その2はコチラ


 

第3部は20代の若手2人にスポットを当てました。


1人目はCesare Cremonini(チェーザレ・クレモニーニ/28歳/Bologna生まれ)。1999年にバンド編成のLùnapop(ルナポップ)としてデビューするや、たちまちミリオンセラーを叩き出し、その卓越したソングライティング能力と、確かな音楽の才能、19歳という年齢相応のやんちゃな人柄などで、音楽的にも人物的にも一躍人気者になった人物です。

28歳の若手とはいっても、もう9年のキャリア。19歳だった少年は28歳の青年となり、口髭を蓄えるようになりましたが、気さくでやんちゃな人柄は健在です。

Cesare Cremonini/Il primo bacio sulla lunaソロのオリジナルアルバムとしては3枚目に当たるのが、2008年9月26日にリリースされたアルバム「Il primo bacio sulla luna(月面で最初のキス)」。(前作のライブアルバムを含めると4枚目)

発売の1週目にベスト10入り。iTunesイタリアではダウンロードNo.1を達成。発売2週間でゴールドディスクを獲得するヒットを記録しました。

アルバム発売前に先行して発表されたのが"Dicono di me(僕の事が言われている)"。Cesareお得意の軽快なピアノ・ロックの楽曲。

この曲だけをアルバム発売の何と4ヶ月も前の5月にFestivalbar(フェスティヴァルヴバール)用にリリースしたことについて、Cesareは『ブルドーザー役(の楽曲)だった』と語っています。Lùnapop時代の先行シングル"50 special"を再現したかったようです。(詳細は2007年2月Festa参照)

アルバムタイトル「Il primo bacio sulla luna」の『luna』とは、もしかするとLùnapopの事を意味しているのかもしれませんね。

FestaではPVで楽しんでいただきました。ロンドンで撮影されたそうです。

彼が彼女の両親に挨拶をしに行くストーリーになっておりますが、彼女の両親や家は厳格そのもの。少しの冗談も通じず、針のむしろ状態。

やっとの事で開放されたカップルはカジュアルに着替えて、友達のCesareが演奏するクラブへ踊りに出かけます。踊る若者の間を分け入って進んでいくと・・・厳格な彼女の家の召使たちが踊っている・・・そして、その向こうにはあの厳格な両親も・・・・

しかめっ面の頑固オヤジは彼に近づくと『こいつぅ、Cesareの知り合いとはなぁ!』と言わんばかりの親愛表現を見せるというオチ。

第2弾シングルとして選ばれたのは"Le sei e ventisei(6時26分)"。ロマンティックなPopRock作品。Cesareは『ちょっとした慎ましい小説』とこの作品について語っています。『聖なる対象(夜間照明された教会)と俗世間の対象(街娼)を鑑賞しながら、午前6時26分の夜明け前の街を彷徨う孤独な男。彼を微笑ますことができるのは、あるひとりの娼婦だけだろう・・・』

Cesare Cremoniniの3曲目は、"Il Pagliaccio(道化師)"。ピアノの美しい調べに導かれて始まるミディアムスピードのバラード。ピアノ、ドラム、ギター、ストリングスなどの楽器のハーモニーがはっきり感じ取れるアレンジが施され、少し哀愁を帯びたメロディは、Lunapop時代から脈々と流れる彼の魅力が濃縮された楽曲。



第3部2人目はさらに若手のMarco Carta(マルコ・カルタ/23歳/Sardegna州Cagliari出身)。

 

Ti Rincontreròベルルスコーニ首相が運営するMediaset社のCanale 5のタレントショー番組"Amici di Maria De Filippi(マリア・デ・フィリッピの友人たち)"で、2007年10月から2008年4月という半年に及ぶ全放送期間を勝ち抜けて優勝し、30万ユーロの賞金とWarner Music Italyからのメジャーデビューというビッグタイトルを手中に収めたシンデレラボーイ。

2008年6月13日に発売されたデビューアルバム「Ti Rincontrerò」は、発売1週間でゴールドディスク獲得。2ヵ月後の8月、プラティナディスクまで勝ち取ってしまうという快挙を成し遂げました。

Marco Carta/in Concerto多くのイタリアのアーティスト同様、過酷な夏のツアーを乗り切り、興行的にも大成功させ、そのツアーのライヴステージをCDとDVDの2枚に収めたライヴアルバム「in Concerto」(2008)を10月3日リリースと、すごい勢いでアルバムをリリースし、まさに2008年の台風の目となった大活躍を続けています。

Festaでは、番組で優勝した時の楽曲"Per sempre(永遠に)"のライヴアコースティックヴァージョンで。アコースティックギターの深いサウンドをバックに、年齢と顔に似合わない渋い声で歌うMarco。プロで10年以上もやってきたような鍛えられた良い声をしています。


(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)

2曲目はデビューアルバムのタイトル曲"Ti rincontrerò(僕は再び君に出遭うことだろう)"。シングル盤にもなった楽曲で、なんとプロデュースを名ギタリスト&プロデューサーのMario Lavezzi(マリォ・ラヴェッツィ)が務めるという業界の力の入れ方。これはスゴイ。1980年代のメジャーな英米ロック・・・例えばSteve Perry(スティーヴ・ペリー)在籍時のJourney(ジャーニー)の香りがする楽曲です。


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"Un grande libro nuovo(大きな新しい本)"は、このライブアルバム発売に合わせて、1stアルバムからの第2弾シングルとなった楽曲。疾走感と若々しさを感じさせる爽やかな楽曲。


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Marco Cartaは現在のところ、自分で曲を作って歌っていないので、Marco Cartaのオリジナル曲は4曲。アルバムには他にイタリアや英語の歌手のカヴァー曲を収めています。イタリアの楽曲では、Fausto Leali(ファウスト・レアーリ)、Francesco De Gregori(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)、Raf(ラフ)、Gianluca Grignani(ジァンルカ・グリニャーニ)などをカヴァー。変り種では、英語のスタンダードナンバー"Somewhere over the rainbow"をイタリア語でカヴァーしています。



注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2008年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く)