その2はコチラ
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第3部

2012年4月27日〜29日の3日間に渡り、5バンドがステージを楽しませてくれるという怒涛の企画『イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 春の陣2012』@川崎クラブチッタ。

その全3日間のステージに立つのが、イタリアRockバンドの最高峰のPooh(プー)。
※詳しくは前回のFESTAレポートをご参照ください。

イタリアン・プログレッシヴ・ロック・フェスティヴァル 春の陣2012

イタリア本国のライヴでは、観客と呼応して歌いあげるステージがお馴染みになっていますので、ぜひ今から予習をして、一人でも多くの来場者がPoohと一緒に歌うことができるようにと、当FESTAでも予習コーナーを設ける事にしました。

2月FESTAでピックアップした楽曲は、"Nascerò con te(私はあなたと一緒に生まれる/邦題:初めての恋人)"。

この楽曲が収められたアルバムは1972年リリースの「Alessandra(アレッサンドラ/邦題:ミラノの映像)」。原題のAlessandraとは、PoohのリーダーRoby Facchinetti(ロビー・ファッキネッティ/Key./68歳/Bergamo出身/1966年加入)の第一子の名前で、ちょうどアルバムリリースの時に誕生した娘に捧げられたアルバムだったのです。

事実、娘のAlessandra Facchinetti(アレッサンドラ・ファッキネッティ/現40歳)は、1972年生まれで、ファッションデザイナーの道に進み、Gucciのクリエイティヴ・ディレクターに抜擢され、その後Valentinoでも活躍、2011年にはPINKOとのコラボを手掛けるなど、一流のファッションデザイナー/スタイリストとして大成し、世界的にはむしろ父親より有名な人物となっています。

alessandra-facchinetti

従って、今回取り上げる"Nascerò con te(私はあなたと一緒に生まれる)は、その邦題 “初めての恋人”が暗示する男女間の愛の物語ではなく、Alessandraの誕生シーンを描いた詞であると想定できます。
※イタリア人は、恋人に対してだけでなく、自分の子どもに対しても『Amore(アモーレ)』と呼びかけます。

Poohのコンサートでは、現在もなお必ず歌われる楽曲のひとつで、サビの部分は観客の大合唱になるのが通例となっていますので、今回のFESTAでは、この部分を覚えて貰うことにしました。

La prima volta l'amore (ラー・プリマ・ヴォールター・ラモーレ)
初めて 愛しの我が子が
proprio qui in casa mia (プロプリォ・クイー・イン・カーサ・ミァー)
ここ僕の家に
senza quasi conoscerti (センツァ・クァーズィ・コーノシェルティー)
まだ君のことを良く知らないけど
poi domandarti: "chi sei?" (ポーイ・ドマンダールティ・キ・セイ)
だから訊いてみるよ “君はだぁ〜れ?”
"non lo so nascerò (ノン・ロ・ソー・ナーシェロー)
“判らないわ もうすぐ
fra un minuto con te!" (フラ・ミヌートー・コン・テー)
あなたと一緒に生まれるの!"

とてもメロディアスで覚えやすいかとは思うのですが、ネックとなるのは、その高音域ゆえに、後半は声が出なくなりがち。というか、男性はまず出ない音域ですし、女性でもかなり厳しいはず。ここは無理せずオクターブ落として歌うのが自然に歌えるコツです。

また歌い出しの部分の最初のブレスの後のフレーズ

Stanotte sei tu! (今夜は君がいる!)

の部分は、

Stanotte coi Pooh! (今夜はPoohと共に!)

とライヴでは必ず歌い替えられるのが定番です。

最近はさらに公演地の名前も入れ込むパフォーマンスも多いので、今回の来日公演では、

Stanotte a Tokyo coi Pooh! (今夜は東京でPoohと共に!)

と歌われることも期待できます!


さて、Poohの来日予習コーナーの後はRenato Zero(レナート・ゼロ/62歳/Roma出身)が2011年11月29日にリリースしたアルバム「Puro spirito(純粋な精神)」(2011)を。

Puro-Spirito-Renato-Zero

同アルバムはRenato Zeroが過去に発表した楽曲のコンピレーションなのですが、ベスト盤ではなく、シングルのB面だったり、あまり有名でない楽曲などを集めたツウ好みの選曲となっています。さらに2曲の未発表曲(=新曲)と、これまでアルバム未収録だった幻の楽曲なども収められたファン必携の作品と言えるでしょう。

2曲の新曲のうちの1曲"Sorridere sempre!(いつも微笑みを!)"は、アルバム発売に先駆けて2011年11月18日に日刊紙Corroere della SeraのWebサイトで公式videoclipで発表され、その美しい楽曲に秘めたRenato Zeroからの暖かいメッセージと、彼が愛してやまないRomaのあちこちをロケ地にした秀逸なvideoclipが大きな話題となりました。

Romaの地下鉄Spagna駅の通路で収録された際、偶然そこに居合わせた野次馬の中にいた日本人らしき東洋人に、Renato Zero自身が、JAPAN! JAPAN!と叫びながら

「フラッシュ焚かないで!僕は今働いてるんだよ。ごめんね。協力ありがとう」

と注意しているシーンが写り込んだメイキングヴィデオもあります。

さて、同アルバムに収録された過去の楽曲の中からピックアップした楽曲は"Danza macabra(死の舞踊)"(1987年発表)。わざと英語ナマリのイタリア語で吹き込まれています。

続いて"Galeotto fu il canotto(ガレー船奴隷は小舟だった) "は、1981年にシングル盤としてリリースされたのみで、今までアルバム未収録のままだった幻の楽曲。しかしながら、演奏の合間にうがいの音を積極的に取り込むなど、かなりアグレッシヴさが香る楽しい楽曲。

そして、メドレー曲"Triangolo(三角関係) - Mi vendo(僕は自分を売る)"は、原曲を格調高くアレンジし直してメドレーに仕立てており、このヴァージョンは今まで未発表だったもの。

今回のアルバムはレアな音源集だけあって、適合する映像作品がほとんどありませんでしたので、FESTA会場では若かりし頃のRenato Zeroの映像を重ねて紹介しました。現在は立派な紳士風情のRenato Zeroがかつてぶっ飛んだルックスでパフォーマンスをしていたというギャップに啞然とされた参加者もいらっしゃったようです(笑)

※当サイトでのRenato Zeroの紹介記事はコチラ
http://piccola-radio-italia.com/tag/Renato_Zero


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2012年に達する年齢で表記しています。

Continua alla prossima puntata.(続く)