第3部

サンレモ音楽祭2015で惜しくも2位となったNek(ネック/43歳/Emilia Romagna州Sassuolo出身)が自作&歌った「Fatti avanti amore(意:愛を先に進めろ)」は、スピード感と清涼感が漂うネックらしい楽曲で、最優秀アレンジ賞、ルーチョ・ダッラ賞(記者クラブ賞)も獲得し、その後のヒットチャートでは、優勝曲を凌ぐロングセラーを記録したため、真の優勝曲であったと評される作品となった。

サンレモ2015の第3夜のカヴァー大会で披露したMina(ミーナ/75歳/Lombardia州Busto Arsizio生まれCremona育ち)の「Se telefonando(意:もし電話中なら)」は、見事カヴァー部門で優勝を勝ち取った。作曲した名匠Ennio Morricone(エンニオ・モッリコーネ/モリコーネ)によると、特にサビの部分はトライアングル構造であり、歌手が自由に歌い崩すのを許さない仕組みになっているため、歌手に類稀な歌唱力を要求する楽曲とのこと。

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Nekがカヴァーしたヴァージョンは、サンレモ会期後半年以上経過した現在もなお、前出の2位の楽曲を凌ぐほど頻繁にラジオでオンエアされていることから考えると、サンレモ2015で披露された楽曲のうち、一番のヒットになった作品と言えるかも。なお、同曲はサンレモ2015のコンピレーション盤には収録されていない。

上記2曲を収録したNekのアルバム『Prima di parlare(意:話す前に)』からのシングカット第3弾となったのは「Io ricomincerei(意:僕は再び始めるかな)」

Nek - Prima di parlare

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サンレモ2015で6位となったMarco Masini(マルコ・マズィーニ/マルコ・マジーニ/51歳/Firenze出身)が自作&歌った「Che giorno e`(意:なんて日だ)」。Marco本人の弁によると、自分自身と自分の音楽の進歩が表現されており、サンレモ1990新人部門で優勝したのが南極点なら、同曲は対極の北極点に位置するとのこと。

サンレモ2015第3夜のカヴァー大会で披露したのは、Francesco Nuti(フランチェスコ・ヌーティ/60歳/Toscana州Prato出身)のサンレモ1988出場曲「Sara' per te(意:君のためになるだろう)」。Francesco Nutiは俳優&映画監督を軸足に活動するカンタウトーレで、日本公開作品では『ハスラー・ザ・ファイナル(Io, Chiara e lo Scuro)』(1982)などで知られる。

同曲の発表の翌年にMinaもカヴァーしている通り、ツウ好みの隠れた名曲と言える同曲のMasiniによるカヴァーは、カヴァー大会3位という成績を残した。数年前に病魔に倒れてシーンから遠ざかっていたFrancesco Nutiが社会復帰をかけて奮闘している状況であったことも、上位に押し上げることにつながったともいえる。

上記2曲+3曲の新曲を含むMasiniのアルバム『Cronologia(意:年代記)』(2015)は、Masini初の3枚組の集大成的公式ベスト盤で、タイトル通りほぼ新しい年代から降順で収録されているので、彼の足跡を振り返る旅路に連れて行ってくれる。アルバム未収録曲やファンクラブ限定発売曲なども収録している。

Marco Masino - Cronologia

3曲の新曲の中からシングルカットされたのは、「Non e` vero che l'amore cambia il mondo(意:愛が世界を変えるなんて本当じゃない)」。彼らしいペシミズムの視点で描かれている。

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注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2015年に達する年齢で表記。

Continua alla prossima puntata.(続く)