第118回Festaは、17名の参加者が集まり、東京・亀戸の某所にて3/7(土)に開催。参加者の内訳は男性3名 女性14名。

今回のテーマはオルタナ系vsアダルト・コンテンポラリー。


第1部

まずはオルタナ系から。

Le Luci della Centrale Elettrica(レ・ルーチ・デッラ・チェントラーレ・エレットリカ/意:発電所の光)のアルバム『Costellazioni(意:星座/きら星たち)』(2014)。

Le luci della centrale elettrica - Costellazioni

バンド名のようなアーティスト名だが、実質はカンタウトーレVasco Brondi(ヴァスコ・ブロンディ/31歳/Verona生まれFerrara育ち)の独りプロジェクトで、本作は3rdアルバム。2008年の公式デビュー盤がいきなり栄誉あるタルガ・テンコ新人賞を獲得して注目された人物で、本作も同賞のファイナリストまで残るほど、評論家受けの良いアーティストであり、チャートでも初登場2位となるセールス面でも好評な滑り出しとなった。

ブロンディ自身とオルタナ・バンドMinistri(ミニストリ)のギタリストFederico Dragogna(フェデリコ・ドラゴナ)の共同アート・プロデュース&編曲で、全体のテーマは、未来、幻想、ハッピーエンドまたはバッドエンド、もしくは終わりない物語などに満ちた作品集とのこと。

彼のアルバムジャケットは毎回、独特の雰囲気を持つイラストとなっているが、今回のアートワーク担当はGianluigi Toccafondo(ジャンルイジ・トッカフォンド/50歳/サン・マリノ生まれ)。イラストレーター&アニメーターとして著名な芸術家で、映像作品は数々の国際映画祭で受賞しており、日本で個展が行われた実績も。

演奏者の中には、Baustelle(バウステッレ)のサポートで知られるEnrico Gabrielli(エンリコ・ガブリエッリ)、Ettore Bianconi(エットレ・ビアンコーニ/Key)、Sebastiano De Gennaro(セバスティアーノ・デ・ジェンナーロ/Perc)の3人も名を連ねている。他にはサンレモ2014でDiodato(ディオダート)の出場曲の指揮者を務めたRodrigo D'Erasmo(ロドリゴ・デラズモ/Violin/Afterhoursのメンバー)の名も。

「I destini generali(意:総合的な運命)」が先行シングル。

「Questo scontro tranquillo(意:この穏やかな衝突)」。公式ヴィデオクリップで。

「Le ragazze stanno bene(意:女のコたちは元気だ)」

※当サイトでのLe Luci della Centrale Elettricaの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Le_Luci_della_Centrale_Elettrica


第1部2人目は、Nada(ナーダ/62歳/Toscana州Livorno近郊Gabbro di Rosignano Marittimo出身)のアルバム『Occupo poco spazio(意:私はあまり場所を占有しない)』(2014)から。

Nada - Occupo poco spazio

Nadaといえば、ベテラン・リスナーには、1960年代に登場した10代アイドル歌手としてのイメージが強いと思う。

しかし本作は、カンタウトリーチェとして全曲をNada単独で書き上げ、愛や孤独、人生の選択について歌った作品集であり、かつてのアイドル歌手Nadaのイメージを過度に期待せず、オルタナ音楽として聴いた方が賢明だ。

制作・演奏陣営にもインディー・シーンの第一人者の名前がズラッと並んでおり、音楽プロデュースとアレンジ、オーケストラ指揮は、前出のEnrico Gabrielli(エンリコ・ガブリエッリ/元Afterhours、現Baustelleのアート・ディレクター)が手掛けていることからも、現在のNadaがオルタナ音楽界にどっぷりと浸かっていることが想像できると思う。

アルバム・プロデュースはLuca Del Muratore(ルカ・デル・ムラトーレ)で、ナーダ自身もプロデュースに加わっている。プレ・プロデューサーには元Camaleonti(カマレオンティ)のベーシストGerri Manzoli(ジェッリー・マンゾーリ)の名前もある。

先行シングル「L'ultima festa(意:最後のフェスタ)」は、アルバムジャケットに採用された折り紙作家Francesca Lombardi(フランチェスカ・ロンバルディ)作品のマスク(アルバム内にも“Maschera origami”とクレジットされている)を全面的に採用した公式ヴィデオクリップが制作されている。

Nadaのオルタナ界での活躍は、2012年に“あの著名な”カンポヴォーロで行われたイタリアのオルタナ・アーティストたちの共演コンサート『30 anni di Ortodossia - 29 agosto 2012 REGGIO EMILIA(意:Ortodossiaの30年 - 2012年8月29日 レッジョ・エミリア)』でも確認できる。

30 anni di ortodossia

イタリアのオルタナ界のカリスマバンドCCCPが1984年にリリースしたEP「Ortodossia(意:正教)」30周年を記念し、CCCPのフロントマンだったMassimo Zamboni(マッシモ・ザンボーニ)の元にNadaをはじめ、Angela Baraldi(アンジェラ・バラルディ/かつてLucio Dallaのコーラスを務めていたカンタウトリーチェ)、Cisco(元Modena City Ramblers)らが集結し、同年春に起こったエミリア地震チャリティも兼ねたコンサートだ。

1980年代初頭の世界中の音楽シーンは、イギリス発のパンク・ロックやニュー・ウェイヴが席巻していたが、イタリアでそのシーンの中心的存在だったのが、このCCCP Fedeli alla linea(チー・チー・チー・ピー・フェデリ・アッラ・リネア/ソビエト社会主義共和国連邦のロシア語表記による略称)というバンドで、後のイタリアのオルタナ・アーティストたち、例えば前出の Le luci della centrale elettricaや、サンレモ出場歴もあるMarlene Kuntz(マルレーネ・クンツ)などに大きな影響を与えた。また、Modena City Ramblers(モデナ・シティ・ランブラーズ)、Subsonica(スブソニカ)、La Crus(ラ・クルス)、そしてGianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)までもが彼らの楽曲をカヴァーしていることからもその影響の大きさが判るだろう。

同コンサートでNadaが歌う「Miccia(意:導火線)」

※当サイトでのNadaの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Nada


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2015年に達する年齢で表記。

Continua alla prossima puntata.(続く)