その2はコチラ


さて、7月FESTAの前半は、新人歌手を中心に紹介しましたので、第3部からはベテラン勢コーナーの始まりです。

そして、いきなり大御所のGianni Morandi(ジァンニ・モランディ/65歳/Bologna近郊出身)から始めることになりました。

1960年代には日本でも知名度が高く、多くの女性ファンを熱狂させていましたが、イタリア本国では、1962年のデビュー以来、イタリア芸能界のトップスターとして輝き続ける現在進行形の超ビッグスター。

Gianni Morandi/Ancora…Grazie a tutti2007年10月にデビュー45周年を記念してリリースされた3枚組ベスト盤「Grazie a tutti(ありがとう、みんな)」(2007)は大ヒットを記録し、Morandiも『Grazie a tuttiツアー』を始めるなど、一世を風靡しました。(2008年5月FESTAを参照)

その11ヶ月後の2008年9月にリリースされたのは、その第2弾「Ancora…Grazie a tutti(再び・・・ありがとう、みんな)」。第1弾&第2弾をBoxケースに収めた限定版には、限定ポスターを封入していました。

2007年の第1弾に納められた新曲"Stringimi le mani(僕の両手を握ってくれ)"が、Miss Italia選考会のステージで披露された事を踏襲して、2008年の第2弾に納められた新曲"Un altro mondo(別世界)"もMiss Italia 2008の選考会場で初めて披露されました。Morandi自身とカンタウトーレのTricarico(トリカリコ)の共作となる情緒豊かな楽曲です。

2曲目は、1967年のスマッシュヒット曲"Un mondo d'amore(愛の世界)"(1967)。名作曲家Franco Migliacci(フランコ・ミリアッチ)のペンによる、アンダンテのリズムが心地良い楽曲。

3曲目は1976年に大ヒットし、当時のヒットチャートの1位を記録した"Sei forte papà(パパって強いね)"(1976)。子供たちとMorandiが掛け合いで歌う楽しい楽曲。

歌詞の内容は、キャンプに行く度に雨が降り出してしまう親子の対話で、野山に雨が降ると、傘も帽子も持っていない動物たちは濡れて、風邪をひいちゃうよ、と子供たちがパパに救いを求めています。

フクロウ、野ウサギ、カナリア、ヤマネ、ネズミ、コオロギなどを自分たちのキャンピングカーに入れてあげようと、子供たちはパパにリクエスト。パパはひとつひとつに快諾の返事。

こうして僕らのキャンピングカーは、まるでノアの箱舟みたいになるね。というオチが微笑ましい楽曲です。


Gatto Panceri/S.O.S.2人目のベテランは、6月FESTAで2曲紹介したGatto Panceri(ガット・パンチェーリ/47歳/Monza出身)のアルバム「S.O.S.」から追加紹介。

アルバムラストに納められた"Madre mia(僕の母)"という美しい楽曲が、Gatto自身が出生の秘密を告白している、とても重要な自伝だと気がついたからです。

2005年5月にこのサイトに『Gattoの父は有名な画家だった!』というタイトルの記事を書いていますが、実はAntonio Panceri(アントニオ・パンチェーリ)画伯は、Gattoの養父であり、実の父ではないそうです。

母親はイタリア語で言うところの『Ragazza madre』、つまり未成年&未婚のシングルマザーで、この母子を迎え入れてくれたのが、Antonio Panceri画伯という事実が、やっと知ることができました。

またGattoがよく、『青少年に勇気と希望を与える講演会』といった趣のイベントに講師として招かれているのにも、私生活が実に倹約家なのにも、全てこの出生とそれに立ち向かって生きてきた賜物なのだと実感。

アルバム「S.O.S.」の奥付には、アルバム制作に当たって直接お世話になった人々の名前を挙げて感謝の意を表していますが、最後の方に、

Naturalmente un affettuoso grazie a mia Madre e a mio Padre adottivo Antonio
(もちろん 愛を込めた感謝の意を 母と 養父のアントニオに)

とさり気なくクレジットしています。そういえば、以前のアルバムには、『grazie alla mia famiglia(家族に感謝を)』といった抽象的な書き方していなかったことにも気付かされました。

楽曲"Madre mia"は、サウンド面でもはオーボエの音色がところどころ小気味良く聴こえる、シンフォニック感の漂う傑作です。

そしてGattoの本名はLuigi Giovanni Maria Panceriと、マリア様の洗礼名が入っていることについても、この歌詞の中で触れています。

僕の命は どんなに価値があるか知っていた
あなたにどんなに高くついたか知っていた
僕は命を大切にするよ だって
あなたが僕に求めた全てのものだから

僕は父が恋しくなかった
誰だか判らなかったし
子供は 育てた人のもの
そして僕は大きく強く育った
まさに僕は
神に感謝するよ
僕を屈服させる何も存在しないことを

僕の命は なんと神秘的なのだろう
宿命 偶発的
あなた 僕の母 そして
僕にマリア様の洗礼名を与えてくれた人に 
感謝するよ

1960年の未成年のシングルマザーとは
大きな汚点だった
あなたは その汚れを再び洗う
でも あなたは誇りを持つべきだ
あなたが僕に望んだように
僕にとってあなたは 純水の泉

僕の命は ケアレス・ミスなんかじゃない
あなたは もう言わなくていい
あなた 僕の母 そして
僕にマリア様の洗礼名を与えてくれた人に 
感謝するよ
あなた 僕の母に感謝するよ
僕は永遠に
あなたを愛するよ


Eros Ramazzotti/Ali e radici第3部のトリは、今やその人気はイタリアを超え、ヨーロッパとラテン世界の大スターとなったEros Ramazzotti(エロス・ラマッツォッティ/46歳/Roma出身)の4年ぶりのオリジナルアルバム「Ali e radici(翼と根っこ)」(2009)を紹介。

5月22日の発売前の予約数で既にトリプル・プラティナ・ディスクに達するという、相変わらず絶大なセールス力と人気を見せつけてくれました。もちろん、発売後は6週間にわたってアルバムチャートの1位を独占。

またイタリア外では、確認できるだけでも25ヶ国のヒットチャートにランクインを果たし、15ヶ国以上の国でベスト10入りを果たしています。

アルバムを通して聴いてみると、変に肩の力が入っていない、実にリラックスしたような、等身大で自然なErosの姿が感じられ、前作よりも遥かに若々しくなったようなフレッシュなサウンドでまとめられています。

アルバム発売に1ヶ月先駆けて先行発表されたシングル曲は"Parla con me(僕と話せ)"


2曲目は、アルバムタイトル曲"Ali e radici(翼と根っこ)"を選曲。世界的に成功を収め、40歳代後半に突入したErosですが、その歌詞には、決して安住を求めず、さらに前進しようとするErosの決意が込められています。

翼と根っこ
飛翔と定住
ハヤブサとカシの木
翼と根っこ
僕の魂は半分に分かれている

判るかい いつかそのうち
僕が旅立つことが 判るかい
それが何時なのかは訊かないで
僕にも判らないから
僕の前に道がある限り
自由の感覚が僕に与えられる間は
僕は立ち止まらない
いつも僕は 少しでもより遠くへと前進する

 


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く)