その2はコチラ


 

第3部

第3部はベテランのカンタウトーレ3名をピックアップ。

最初はPaolo Conte(パオロ・コンテ/72歳/Asti出身)から。
(来歴については、2007年5月FESTAを参照ください。)

Paolo Conte/Psicheイタリアの国民的唱歌とも言える"Azzuro(アッズーロ/紺碧)"の作者である、この偉大なカンタウトーレのの新作アルバム「Psiche(プシケ)」(2008)は、前作の「Elegia(哀歌)」(2004)から4年ぶりのオリジナルアルバム。

アルバム全体的にデカダンスの香りがたっぷり染み込ませたような、渋いJAZZテイストの作品集。

多才なPaolo Conteは、作詞&作曲、ピアノ演奏だけにとどまらず、リーフレットの挿絵やデザインも担当しています。

アルバムタイトル曲であり、アルバム1曲目に収録された"Psiche"は、ゆったりとした、テンポを引きずるような重たい作品。ブラシワークのドラムと重低音でリズムを引きずるウッドベース。その上にConteが弾くピアノの軽やかなフレーズが弾けていますが、Conte自身のヴォーカルは気だるい気持ちを引きずるような重たいもの。

『Psiche』とは、サイコ、サイケ、精神などを意味しますが、ローマ神話に登場する、愛の神エロスの寵愛を受ける娘プシュケのことでもあります。

FESTAでの2曲目は、"Intimità(本心)"。こちらも"Psiche"同様、重たく引きずるような楽曲です。

動画は埋め込み禁止になっていますので、こちらのリンク先でご覧下さい。


第3部の2人目のベテランカンタウトーレは、我らがGatto Panceri(ガット・パンチェーリ/47歳/Monza出身)。

そう、このイタリアPOPSフェスタの発祥の元となったGatto Panceriの奇跡の来日からもう丸4年以上が経過したんですねぇ。
(Gatto Panceri来日時の記事はこのあたりを参照ください。)

Gatto Panceri/S.O.S.前作「Passaporto(パスポート)」(2006)から3年ぶりのオリジナルアルバムのタイトルは「S.O.S.」(2009)。

FESTAで最初に紹介した楽曲は"Nomi sui miei dischi(僕が所有するディスク上の名前)"。Gattoの自宅の音楽ライブラリにあるアーティストの名前をたくさん歌詞に盛り込んだ、興味深い作品となっています。

Policeに居た頃のSting、Prince、Queens、Beatles、Steely Dan、Bob Marleyなどの、英米ミュージシャンの名前を挙げた後、僕にとってイタリアで最高なのはLucio Battisti(ルチォ・バッティスティ)だと言っています。

さらにイタリアのアーティストからは、Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッスィ)、Ligabue(リガブエ)、Tiziano Ferro(ティツィアーノ・フェッロ)、Fabrizio De André(ファブリツィオ・デ・アンドレ)など。特にBattistiは3回ほど登場します。面白いのは、

Elisa(エリーザ)が英語で歌っているのを聴くと、とてもMonfalcone出身だと思えない

なんてフレーズが出てくるところ。
Elisaは英語ネイティブの歌手たちと全く引けを取っていない、という賛辞だと思います。

FESTA2曲目は、アルバムタイトル曲"S.O.S."をTV出演時の映像で紹介しました。映像の前半はインタビュー。

Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッスィ)が選んだ 『イタリアを代表する美しいラブソング10曲』 の中に、Gatto Panceriが書いた"Mia"が入っていた、ということが、司会者によって語られ、Gatto自身が、Mina(ミーナ)やAndrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)、Giorgia(ジォルジァ)、Paolo Meneguzzi(パオロ・メネグッツィ)などに書いたヒット曲について語っています。

Gattoは作詞作曲家としても、すっかり業界が信頼を寄せるマエストロ格となっていることが実感できるかと思います。

まずは自身の1997年のヒット曲"Mia(僕のもの)"を歌ってから、新作"S.O.S."を披露してくれます。("Mia"は2分15秒あたりから、"S.O.S."は6分あたりから)

僕のように生きている人がいたら
限界だと感じているなら
辛抱だらけの人生を生きているなら
群衆の中で両手を挙げてくれ
僕には君が必要なんだと もう一度気づいてもらうよ

他に方法はない
壁の向こうの誰かに向かって
僕はSOSを叫んでいる
多すぎる人々は 最早SOSの暗号を解読することができない

といった、現在の重たい世界情勢に苦しむ人々を描写するような、あるいは身近な人が放つSOSのサインに気付きにくい現代社会に警鐘を鳴らすような力強いメッセージソング。これは現代のプロテストソングとも言える作品です。

 


 

Renato Zero/Presenteさて、FESTA第3部のトリは、Renato Zero(レナート・ゼロ/59歳/Roma出身)の新作アルバム「presente(現在)」(2009)から。

前作のオリジナルアルバム「Il dono(天賦の才)」(2005)から4年。満を持しての新作は、発売前の予約数だけで既に3枚のプラティナディスクを獲得。

3月20日に発売した途端、当然ヒットチャートの1位を3週間に渡ってキープするほどの売れ行きを示し、現在のところ、5枚のプラティナディスクを獲得するセールスを納めています。

シングル曲"Ancora qui(再びここに)"は、アルバム発売に先行して日刊紙『Corriere della sera』のWebサイト独占で放送開始。

Paola Cortellesi(パオラ・コルテッレズィ)、Massimo Ghini(マッスィモ・ギーニ)、Asia Argento(アーシァ・アルジェント)、Giorgio Panariello(ジォルジォ・パナリエッロ)など、イタリアを代表するスター俳優や女優たちが、Zeroの歌に合わせてクチパクするシーンをつなぎ合わせたスペシャル感あふれる映像作品に仕立て上げられたPVが制作されています。

Renato Zeroの2曲目は、セカンドシングルとなった"Non smetterei più(もう僕は止まらない)"。

当月FESTA第1部でKarima(カリマ)のデュエット相手としても紹介いたしましたMario Biondi(マリォ・ビオンディ)が参加して、デュエットを聴かせてくれています。

 


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く)