第2部

サンレモ音楽祭2012のSanremo Social(新人部門)で準優勝し、栄誉あるMia Martini賞(批評家賞)やゴールデンシェア賞をも獲得したErica Mou(エリカ・ムゥ/23歳/Puglia州Bisceglie出身)。

※第62回サンレモ音楽祭2012結果についてはこちら
http://piccola-radio-italia.com/archives/51997210.html

筆者に取っては、この年のサンレモ音楽祭で一番の収穫となったのは、このまだうら若き才媛に巡り合えたこと。(奇しくも筆者と誕生日も同じw)

作詞も作曲も独りでこなすカンタウトリーチェで、"Nella vasca da bagno del tempo(時のバスタブの中で)"というタイトルの、可愛らしくも不思議な世界観の楽曲をアコーステックギターを抱えて披露してくれました。

そしてサンレモ音楽祭終了後に作られた公式ビデオクリップがこちら。

足がふやけるまで 時のバスタブの中に浸かっているわ

というセリフから始まり、

私は急がずに老いていきたいわ あなたと一緒に

と結ばれています。

このサンレモ出場曲を収録したアルバムが「è」ですが、これは2011年3月8日にリリースしていたアルバムのサンレモ・エディションとなります。同アルバムはErica Mouの2ndアルバムになりますが、メジャーレーベルSugar Music(Warner系列)移籍後の最初のアルバムでもあります。

Sugar Musicですから、もちろんディレクションはCaterina Caselli(カテリーナ・カセッリ)とFilippo Sugar(フィリッポ・シュガール)。彼らが育て上げたAndrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)、Elisa(エリーザ)、Negramaro(ネグラマーロ)らのスーパースターに続く可能性がErica Mouの前に開かれた事を意味しています。

EricaMou-E`

Erica Mouの2ndアルバム「è」には、映画やイベントのサウンドトラックに採用された楽曲が2曲収録されています。

"Oltre(もっと先へ)"は、デビューアルバム「Bacio ancora le ferite(傷口にもう一度口づけするわ)」(2009)にも収録されていた楽曲で、イタリア映画「I baci mai dati(邦題:キスを叶えて)」(2010年作品)のフィナーレ辺りのシーンに採用されています。同映画は日本でも、イタリア映画祭2011で上映されています。

このTV番組出演時の映像は、サンレモ音楽祭出場時と同様のパフォーマンスでありますが、筆者が度肝を抜かれたパフォーマンスは、Romaの有名なライヴスポットThe Placeでの独りステージ。

ライブでリアルタイムにサウンドをサンプリングしながら多重録音を駆使した独りステージをこなすErica Mou。単なる歌手に留まらず、サウンドクリエーターの才能をプンプンと漂わせる、タダものではないことを感じさせるパフォーマンスだったのです。

それに1stアルバム発売以前から同様のステージを行っているようですので、驚くべきことに20歳ぐらいの時には既にこうした異彩のパフォーマンスを放っていた事になります。

アルバム「è」は、全13曲中12曲がErica Mou独りで書き上げた楽曲が収録されていますが、唯一のオリジナルでない楽曲がボーナストラック扱いで収録されております。それがもうひとつのサントラ採用作品となる"Don't stop"。Fleetwood Mac(フリートウッド・マック)のカヴァーで、映像アーティストのフェスティヴァル『Campagna Istituzionale Eni 2011』のテーマソングとして採用されました。

世界的なサンド・アーティストであるイラーナ・ヤハブ(イスラエル)のパフォーマンスにスポットを当てたプロモ映像がこちら。

さてここからは、Erica Mouのサウンドクリエーター的なステージ映像で、彼女の世界観をたっぷりとお伝えする事に。

"Torno a casa(私は家に帰る)"は、ピアニストを加えた2人ステージですが、2人ならではの面白いサウンドクリエーションを披露しています。Erica Mouの故郷にほど近いBari(バーリ)のTeatro Forma(様式劇場)でのパフォーマンス。

再びRomaのThe Placeのステージ映像に戻り、アルバムタイトル曲"è(・・・である/訳注:英語のBE動詞にあたる三人称単数形)"。独りでの多重コーラスの妙を見せてくれています。

カンタウトーレ作品の芸術性を評価するClub Tenco監修のもと、2010年にリリースされたコンピレーションアルバム「La leva cantautorale degli anni zero」に収録される栄誉を得た楽曲が"La neve sul mare(海上の雪)"。

同アルバムから最初のシングル曲に抜擢されて公式ビデオクリップも作成されていた楽曲が"Giungla(ジャングル)"

こうして、今後の活動が一層楽しみな若手カンタウトリーチェがまた一人、ここに誕生しています。

※当サイトでのErica Mouの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Erica_Mou


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2012年に達する年齢で表記しています。

Continua alla prossima puntata.(続く)