第51回Festaは、19名の参加者が集まり、東京・亀戸の某所にて6/13(土)に開催しました。参加者の内訳は男性8名 女性11名(うち、初参加者1名)。

2009-06FESTAまさに『隠れ家』となるプライヴェートなバンケットルームを貸し切り、極上の音楽と夜景を楽しむと同時に、極上の音楽を楽しむ、至福のひと時となったかと思います。


集合写真撮影
Pop!Italiano
kazuma氏


第1部

サンレモ音楽祭2009の新人部門参加者の中から、混血の歌手3名をピックアップしました。

まずはKarima(カリマ/24歳/Livorno出身)。アルジェリア人の父とイタリア人の母の間に生まれたKarimaは、12歳の時にTVのオーディション番組に出場して芸能生活をスタートし、ミュージカルを始めとするたくさんの場数を踏むこととなります。

2006年(21歳)には、有名なオーディション番組Amici di Maria De Filippi(マリア・デ・フィリッピのアミーチ)に出場し、フィナーレまで勝ち進むも、僅かな差で優勝を逃し、批評家賞を受賞することとなりました。

Karima/Come in ogni ora2009年のサンレモ音楽祭の新人部門に、自作詞の楽曲"Come in ogni ora(あの時のように)"で出場。

プロデュースとアレンジを、なんと世界的な作曲家である巨匠Burt Bacharach(バート・バカラック/81歳/米カンサスシティ出身)が務めたという快挙に留まらず、サンレモ音楽祭の舞台にバカラック本人をゲストピアニストに招いた、夢のようなステージを見せてくれました。

そして同曲のデュエットバージョンを吹き込んだMario Biondi(マリォ・ビォンディ/38歳/Catania出身)にも、客演してもらうという心強いバックアップも得ることができました。

Festaでは実際にその夢のような3者の共演映像を楽しんでもらいましたが、ネット上ではその動画は共有できませんので、PV映像を貼っておきます。

この新人らしからぬスケールを見せつけたサンレモ出場曲"Come in ogni ora"を含んだミニアルバムのタイトルは"Amare le differenze(違いを愛する)"(2009)。

イタリア語の『differenza』は文字通り『違い』を意味しますが、日本語の『差別』に当たるニュアンスも含みますので、混血、しかもアフリカ系との混血である自身の宿命を超えようとする気高さが感じられます。


Iskra/Quasi amore2人目の混血歌手は、Iskra(イスクラ/Bologna出身)。フランス人の父とイタリア人の母との間に生まれたIskraは、年齢非公開となっていますが、すごく若く見立てたとしても50代。通常ならとても新人部門に出場する風格でもキャリアでもありません。

※その後、1946年生まれであることが判明。つまりサンレモ音楽祭2009新人部門出場時には、63歳を迎える年でした!

実は、ソロ歌手としては『新人』なのであって、巨匠Lucio Dalla(ルチォ・ダッラ/66歳/Bologna出身)御用達のコーラスガールとして、長い経験を積んだベテラン。

サンレモ音楽祭2009ではLucio Dallaが書き下ろした参加曲"Quasi amore(ほとんど愛)"を豪華なコーラス隊をバックに熱唱。

ゲストを迎えてのステージでは、師匠Lucio Dallaを招き、いつもとは正反対に、師匠が彼女のサポートに回る珍しいステージを楽しませてくれました。

この動画もまたネット上での公開&共有を厳しく制限されていますので、代わりにPV映像を貼っておきます。

サンレモ出場後に発売したミニアルバム「Quasi amore」(2009)でも、Lucio Dallaが歌に、クラリネット演奏にと惜しみない応援を寄せています。


多くの実力派女性歌手をラインナップしたサンレモ音楽祭2009新人部門の優勝をさらったArisa(アリーザ)が一躍、『時の人』となったのは、2009年4月FESTAでお伝えしましたが、数ヶ月以上経過した後、サンレモ2009出場者の中で最も商業的に成功したと言えるのは、Malika Ayane(マリカ・アヤン/25歳/Milano出身)だったようです。

モロッコ人の父とイタリア人の母の間に生まれたMalika Ayaneは、イタリア人は『マリカ・アヤネ』と発音しますが、本来は『アヤン』と発音するのが正しいようです。イタリア人の読み方だと、なんだか日本人っぽい響きの名前なのも面白いところ。

1995年(11歳)に、Milanoのスカラ座のコーラス隊の試験に合格した時から、Malikaの歌手人生が始まったようです。

ソロ歌手として、次第にJazzやブルーズ、ゴスペルなどのレパートリーを取り入れていき、やがてCaterina Caselli(カテリーナ・カセッリ)の目に止まります。

Malika Ayane/Malika AyaneAndrea Bocelli(アンドレア・ボチェッリ)、Filippa Giordano(フィリッパ・ジォルダーノ)、Elisa(エリーザ)、Negramaro(ネグラマーロ)など、イタリア内外で名声を轟かすスターを生み出す才に長けたCaterinaという最強のバックボーンを手に入れたところから、Malikaの運命が大きく開かれることになった、と言えるでしょう。

デビューアルバム「Malika Ayane」(2008)をリリース。シングル曲"Feeling Better"は、ヒットチャート6位を記録する幸先のよいスタートを切ります。

そしてサンレモ音楽祭2009には、同じCaterina Caselliの秘蔵っ子であるNegramaroのメロディメーカー&ヴォーカリストGiuliano Sangiorgi(ジゥリアーノ・サンジォルジ)が書き下ろした"Come foglie(葉っぱのように)"で参加し、注目を集めます。

後に2008年のデビューアルバム「Malika Ayane」に、このサンレモ出場曲"Come foglie"を追加した、いわゆるサンレモエディション盤のアルバム「Malika Ayane」(2009)を発売するや、売れに売れて、ゴールドディスクを獲得するに至ります。

混血とはいえ、Milano生まれMilano育ちのMalikaなのですが、イタリア語の発音が余り宜しくない感じ。逆にそこがイタリア人にはエキゾチックな魅力として感じるのかもしれません。

こうして2008年から2009年にかけてブレイクするに至るMalikaですが、そのブレイクの直前の2007年に娘を出産しているという、ママさん新人スターという事実も、稀有な存在かと。


Gino Paoli/StorieFesta第一部の締めは、思いっきり大ベテランにシフトし、Gino Paoli(ジーノ・パオリ/75歳/Monfalcone生まれ)のデビュー50周年の節目となるオリジナルアルバム「Storie(物語/歴史)」(2009)を紹介しました。

渋すぎるジャケットの通り渋い作品集であり、渋さの中にも心が晴れやかになるような美しい楽曲あり、郷愁感漂う切ない曲ありのアルバムに仕上がっています。

最初はシングル曲"Il Nome(名前)"。往年の数々のPaoliの傑作のように。耳残りのよい、美しくも郷愁感漂う佳曲。Paoliの優しげで落ち着きのある歌声にうっとりしてしまいます。

2曲目は"La falena(蛾)"。『Falena』は虫の『蛾』のことですが、日本には『夜の蝶』という表現があるのと同様、イタリアでは『夜の女』、もっと限定的に悪いイメージで使う場合は、『娼婦』のことを『Falena』と呼ぶそうです。

1960年のデビュー早々に、後世にまで残る名ラブソング"Il cielo in una stanza(ある部屋の中にある空/邦題:幸せがいっぱい)"を書いたGino Paoliですが、この美しいラブソングは、実は娼婦に捧げた楽曲だと言われていることを踏襲するかのように、今回もある娼婦の短い生涯を美しく歌い上げています。

ある娼婦と彼女を愛したサルデーニャ男。

怒りと嫉妬から彼女をナイフにかけてしまった男は、すぐに後追い自殺を図り、天国のナイトクラブでも彼女を探し続けるという、短くもはかない2人のラブストーリーが歌の中に綴られています。

そしてFESTA第1部の最後は、サンレモ音楽祭2009にゲスト出演した時のGino Paoliの珠玉のヒット曲のメドレーを映像で楽しんでもらいました。

最初期の名曲"La gatta(猫)"、既婚者のPaoliが不倫の恋に落ちた女優Stefania Sandrelliに捧げた"Una lunga storia d'amore(ある長い愛の物語)"、前出の新曲"Il nome(名前)"、これまた前出の名曲"Il cielo in una stanza(ある部屋の中にある空/邦題:幸せがいっぱい)"は、新人部門に出場中のMalika Ayaneを呼びよせてデュエットで披露してくれました。

この映像も、ネット上での公開&共有が厳しく制限されているようですので、FESTA参加者だけの特典として留めておきます。

 


注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2009年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く)