その3はコチラ


 

9月Festaの最終パートは、イタリアRockの帝王編。

1977年のデビュー以来イタリアRockを牽引してきたカリスマ的な存在で、今なおTopスターに君臨するのがVasco Rossi(55/Modena近郊出身)。30年の活動歴の中で、オリジナルアルバムが16、ライブアルバムが5、ベストアルバムが2、計23タイトルものアルバムをリリース。さらには毎年のツアー、映画出演などなど、精力的な活動を続けています。


VascoRossi_DVD_E`SoloUnRock'n'rollShowその人気と名声はイタリア国内に留まらず、3年に一度はヨーロッパツアーを行うほど。2004年に発表した大ヒットアルバム「Buoni o Cattvi(善良者か悪者か)」は、アメリカでも発売されました。

そのVascoのカリスマ性を最も感じ取れるライブ映像にて、"Cosa vuoi da me(オレから何が欲しいんだい?)"を紹介しました。巨大なスタジアムに満杯の観客を動員し、熱いサウンドに乗せたヴォーカルで魅せるVasco。観客を熱狂と陶酔の渦に巻き込む魅力は圧倒的です。観客の年齢層は広く、特に若い女性が多いのが目立ちます。Vascoの年齢が50代半ばで、頭髪が寂しくなっていることなどを併せて考えると、とても日本の物差しで彼のカリスマ性は測りしれないところがあります。


 

Gaia & Luna/Come Vasco RossiVascoがどこまで若い女性に人気があるのかを証明する究極の例がコチラ、Gaia & Lunaの"Come Vasco Rossi(ヴァスコ・ロッスィのように)"(2007)です。なんと9歳と6歳の姉妹が、Vasco Rossiに対する憧れを綴った歌で、今年の春ぐらいから突如としてヒットチャートに現れ、未だにヒットチャートの上位に残り続けている大ヒット曲となりました。そうなんです、Vascoの魅力は子供にまで及んでいたんです!!

予想外の大ヒットで、GaiaとLuna姉妹はイタリアで最も有名な子供となり、TV番組出演で引っ張りだこ。日本で例えるなら『五つ子ちゃん』などのように、ドキュメンタリーやら、密着取材やらといった攻勢を受けているようです。

気になる彼女らのプロフィールですが、父親がAgostino Carolloといい、ユーロビートのプロデューサーとして世界を股に活躍している人物です。ユーロビート系アーティストの例に漏れず、X-Tremeなど、本名の他にいくつかのアーティスト名を持っています。


 

さて9月Festaの最後を飾るアーティストは、Ligabue(47/Emilia-Romagna州Correggio出身)です。かつては『ポストVasco Rossi』的な存在でしたが、今やその人気はVascoに負けない規模にまで拡大し、勢いを加味して考えると、最早Vascoを抜き去ったと言えるほど、現代イタリアRock界のスーパーヒーロー。

Vascoデビューのちょうど10年後の1987年にバンドOrazeroを率いてデビューしたものの、地元のローカルバンドのヴォーカリストにしか過ぎなかったLigabueを発掘したのが、8月Festaで紹介したPierangelo Bertoli。無名時代のLigabueの楽曲"Sogni di Rock'n'roll(ロックンロールの夢)"を、1988年の自身のアルバムに採用したのです。Bertoliは地味な作風ながらも、本当に優れた人材だったと痛感させる事実です。

Bertoliに採用されたことで知名度を上げたLigabueは、音楽業界の人脈も得て、対に1990年にソロ名義でアルバム発売にこぎつけます。Festivalbarに参加する等の精力的なライヴ活動を通し、Ligabueは好調な滑り出しを果たします。

3rdアルバムの「Sopravvissuti e Sopravviventi(生存者と生き残り)」(1993)では、ファンには受け入れられたものの、批評家筋や特にラジオ局から『アンティミスム過ぎる』という批判を受け、、彼の前途に少々の不安材料を落とします。

こうした中傷にめげず、Ligabueは創作活動と精力的なライブ活動を続け、次第に大きなカリスマ性を発揮していきます。こうして1995年以降は、リリースするアルバム毎に販売数を伸ばし、ライヴツアーも成功し続け、2年枚にライヴDVDが発売されるといった成功の道を歩んでいく事になります。音楽活動だけでなく、映画監督やシナリオライターとしての活動も並行して行い、アーティストとして成功する以前からの共産主義者としての社会活動にも精を出しています。

特に2005年にリリースしたアルバム「Nome e Cognome(名前と姓)」は足掛け3年に及ぶロングセラーを記録し、2006年に行われたライヴツアーの記録を、なんと5枚のDVDに収録した「Nome e cognome tour 2006」という映像作品をリリースするに至ります。

2006年のNome e cognome tourは、時期によって演奏スタイルや会場のタイプを変えました。

2月:CLUB(クラブ)
3月〜4月:PALASPORT(総合運動場)
5月〜8月:STADIO(スタジアム)
10月〜12月:TEATRO(歌劇場)

Ligabue/NomeE_CognomeTour5枚組DVDはそれぞれの時期のスタイルを収録したもので:
1枚目:Club編/MilanoのAlcatrazにて収録(ソロデビュー時のバンドClanDestinoと)
2枚目:Palasport編/TorinoのMazdaPlaceにて収録(現在のバックバンドと)
3枚目:Stadio編/MilanoのStadio Meazzaにて収録
4枚目:Teatro編/FirenzeのTeatro Verdiにて収録
5枚目:Extra編/ドキュメント他
という構成になっています。

1枚目〜3枚目は会場のタイプやバックバンドは違えど、いつものロックスターとしての迫力のステージが堪能できます。FestaではPalasport編からアルバム「Nome e cognome」(2005)収録の大ヒット曲、"Happy hour"を楽しんでもらいました。2006年のFestivalbarの優勝曲でもありますね。

LigabueDVDさて4枚目は、オペラハウスが舞台となるので、アレンジを変えて、楽器もアコースティックのスタイルに変わります。
個人的には、この4枚目のDVDはこの5枚組みDVDの目玉だと思います。彼のヒット曲のアコースティックアレンジによる収録は、CD等でリリースされておりません。DVD「Campovolo」(2005) でも一部このスタイルの演奏が収録されていますが、少々物足りない。DVDまるまる1枚のボリュームで浸れるために、5枚組DVDを買うのが惜しくないほど、貴重な映像作品と言えるでしょう。

エネルギッシュな楽曲とステージパフォーマンスで、熱いロック魂を表現するイメージが強いLigabueが、主にオペラを演じるためのヴェルディ歌劇場で公演できるという事実は、彼の音楽活動がイタリア社会で充分にリスペクトされた結果だとも言えるでしょう。

そして何といっても地中海音楽を提唱した伝説の音楽家Mauro Pagani(61/Lombardia州Chiari出身)との共演が目玉です。1970年代のPFMのリーダーとしての活躍、そして地中海音楽のソロアルバムが有名ですが、今なお一流の音楽家として、マルチプレイヤーとして充分に活躍しており、ステージ上では時にLigabueさえ霞んでしまうほど存在感のある演奏に、否応なしに惹きつけられてしまいます。

まずは、LigabueとPaganiの2人のみで奏でる"Cerca nel cuore(心の中を捜せ)"(1994)。Ligabueが12弦アコースティックギターを抱え、Mauro Paganiはフルートを奏でます。華やかな12弦ギターのサウンドに、ワザと濁した音を効果的に織り交ぜながらもしつこさのない味わいのあるフルートの音色。落ち着いたLigabueの歌声、サビではPaganiがドスの効いたハスキーな声でデュエットしてきます。

2曲目は"Ho messo via(向こうに置いた)"(1993)。マンドラに持ちかえたPaganiのスライド奏法から始まります。リバーブがかかったような音色が心地よい。Ligabueはオールメタルボディのドブロギターで、キーボード奏者を加えた3名で演奏します。低音域を駆使したLigabueのヴォーカルがよく響き、派手さはないけれど、いつまでも聴いていたい気持ちを誘う楽曲に仕上がっています。エンディングはヴァイオリンに持ちかえたPaganiが温かみのあるフレーズを弾きます。

3曲目は"Il giorno dei giorni(日々の中のその日)"(2005)。さらにパーカッションとコントラバスを加え、5名での演奏。原曲はRockテイストの元気いっぱいの曲が、温かみのある大道芸バンドのようなサウンドで再現されています。

キーボーディストが手でフイゴを開け閉めしながら弾くタイプのミニオルガンを使って、全体のサウンドを特徴的なものにしています。Ligabueは再び12弦ギター。Paganiは最初はマンドラでバッキング。ヴァイオリンに持ち換えて間奏を。歌に戻ると、そのヴァイオリンをギターのように抱えて、ピチカート奏法。

段々と楽器が増えて音が厚くなってきたせいか、Ligabueも段々といつものロッカーらしいアクションを入れながら、力強く歌います。

最後のLigabueを締めくくり9月Festaのラストソングとなるのは、このテアトロ編DVDでも最後に納められた大ヒット曲"Tra palco e realtà(ステージと真実の間)"(1997)。ギタリストを追加した6名のフルメンバーで、アコースティックながらもエネルギッシュな演奏。証明も派手派手。観客も総立ちで、手拍子&ボディスウェイ。Ligabueは終始、椅子に座ったままのパフォーマンスではありますが、やっぱりラストソングはロッカーとしての華を見せてくれますねぇ。

最後のメンバー紹介で、alla chitarra〜(ギターは〜)と順に紹介していくLigabueですが、最重要ゲストミュージシャンのMauro Pganiを紹介する時には、"Alla Sua bottega, Mauro Pagani!"と紹介していました。この場合は、自らを音楽職人と呼ぶことにこだわるPaganiに対して、『工房』を意味した『bottega』でしょうかね。様々な楽器を演奏するマルチプレイヤーぶりを前にして、ひとつの楽器でパートとして紹介できなかったとも思います。

Festaでは、4曲の紹介に留めましたが、このDisc4のテアトロ編に収録されているのは2時間。たっぷり楽しませてもらえます。


 

PiùItalia karaokeFestaの最後に、第4部から駆けつけてくれたRobertoとPaolaを紹介。
彼らのイタリア語学校ピュウ・イタリア(東京・南青山)で開催するイタリアPOPSのカラオケ・イベントの告知をしてもらいました。

9月Festaの時点で既に1回開催され、僕も参加して参りましたが、1960年代の往年のカンツーネ・ヒット曲はもちろんのこと、イタリアで最も聴かれている現代POPSの楽曲をズラ〜っと揃え、部屋を暗くしてプロジェクターでスクリーンに歌詞が投影される会場設定をしてくれたので、実に歌い易く、大いに楽しめました。プロシンガーのPaolo Ladub38abb96.jpgも参加して、大きな声で歌ってサポートしてくれるので、うろ覚えの曲でも安心!

考えてみれば、当Festaも初期のころはよく、参加者に歌詞カードを配っては、皆で歌って楽しんでいましたねぇ。開催時間が限られるようになったので、最近はなかなか出来なくなっていたので、このカラオケ・イベントは本当にありがたい、貴重な機会だと思います。

既に2回目を9/28に実施したところ、また一段と参加者が増え、二次会にも繰り出すなど、大いに盛り上がって来ました!

今後も2週間に1回はやろう!という話だったのですが、金曜日の夜だけでなく日曜日も追加され、なんと月4回(!)の実施計画がすでに立てられています!
2007年10月開催日:5(金)、14(日)、19(金)、28(日)

当Feataでオリジナル作品に触れ、Più Italiaのカラオケ・イベントで歌ってさらに楽しむ、という形でイタリアPOPSに親しむことをぜひお勧めいたします!


 

次回のFestaは10/13(土)17:30開始予定です。