第1部&第2部

1975年デビューで、サンレモ音楽祭で2度優勝経験を持つ唯一のグループMatia Bazar(マティア・バザール)。2015年3月に結成40周年記念CD+2DVD『DVD Live - 40th anniversary celebration』をリリース。

Matia Bazar - DVD Live - 40th anniversary celebration

Matia BazarはGenovaで結成されたバンドで、プログレ・バンドのJETを母体としてPOP路線に転向して生まれた。グループ名の"Matia"とは、初代女性ヴォーカリストだったAntonella Ruggiero(アントネッラ・ルッジェーロ/64歳/Genova)の当時の芸名で、Genova方言で"Matta(狂った女)"を意味する。

1980年代にMatia Bazarの楽曲はこぞって日本のTVCM曲に抜擢され、本国とリアルタイムに日本盤がリリースされていた。2000年になって、再び彼らの新曲「Brivido caldo(邦題:熱い衝撃)」がTV東京『美の巨人たち』のテーマ曲に採用されたため、再び日本盤も発売された。

結成当初からずっとグループに在籍続けたのは、ドラムのGiancarlo Golzi(ジァンカルロ・ゴルツィ/1952-2015/Sanremo生まれ)ただひとりで、メンバーから"Capitano(キャプテン)"と呼ばれていたが、このライヴ盤のリリースの5カ月後となる8月12日、心臓麻痺で突然この世を去ってしまった(63歳没)。本DVDは40周年記念のため、いつもはヴォーカリスト中心になりがちなカメラワークではなく、メンバーひとりひとりにカメラが向けられて映像編集されており、Giancarloの在りし日の姿や巧みなドラムワークも手に取るように堪能することができる。つまりGiancarlo追悼盤にもなり得るような映像となっているので、ぜひ入手して永久保存版にしていただきたい。

またDVDの中で、Giancarlo自身がインタヴューに答え、世界のいろんな都市を訪れたが特に心に残っている都市名を挙げ、一番最初に彼の口から出てくる都市が《トーキョー》であるところも鳥肌モノだ。DVDのライヴ映像でも気づくが、彼らが使っている楽器はドラムもキーボードもギターも全部ヤマハ製(シンバルのみイタリアが誇るハンドメイド製のUfip)。彼らの日本への愛着が映像からも充分に伝わって来るのだ。

女性ヴォーカリストは現在のSilvia Mezzanotte(シルヴィア・メッツァノッテ/49歳/Bologna出身)が3代目&5代目で、年配のキーボード奏者がPiero Cassano(ピエロ・カッサーノ/68歳/Genova出身)。彼は初代オリジナルメンバーであるが、1981年に脱退してソロに転向。後にプロデュース業に転身して、Eros Ramazzottiの初代プロデューサーを務め、ビッグスターに育て上げた功績が光る。1998年にバンドリーダーだったAldo Stellita(アルド・ステッリータ/Sicilia州Campobello di Mazara生まれGenova育ち)がまだ50歳の若さで他界(死因は癌)し、グループが存続の危機に陥ったため、グループに復帰。メインコンポーザーを務めている。もうひとりのキーボード奏者はFabio Perversi(ファビオ・ペルヴェルシ/46歳/Milano出身)も1999年の存続の危機に手を差し伸べた元セッションマンで、以降、グループのアレンジを一手に引き受ける実力者だ。ちなみにDVDにはAldo Stellitaを追悼するコーナーも設けられている。

DVDに収録されているライヴ映像はネット上にはUPされていないので、ここではFESTAで紹介した曲名のみを挙げておく。

「Per un'ora d'amore(邦題:ひとときの愛のために)」(1975)
「Gli occhi caldi di Sylvie(意:シルヴィの熱い瞳)」(2010)
「Brivido caldo(邦題:熱い衝撃/TV東京『美の巨人たち』テーマ曲)」(2000)
「Sei tu(意:君は)」(サンレモ2012出場曲)
「Conseguenza logica(意:論理的結論)」(2011)
「C'e tutto un mondo intorno(意:回りにはあらゆる世界がある)」(1979)

「Vacanze romane(邦題:ローマの休日)」(1983)

「Non abbasare gli occhi(邦題:目を伏せないで)」(2000)
「Messaggio d'amore(意:愛のメッセージ)」(サンレモ2002優勝曲)

Matia Bazarは1980年代以降、女性ヴォーカリストがリードヴォーカルを取るスタイルに一新したため、日本でも女性ヴォーカルバンドのイメージが強いが、1970年代の彼らは、Piero CassanoとCarlo Marrale(カルロ・マッラーレ/64歳/Genova出身/ギター担当/1994年脱退)という2人のカンタウトーレが交互にリードヴォーカルを取り、女性ヴォーカルはそれにスキャットで彩りを添えたり、途中からリードを取るスタイルが主であった。(中にはずっと女性がリードを取る曲も有ったが)

それを振り返るため、初代メンバーのライヴパフォーマンスも紹介した。

「Solo tu(邦題:ソロ・トゥ)」(1977)

「Stasera che sera(意:今宵は何て夕べだ/邦題:夜をとどめて)」(1975)

「Cavallo bianco(邦題:白い馬)」(1975)

※当サイトでのMatia Bazarの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Matia_Bazar


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2016年に達する年齢で表記。