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第2部

第2部はRock編。最初はLe Vibrazioni(レ・ヴィブラツィオーニ)。2003年にシーンに登場して活躍し続ける4人組のRockバンドで、現在のイタリアにおいて、雨後の筍のごとく多くの若手バンドが進出するバンドブームのけん引役となったのが、Le Vibrazioniであったと言っても良いかも知れません。

デビューシングル"Dedicato a te(君に捧ぐ)"(2003)がシングルチャートの1位に、デビューアルバム「Le Vibrazioni」(2003)がアルバムチャートの2位を記録し、ゴールドディスクとプラティナディスクに輝くという、鳴り物入りでシーンに登場しました。

2005年に2ndアルバム、2006年に3rdアルバムをリリースし、順調に販売数を伸ばしてきた彼らが、4枚目のアルバムとしてリリースしたのがライブ盤「En Vivo」(2008)。これはCD2枚組のアルバムと同時に、DVD1枚のライブ映像もリリースされました。2008年4月に発売され、6か月経過した現在、既にゴールドディスクを獲得しています。En Vivo

映画『Colpo d'Occhio(一目見て)』のサウンドトラックとなった唯一のスタジオ録音の未発表曲「Insolita(いつもと違う女)」が収録され、さらにこれがシングル曲としてリリースされました。PVは映画のシーンを流用し、Le Vibrazioniの面々が映画と同じ美術館の中で演奏するシーンを交えて作られています。リードヴォーカルのFrancesco Sarcina(フランチェスコ・サルチナ/32/Milano出身)が、すっかり長髪になったうえ、髭を伸ばして、デビュー当時からのイメージと大幅に異なっています。

Officine Meccaniche2曲目は、2006年の3rdアルバム「Officine Meccaniche」(2006)に収められていた"Drammaturgia(劇作法)"。2008年2月になって新たにPVを制作発表していますが、1970年代のロッキーホラーショーをリメイクしたような世界観で仕上げており、今回のライヴアルバム「En Vivo」のジャケットにも共通の世界観を持たせていることや、今回のライヴショーの登場人物をLe Vibrazioniのメンバーが演じる、という設定を施していることから考えて、この"Drammaturgia"の世界観でまとめられたライヴショーが「En Vivo」というライヴ作品、と言えると思います。

PVではあの大物キャスターのPaolo Bonolis(パオロ・ボノリス)まで、禿頭の科学者姿で登場するなど、相当な力の入れようです。

FESTAでは、メンバーの演奏テクニックが楽しめるライヴ盤の映像で紹介しました。軽快なベースラインをライトハンドを駆使して奏でる技巧派のベーシストMarco Castellani(マルコ・カステッラーニ/30)は、残念ながらこのライヴの後、2008年2月にバンドを去り、Le Vibrazioniは新たなベース奏者Emanuele Gardossi(エマヌエレ・ガルドッスィ)を迎えています。前出のシングル"Insolita"のPVの中に、2代目ベーシストのEmanueleの姿が見れます。

Le Vibrazioniの最後の曲は、"Dimmi(僕に言ってごらん)"(2006)。アコースティックギターに持ち替えたヴォーカルのFrancescoが、どこかノスタルジーを感じさせるメロディを切なく歌いあげる隠れた名曲。2007年にシングルカットされています。


(セールスを阻害しないよう、DVD商品とは異なる映像をリンクします)

第2部2人目のアーティストは、Rettore(レットーレ/53/Treviso近郊出身)。1980年代にブレイクしたカンタウトリーチェで、羽目を外した芸風で一世を風靡しました。

TuttiPazziPerRettore1980年代後半から人気に陰りが見え始め、やがてまるで別人のような落ち着いた楽曲を歌うなど、Rettoreとしてのアイデンティティを見失いかけていましたが、2000年代になると若年層にRettoreブームが沸き起こり、遂にはインディーズ系の若いミュージシャンたちがRettoreの曲をカヴァーしたコンピレーションアルバム「Tutti pazzi per Rettore(みんなレットーレに狂ってる)」(2002)まで発売になり、再びRettoreにスポットライトが当たるようになりました。Rettore/Stralunata

そんなRettoreの足跡をCD2枚&DVD1枚の3枚にまとめた「Stralunata(目を見張る女)」(2008)が、ちょうど9月18日に発売されましたので、10月FESTAの紅一点として紹介いたしました。

1曲目はRettoreの代表作"Splendido splendente(まばゆい男)"(1979)。Rettore24歳時に放ったディスコ調のダンサブルナンバーで、Rettoreのウィスパー系ヴォーカルの魅力を活かした楽曲。

映像の冒頭で、後にJovanotti(ジョヴァノッティ)、883(オット・オット・トレ)、Finley(フィンリー)等を発掘するプロデューサーClaudio Cecchetto(クラウディオ・チェッケット)が番組のホストを務めているシーンも見ものです。

 


 

Rettore/KamikazeRock&RollSuicide2曲目は、1980年代前半のイタリアに突如日本ブームを巻き起こし、日本盤までも発売にこぎつけることになる快心のアルバム「Kamikaze Rock'n'Roll suicide」(邦題:神風決死)"(1982)。外国人には理解し難いであろう神風特攻隊とその根底に流れる大和魂を、Rettoreなりに妄想的に解釈したコンセプトアルバムになっています。日本盤の発売が決まっていない段階のイタリア盤の時点で、全て邦題を付けてジャケットに印字する懲りよう。

9曲入りの同アルバムから5曲もが、今回のベスト盤「Stralunata」に収録されていますので、文字通りRettoreの最高傑作アルバムということになるかと思います。FESTAではタイトル曲"Kamikaze Rock'n'Roll suicide"を映像で紹介しました。

このサイト上では、同アルバムから"Lamette(邦題:刃)"、"Kamikaze Rock'n'Roll suicide(邦題:神風決死)"、"Karakiri(邦題:腹切)"のメドレー映像を上げておきます。Rettore27歳。

ちなみに映像中に登場するドクロには名前があり、『ヤマモトさん』という設定でした。また、『Karakiri』は誤植ではなく、『Harakiri』をイタリア人が発音しやすいように変えて、外来語としてイタリア語化した単語です。『kamikaze』の方もイタリア語化しましたが、こちらの単語は次第に『自爆系テロ』のことを意味するようになり、アメリカで起きた9.11事件の際、イタリアの新聞各紙が一面に『Il Kamikaze ....』と一斉に書き立てていたのも記憶に新しいところ。

3曲目はRettoreの人気に陰りが見え、一転して落ち着いた芸風にイメチェンしようと試みていたころの映像を紹介しました。サンレモ音楽祭1994出場曲"Di notte specialmente(特別に夜に)"(1994)。Rettore39歳。

Rettore最後の曲は、この最新アルバム「Stralunata」に収められた新曲"Primadonna(プリマドンナ)"(2008)。

劇場チックなアレンジと歌い方を取り入れた新しいRettoreの魅力を鈍く光らせ始めています。ちょうどFESTAの5日前の10/12(日)にイタリアで放映されたTVライヴ映像で紹介しました。共演のヴァイオリニストH.E.R.(ヘール)は、前出のコンピ盤「Tutti pazzi per Rettore」(2002)にも収録されていたPuglia出身のヴォーカリスト&ヴァイオリニストで、この楽曲の作詞&作曲も手がけています。Rettore53歳。



注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2008年に達する年齢で表記しています。

 

Continua alla prossima puntata.(続く)