネツィア賞新人部門優勝。Mogol(モゴール)が設立した音楽学校CETから奨学金を得る。2014年サンレモ音楽祭出場の登竜門Area Sanremoで優勝。と、苦節10年かかって、孵化した感のある人物。今回のFiorellaへの提供曲がサンレモ第2位となったことで、作詞作曲家としての道も大きく開けて来たとも言えよう。

Amara - Pace

そのAmaraの2ndアルバム『Pace(意:平和)』のアルバムタイトル曲「Pace」はPaolo Vallesi(パオロ・ヴァッレージ)とのデュエット。サンレモ音楽祭2017でも両者がゲスト出演して披露されたが、ここでは公式ヴィデオクリップで。

※当サイトでのAmaraの紹介記事
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※当サイトでのPaolo Vallesiの紹介記事
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Fiorellaのアルバムに戻り、「Sempre e per sempre(意:いつも、そして永遠に)」を。Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)が2001年に発表した楽曲のカヴァーで、Fiorellaはサンレモ音楽祭2017第3夜のカヴァー大会で、ピアノにDanilo Rea(ダニーロ・レア)を招いて共演で披露した。

前出のサンレモ音楽祭出場曲とカヴァー大会出場曲および、他5曲の2017年ライヴテイクを追加収録した2枚組アルバム『Cambattente - Sanremo edition』に追加リリースされている。今から入手するならサンレモ・エディションがお奨め。
Fiorella Mannoia - Combattente-SRedition

※当サイトでのFiorella Mannoiaの紹介記事
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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2017年に達する年齢で表記。

Continua alla prossima puntata.(続く)