第89回Festaは、21名の参加者が集まり、東京・亀戸の某所にて10/27(土)に開催されました。参加者の内訳は男性6名 女性15名。

目前に雅ヴァージョンでライトアップされた東京スカイツリーを臨む絶好のロケーションで極上の音楽を楽しむ、至福のひと時となったかと思います。

TuttiInsieme2012-10
集合写真撮影
POP!ITALIANO
kazuma氏

 


第1部

第1部は2人のカンタウトーレを紹介しました。否、ピンで活動するカンタウトーレというよりも、作曲家・演奏家・音楽プロデューサーといった音楽仕掛け人としての活動の方がむしろ有名な2人ですので、音楽職人と言った方がイメージに近いかも。

1人目はPacifico(パチフィコ/48歳/Milano出身)。本名のLuigi De Crescenzo(ルイージ・デ・クレシェンツォ)、またはその愛称Gino De Crescenzo(ジーノ・クレシェンツォ)名義でも実にたくさんの作曲を手掛け、たくさんのアーティストに提供する活動が著名な人物で、特に21世紀になってからは大物にもたくさんの楽曲を提供しています。

Adriano Celentano(アドリァーノ・チェレンターノ)、Andrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)、Anna Oxa(アンナ・オクサ)、Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)、Fiorella Mannoia(フィオレッラ・マンノイア)、Frankie HI-NRG(フランキー・ハイ・エナジー)、Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)、Gianni Morandi(ジァンニ・モランディ)、Malika Ayane(マリカ・アヤーヌ)、Nina Zilli(ニーナ・ズィッリ)、Noemi(ノエミ)、Ornella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)、Musica Nuda(ムズィカ・ヌーダ)、Raf(ラフ)、 Samuele Bersani(サムエレ・ベルサーニ)、Simona Bencini(スィモーナ・ベンチーニ)、Zucchero(ズッケロ)といった錚々たる顔ぶれに楽曲を提供。

近年のヒット作例は、Gianna Nannini(ジァンナ・ナンニーニ)と共作した"Ogni tanto(意:時折)"(2011)

Malika Ayane(マリカ・アヤーヌ)と共作した"Ricomincio da qui(意:ここから再開するわ)"は、サンレモ音楽祭2010で栄誉あるMia Martini賞(批評家賞)を勝ち取っています。

そんな売れっ子ソングライターとしての顔を持つPacificoが3年ぶりのアルバム「Una voce non basta(意:一つの声は充分ではない)」(2012)をリリース。全14曲が全て他のアーティストとの共演・デュエット作品に仕上げられています。有名どころでは、Casino Royale(カズィノ・ロイァーレ)、Malika Ayane(マリカ・アヤーヌ)、Musica Nuda(ムズィカ・ヌーダ)、Baustelle(バウステッレ)、Samuele Bersani(サムエレ・ベルサーニ)、Frankie Hi-Nrg(フランキー・ハイ・エナジー)、Cristina Dona(クリスティーナ・ドナ)、Afterhours(アフターアワーズ)らといった面々。

Pacifico_Una-Voce-Non-Basta

Festaではうち3曲をピックアップ。1曲目はMalika Ayane(マリカ・アヤーヌ)とのデュエットで"L'unica cosa che resta(意:残った唯一の物事)"

※当サイトでのMalika Ayaneの紹介記事はコチラ
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2曲目はN.A.N.O.ことEmanuele Lapiana(エマヌエレ・ラピァーナ)との共演で"A nessuno(誰でもない人へ)"。イタリア社会で増加するホームレス問題に社会派的な視点を向けて書かれた作品。

3曲目は、ファンクバンドCasino Royale(カズィノ・ロイァーレ)のAlioscia(アリオシャ)とPatrick(パトリック)をフィーチャーした"Ogni giorno(毎日)"。"Mantra recitato(唱えられたマントラ/真言)"という宗教めいた副題が付けられています。

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第1部2人目のカンタウトーレ/音楽職人は、Maurizio Fabrizio(マウリツィオ・ファブリツィオ/59歳/Milano出身)。

11歳から音楽の勉強を始め、Giuseppe Verdi(ジゥゼッペ・ヴェルディ)音楽院で、ピアノ、作曲、パーカッション、ファゴット、コントラバスを習い、ドラムとギターに情熱を注ぐようになったという経歴を持っています。

やがて1970年前後に兄弟デュオMaurizio & Fabrizio(マウリツィオ・エ・ファブリツィオ)としてデビューし、サンレモ音楽祭などに出場を果たしたものの、次第に他のアーティストに楽曲を提供し、プロデュースする側にシフトした活動に移っていきます。

Mia Martini(ミア・マルティーニ)、Patty Pravo(パッティ・プラヴォ)、Mina(ミーナ)、Marcella Bella(マルチェッラ・ベッラ)、Ornella Vanoni(オルネッラ・ヴァノーニ)、Mietta(ミエッタ)、Al Bano(アル・バーノ)、Riccardo Fogli(リッカルド・フォッリ)、Eros Ramazzotti(エロス・ラマッツォッティ)、Antonello Venditti(アントネッロ・ヴェンディッティ)、Renato Zero(レナート・ゼロ)といった錚々たる顔ぶれに楽曲を提供しています。

統計上、サンレモ音楽祭に楽曲を提供した曲数ランキングの第5位で33曲を送りだしています。うち、2曲が優勝、3曲が3位を獲得しており、映画音楽の世界でも活躍しています。

また特に1970年代後半、Angelo Branduardi(アンジェロ・ブランドゥアルディ)の売り出しに成功したプロデューサーとしての活動が有名で、当時のBranduardiのライヴ映像には、傍らでギターを奏でるMaurizio Fabrizioの雄姿を見かけることは難しくありませんでした。

そんなまさに音楽職人のMaurizio Fabrizioが1980年以来、実に31年ぶりとなるソロアルバム「Bella la vita(意:美しき人生)」(2011)を、女優 Katia Astarita(カティア・アストラリタ)との共同名義で突如リリースしました。

MaurizioFabrizio-BellaLaVita

そのアルバムには、1970年代のAngelo Branduardiプロジェクト時代からの付き合いであるベーシストGigi Cappellotto(ジジ・カッペッロット)を呼び入れています。GigiはMilva(ミルヴァ)の来日公演でもベーシストとして参加していました。またドラムにはLele Melotti(レレ・メロッティ)とAlberto Serafini(アルベルト・セラフィニ)といった鉄壁の面々を揃えています。

まずはアルバムタイトル曲"Bella la vita(意:美しき人生)"。ここではMaurizio Fabrizioソロのライヴ映像で。

このアルバムには、Maurizio Fabrizioが書いた楽曲で、イタリアPOPS史上に燦然と輝き続けている名曲のセルフカバー版も収められていることが一番の話題でしょう。

はい。Renato Zero(レナート・ゼロ)に歌われた"I migliori anni della nostra vita(意:僕らの人生の最良の年月)"です。

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ここではMaurizio Fabrizioソロのライヴ映像を。動画の途中に登場するのは、俳優Ginluca Ferrato(ジァンルカ・フェッラート)、最後の方に登場する眼鏡をかけた男性は、なんとGiacarlo Lucariello(ジァンカルロ・ルカリエッロ)。1970年代前半にメジャー移籍後のPoohを大成功に導いた敏腕プロデューサーです。

そして"Almeno tu nell'universo(意:宇宙の中で少なくともあなただけは)"。サンレモ音楽祭1989でMia Martiniに歌われ、批評家賞を獲得した楽曲で、Mia Martiniの逝去後、このサンレモ音楽祭の批評家賞に『Mia Martini賞』という名称が与えられるきっかけとなった、イタリアPOPS史上の名曲中の名曲と言っても過言ではないでしょう。

そしてこの楽曲は、こうして1989年にMia Martiniの歌唱で世の中に出されたものの、実はMaurizio FabrizioがBruno Lauzi(ブルーノ・ラウツィ)と共に同曲を書き上げたのは1972年。実に17年もの間、引き出しの中にしまわれて熟成されていたという、曰く付きの楽曲。

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そしてMaurizio Fabrizioのセルフカヴァー。今回のアルバム収録と同じKatia Astaritaとの共演ヴァージョンで。

おまけ映像として、Maurizio Fabrizioがイベントで披露したライヴ映像を。こちらは、なんとPoohのRoby Facchinetti(ロビー・ファッキネッティ)とのデュエット。

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さらにおまけ映像として、Maurizio Fabrizioが書いたサンレモ音楽祭優勝曲のひとつ"Storie di tutti i giorni(意:毎日の物語/邦題:過ぎ行く日々の物語)"。サンレモ音楽祭1982でRiccardo Fogli(リッカルド・フォッリ/ex.Pooh)が歌い、Riccardo自身もソロ歌手として初めて栄冠を勝ち取った瞬間となりました。またPoohのプロデュースから離れたGiancarlo Lucarielloがプロデュースしていました。

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そしてMaurizio Fabrizioがイベントで披露したライヴ映像。Giancarlo Lucarielloのナレーションに導かれて始まり、エンディングにはRoby Facchinettiが。


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2012年に達する年齢で表記しています。

Continua alla prossima puntata.(続く)