第2部

サンレモ音楽祭2016で優勝しただけでなく、Lucio Dalla賞(記者クラブ賞)などの副賞も総なめにしたベテランバンドStadio(スターディオ/1977年結成)の「Un giorno mi dirai(意:ある日君は僕に言うことだろう)」。実力を兼ね備えたツウ好みのバンドであるものの、過去4回出場のうち、3回が最下位または下位グループという散々な扱いをされたサンレモ音楽祭で、5回目の出場にしてようやく勝ち取った栄冠だった。優勝発表直後のインタヴューに答えて、"この音楽祭を愛してきたし、憎みもしてきた"と発言したリーダー&ヴォーカル&メインコンポーザーのGaetano Curreri(ガエターノ・クッレリ/64歳/Emilia-Romagna州Bertinoro出身)の思いの丈が判るシーンだった。今回の出場曲が、父から娘に贈る歌であったことも、幅広い世代の心を掴んだ原因と言えるだろう。シングルチャート最高3位と、会期後のセールスも好調を示した。

サンレモ2016の第3夜カヴァー大会では、かつての師匠Lucio Dalla(ルーチョ・ダッラ/1943-2012/69歳没/Bologna出身)の1980年の楽曲「La sera dei miracoli(意:奇跡の夜)」をカヴァーして、このカヴァー部門でも優勝を果たした。StadioはLucio Dallaのバックバンドとしてスタートした経歴を持ち、Stadioとしてデビュー後も、Dallaが最もチャートを賑わしていた1980年代のレコーディングを担当していた。つまり、カヴァーと言っても、原曲の演奏はStadioが行っていたので、セルフカヴァーに近いもの。さらにゲストとして当時のStadioのメンバーだったRicky Portera(リッキー・ポルテラ/Gt)とFabio Liberatori(ファビオ・リベラトーリ/Key)をゲストに呼んでの演奏となったのも往年のファンに対して、最高のプレゼントとなった。ゲストの2人はStadioがDallaのバックを務めなくなった頃に脱退したが、前者はVasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ)を支える名ギタリストとして、後者は映画音楽の世界で大成している。Stadioによるカヴァーは、現時点ではどのアルバムにも収録されていない。https://youtu.be/ZwDmJ0bPO0Q

サンレモ2016優勝曲を収録して発売されたStadioのアルバム『Miss nostalgia(意:郷愁お嬢さん)』(2016)もアルバムチャート3位まで登った。

Stadio - Miss Nostalgia

シングル第2弾はアルバムタイトル曲「Miss nostalgia」で、郷愁感を擬人化して歌われている。https://youtu.be/gp4PLWQiaQg

シングル第3弾は同郷の旧友Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッシ/64歳/Emilia-Romagna州Zocca出身)をフィーチャリングした「Tutti contro tutti(勢:全員対全員)」。ヴォーカルのGaetano CurreriはStadio加入前、まだ駆け出し中だった同い年のVascoに多くの楽曲を書きおろしており、Vascoのレコーディング時にも、後のStadioとなるメンバーが多く参加していたという間柄でもある。https://youtu.be/gFj5OWhKitY

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X Factor出身にしてサンレモ音楽祭2013優勝。すっかりビッグの仲間入りを果たした感のあるMarco Mengoni(マルコ・メンゴーニ/28歳/Lazio州Ronciglione出身)。4枚目のスタジオ録音アルバム『Lecosechenonho(意:俺が持っていないもの)』(2015)は、敏腕プロデューサーMichele Canova Iorfida(ミケーレ・カノーヴァ・イォルフィダ)が手掛け、チャート最高1位、年間チャートでも6位(総合8位)というヒットを記録。

Marco Mengoni - Le cose che non ho

前作『Parole in circolo(意:輪になる言葉)』(2015)発売後僅か11ヶ月後にリリースされたため、2015年に2枚のフルアルバム発表というアグレッシヴな活動を見せたMengoni。ちなみに同アルバムは"Parole in circolo 2"ともクレジットされており、事実、前作のアルバムに収録されていないかったアルバムタイトル曲が収録されている。

また2015年10月に先行公開されたシングル第1弾「Ti ho voluto bene veramente(意:本当に君が大好きだった)」から3ヶ月後に公開された「Parole in circolo」、さらに3ヶ月後にリリースされた第3弾「Solo due satelliti(意:ただ2つの衛星だけ)」と、3曲の公式ヴィデオクリップが連続したストーリー性を持った3部作となっている。つまり6ヵ月に渡ってウォッチしないと、前のヴィデオクリップの意味が判らないという、非常に凝った製作となっている。

3つのヴィデオクリップはアイスランドでロケされ、テーマはジェームズ・ボンド、つまり007。第1弾ではアイスランドの荒野で気絶から目覚め、荒野を渡って人里を見付けるところまで。第2弾では見つけた人里の宿に泊まり、目覚めるとジェームズ・ボンドばりのタキシードを着せられていることに気付く。バンケット・ルームに行くと、ボンド・ガールが登場し、ハニー・トラップに引っかかるというお約束の展開。第3弾では会場に潜んでいた悪党3人組が本性を発揮。人質となったMengoniは殺されそうになるが、ボンド・ガールに命だけは助けられるという、これまたお決まりの展開。だが気絶させられたうえでアイスランドの荒野に放り出され、再び第1弾の冒頭に戻るというまさに"in circolo(堂々巡り)"のストーリーだ。

「Ti ho voluto bene veramente」https://youtu.be/ARqpqyA49y0

「Parole in circolo」

「Solo due satelliti」https://youtu.be/v0nQhV988Es
アルバム収録11曲中、9曲をMengoni自身が書いているが、前出のシングル第3弾曲はNegramaro(ネグラマーロ)のGiuliano Sangiorgi(ジュリアーノ・サンジォルジ)が単独で書き下ろした楽曲だ。

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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2016年に達する年齢で表記。