2012年7月7日(土)、東京・浜離宮朝日ホールで開催された『第20回 太陽カンツォーネ・コンコルソ本選会』を見に行って参りました。

主催:日本カンツォーネ友の会
協賛:荒井基裕カンツォーネ研究会
後援:キングレコード、芸術現代社、Araiぴあっつぁ

1993年から毎年1回、20年間継続している日本全国対象のコンクールなのですが、インターネットに一切情報が露出されず、主にクチコミとチラシ配布のみでしか情報が出回りませんので、筆者は以前からそのコンクールの存在は知っていたものの、実際に鑑賞するのは今回が初めての機会となりました。

ポピュラー部門とクラシック部門(ナポレターナ)に分かれ、それぞれの部門内で上位入賞を競い合うもので、今回はどちらの部門もピアノ伴奏と独唱というスタイルとなりましたが、かつてのポピュラー部門はバンド演奏のバックだったり、歌い手が複数だったり、外国人の参加などもあったそうです。

日本人がイタリアPOPSを『カンツォーネ』と呼んで親しんでいた1960年代の楽曲が大半じゃないかな?という先入観を筆者は抱いておりましたが、ポピュラー部門の参加曲のラインナップを見てビックリ!実際は1960年代の楽曲はさほど多くなく、しかもちょっとツウ好みの選曲がなされているではありませんか!(Luigi TencoやSergio Endrigoなど) そして全14曲のうち、過半数が1980年代以降の楽曲で占められているではありませんか!

 1) Napoli, fortuna mia (1964) / Renato Rascel
 2) Stella (1984) / Antonello Venditti
 3) La solitudine (1993) / Laura Pausini
 4) Testarda io (1974) / Iva Zanicchi
 5) Vedrai vedrai (1965) / Luigi Tenco
 6) Ci vorrebbe il mare (1990) / Marco Masini
 7) Tu vuò fà l'americano (1956) / Renato Carosone
 8) Con te partirò (1996) / Andrea Bocelli
 9) La notte dell'addio (1966) / Iva Zanicchi
10) Amore e musica (2005) / Russell Watson
11) Amico (1980) / Renato Zero
12) Brivido caldo (2000) / Matia Bazar
13) Io che amo solo te (1962) / Sergio Endrigo
14) Vivere per amare (2002) / Lola Ponce (dal musical "Notre-Dame de Paris")

常連のkazuma(POP!ITALIANO)さんによると、今回のような1980年代以降の楽曲が過半数を占めるのは、同コンクールで初めてかもしれない、とのことです。

そしてポピュラー部門の結果発表では、

優勝:豊仲明子さん Amico (1980) / Renato Zero
2位:安田真紀子さん Brivido caldo (2000) / Matia Bazar
3位:杉直人さん Ci vorrebbe il mare (1990) / Marco Masini
河合秀朋賞:櫛引瑞香さん La solitudine (1993) / Laura Pausini
特別賞:平沼旬杏さん La notte dell'addio (1966) / Iva Zanicchi
特別賞:莇俊江さん Io che amo solo te (1962) / Sergio Endrigo

と、1980年代以降の楽曲がこぞって上位入賞を果たしたのが圧巻でした。1960年代のカンツォーネ黄金時代をリアルタイムに過ごしたものの、1970年代中頃から新しいイタリアPOPSが日本で紹介されなくなった体験を持つほとんどの観客の方には、聴いたこともない楽曲ばかりだったかもしれません。

Taiyo Canzone Concorso 2012

しかしイタリア本国の視点で考えると、今回のような参加曲のラインナップと結果となるのが自然だと思います。ポピュラー音楽というものは本来、常に新たな時代を迎え入れていく宿命を背負っている音楽ですので、今回のようなラインナップとなるのが健全な状態だといえるのではないでしょうか。

ある審査員の先生の講評によると、『出場者の皆さんの歌手としての技量は高水準にあり、各人の差は本当に僅かなモノに過ぎない』ということでしたので、1980年代以降の楽曲を選んだ方々が上位入賞されたのは、その選曲センスに"僅かな差"の勝因が働いたのかもしれませんね。

また観客の方々には、演目プログラムと一緒にジリオラ・チンクェッティ「シングル・コレクション」のチラシを配布していただくことができました。

なお、クラシック部門の上位入賞者は2012年8月25日開催の『夏の祭典 No.18ナポリターナ共演(於:浜離宮朝日ホール)』に、ポピュラー部門の上位入賞者は2012年9月22日開催の『第62回カンツォーネ大集合(於:ヤクルトホール)』に出演されるとのことです。