第3部

イタリア最高峰クラスのカンタウトーレClaudio Baglioni(クラウディオ・バリォーニ/63歳/Roma出身)が新作アルバムとしては10年振りにリリースした『Con Voi(意:あなた達と共に)』(2013)。

Claudio Baglioni - ConVoi

何よりも革新的だったのは、アルバムの完成度に絶大な定評があったBaglioniが、"Addio agli album(アルバムに決別)"と見出しが付けられる記者会見を行い、2013年5月21日から2週間おきに新曲を発表し、iTunesストアでのみダウンロード販売するプロジェクトとして開始されたことだった。10月1日までに11曲を発表&発売し、10月22日にさらに1曲とヴォーカルなしの小曲3つを加えた15曲入りCDアルバムにまとめて販売する方式を取った。

しかしiTunesストアはレコード会社や音楽出版社との協定に縛られ、許諾国外からは購入できないシステムを取っているため、日本を含め許諾国外のファンはこのCDアルバムの発売によって、ようやく入手&聞くことが出来るようになった。

以上のような経緯のプロジェクトであったため、シングル曲とかシングルカット曲という概念がなく、いうなれば全曲がシングル曲でもある。事実、全12曲の公式ヴィデオクリップが発表されている。

全曲ともモノトーンで、基本的にBaglioniが独りマイクに向かって歌っているスタジオ録音シーンのような映像であるが、歌詞が小粋に表示されることと、その歌詞の文字色とコンデンサ・マイクの色を曲別に塗り替えるというオシャレな演出を取っている。

2月FESTAでは実質全12曲のうち、半分となる6曲を紹介した。まずはアルバムタイトル曲「Con voi」

そしてRADIO-ITALIA出演時のライヴ映像。

近年のBaglioniがたった独りで行うライヴのタイトルを曲名に据えた「Dieci dita(意:10本の指)」。

フレンチ・ホルンの音色をフィーチュアした「In un'altra vita(意:もうひとつの人生の中で)」。それにしても低音から高音まで良く声が出るものだ。

ウキウキさせる曲調の「E chi ci ammazza(意:そして僕らをうんざりさせる者)」。

RhodesのStage Pianoとフリューゲル・ホルンの音色をフィーチュアした「Va tutto bene(意:全て上手く行く)」

重厚なコーラス隊を導入したフィナーレ曲「Isole del sud(意:南の島々)」は、Baglioniが早くから救済キャンペーン&基金設立に取り組んで来たランペドゥーサ島の事を歌っている。(同島はアフリカに最も近い島で、特にアラブの春以降、アフリカ難民たちが最初に漂着するEU圏内として、イタリアだけでなくEU全体の中で大きな社会問題となっている)

2月FESTAではおまけ映像として、息子Giovanni Baglioni(ジォヴァンニ・バリォーニ/32歳)のテクニカルなギター演奏をフィーチュアした「Via(意:向こうへ)」(1981年発表)を紹介。

夢の親子共演だが、演奏後、司会を務める俳優&映画監督Giorgio Panariello(ジォルジォ・パナリエッロ)がふざけて父Claudioをそでにして、息子Giovanniをメインに扱う処が見もの。かつてGiovanniが誕生した時に父Claudioが息子に捧げた名曲「Avrai」のことを、Giovanniが「Avro`」と呼ぶジョークも聴きどころ。※原曲はavere(持つ)の2人称未来形"(おまえは)持つだろう"だが、贈られた息子の立場では一人称未来形"(僕は)持つだろう"となるわけ。

※当サイトでのClaudio Baglioniの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Claudio_Baglioni

※イタリア音楽専門誌ムジカヴィータ・イタリア第4号はClaudio Baglioni特集!完全バイオグラフィ&ディスコグラフィ、2010年来日時のインタビューなどを掲載。詳細は:
http://piccola-radio-italia.com/archives/52111949.html

musicavitaitalia4

注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2014年に達する年齢で表記しています。

Continua alla prossima puntata.(続く)