(其の3はこちら)

今回のFestaは、我がPiccola RADIO-ITALIAプロジェクトの創始者Cristinaが、神戸から初参加していたので、第2部の最後に皆様にご紹介。これまでのPiccola RADIO-ITALIAプロジェクトの経緯などをかいつまんで話していると、

「お前はもういいから、本人の声を聞かせろ!」

という声が・・・・そう、イタリア的なプレイボーイ体質を持つ輩から、そうゆう要求が出るほど、Cristinaはチャーミングな女性なんです。

するとそこへ、2本のキャンドルが立てられたケーキが登場!

おぉ、僕とCristinaによるケーキ入刀??

Cristina & YoshioAntonioと勘違いしてドキドキしましたが、実はこれ、FESTAの2周年を祝うために、参加者のYukoさんが用意してくれたケーキとのこと。ちゃんと『2周年おめでとう!』というメッセージが入ったプレートまでデコレーションされているではありませんか! Grazie mille, Yuko-san!!!

20:30の新幹線で神戸に帰るCristinaを送り出し、再び40分の長い休憩時間に突入。早い人は5:00過ぎから飲み出していますから、そろそろ3時間飲み続けており、宴会モードに入りかかっている方も(苦笑)



さていよいよ最後の第3部。

 

2月FESTAでも紹介したUmberto Tozzi(55/Torino出身)は、世界的なヒット曲を持つビッグ・アーティスト。

Umberto Tozzi/Le mie canzoni in concerto1970年代から1980年代にかけて、世界的なヒット曲を多数放ち、1980年代にはイタリア国内でのヒット曲をいくつも排出したTozziの1991年、39歳の時のライヴVHS「Le Mie Canzoni」。

現在のところDVD作品を1枚もリリースしていないTozziのライヴ映像作品は、それだけで貴重ですが、ヒット曲を量産していた頃で、39歳という、若過ぎず&枯れ過ぎずのベストな年頃なので、言う事はありませんね!

まずは"Gli innamorati(恋する者たち)"。リヴァースヘッドのエレクトリック・ギターをかかえ、ウェービーなヘアーを肩まで垂らしたそのルックスは、まさにロックスター!

続く"Gli altri siamo noi(他人さ、僕らは)"は、ギターを下ろし、マラカスを手に歌うTozzi。耳馴染みが良く、初めて聴いても覚えやすいメロディ、繰り返し聞くと心に刷り込まれるメロディを得意とするTozziのライヴですから、会場全体が大合唱になるのは自然の成り行き。Tozziはところどころ歌うのを止め、リードヴォーカルを会場に任せます。


初期のヒット曲"Qualcosa, qualcuno(何かが、誰かが)"では、珍しくアコースティック・ピアノを弾くTozzi。愛らしいリズムに乗せた、柔らかで浮遊感あるメロディとヴォーカル、そしてコーラスとの掛け合いが心地良い楽曲です。

Festa会場では、開始時刻からブラインドで遮光してプロジェクターの映像を楽しんでいたのですが、充分に日も暮れたのでブラインドを全開。この会場は『スカイラウンジ』と名付けられているだけあって、19階建ての建物の最上階に位置し、2方向が前面ガラス張りという構造のため、ビルの灯りがキラメク美しい夜景をバックに、浮かび上がるイタリアPOPSの映像。そこはいつしか極上の空間と化しました。



2周年記念FESTAのオオトリは、Renato Zero(57/Roma出身)。2月FESTAでも紹介したZeroですが、VHS時代に数多くの映像作品がリリースされているものの、やはりDVD化による再発売が進んでいません。過去に遡るほど、ステージ衣装やメイクが派手になっていくZeroなので、ビジュアル作品向きだと思うのですが・・・

 

80年代の過渡期を過ぎ、90年代になると完全にメイクを落として素顔で勝負するようになったZero。1998年には、彼の最高傑作と言われているアルバム「Amore Dopo Amore」をリリース。イタリアらしい叙情性、Zeroらしいポップさ、バラードの妙、Zeroならではの演劇チックな世界観、豊かなオーケストラサウンド、遊び心たっぷりの特殊効果サウンドなどが、るつぼの様に凝縮されて収められたアルバムです。

Renato Zero/tour dopo tour翌1999年にはその大ヒットアルバム「Amore dopo amore」のツアーを収録したライヴアルバム「tour dopo tour」をリリース。本フェスタではその映像作品としてVHS2本組で発表された「tour dopo tour」のオープニングから3曲立て続けにご紹介。

1曲目は"L'italiana(イタリア女性)"。まるでクラシック組曲のオーヴァーチャー(序曲)のようなアレンジの楽曲で、オーボエのメロディやスネアドラムの響きが飛び交う中、ビートルズのサージェントぺパー風の派手な衣装に身を包んだZeroが、独特の低音で静かながらもエネルギッシュに歌い始めます。

徐々に盛り上がっていくにつれ、歌の後ろで鳴っているストリングス、粘りのあるエレクトリック・ギターの裏メロが良い味を出しています。サウンドに奥行きがある、非常にスケールの大きさを感じる曲です。

歌詞に

『dalla Sicilia fino in Piemonte(シチリアからピエモンテまで)』

という表現があるのですが、日本で言うならば、『北海道から九州まで』という言い方に当たるのでしょうか。イタリアでは最南端のSiciliaから始まるのですかね。そして何故か北端ではなく、むしろ西端のPiemonteが最後に来る・・・・Valle d'Aosta州の方が北西端のような気がしますが、日本でも沖縄が最南端だけど、よく『九州まで』という言われ方をするのに近い感覚なのかもしれませんね。

続いてシングルカットもされたヒット曲"Cercami(僕を探して)"。イントロのボンゴの響きが最高です。この曲を聴くと無性にラテンパーカッションを叩きたくなります。

"Cercami(僕を探して)"というタイトルなので、Zeroはどん帳から顔だけ突き出してささやくように歌いだします。そして曲が盛り上がるにつれ、どん帳から飛び出して来て熱唱! そして間奏の盛り上がりの部分では、

Zeroお得意の奇妙なダンス!!!

当時49歳という年齢にも関わらず、軽やかなステップを踏み、頭上で沖縄民謡のカチャーシィ(阿波踊り風)で振りを付けるZero。決してカッコイイ系の振り居付けではなく、むしろお笑い系のその振りがなんとも言えず奇妙で、Festa会場の参加者は大コーフン!!!! 映像に対して『ヒュー!ヒュー!』という野次や拍手まで沸き起こる始末。

続いて"La favola mia(僕のおとぎ話)"。顔だけにスポットを当てられたZeroが静かに歌い始めます。次第にスポットライトの輪が広がり、会場が明るくなっていくのですが、なんとZeroの衣装は、フラミンゴのようなピンクの羽でつむがれたワンピース(?)風の派手さ加減で、首から足元まですっぽりと包まれています。そしてステージに設置された、同じ衣装を着せられたマネキン(!)との絡みを始めます。

マネキンの足元に膝まづいてみたり、まるで母親に抱かれる幼児のようにマネキンの胸元にスリスリしてみたり・・・・対象が生きた人間なら問題ありませんが、相手がマネキンですからね! 倒錯感のあるアブノーマル、誤解を恐れずに言及するならば、

ヘンタイ

の香りがプンプン漂ってくるのは必至です!!! 初めてZeroのステージを見た人には強烈な印象だった事でしょう。

ラストは"Emergenza noia(緊急事態・退屈)"。初期のZeroの18番だったアップテンポでダンサブルな曲調ながら、Rockバンドのサウンドとオーケストラの掛け合いや、サウンドのキメが秀逸で、聴けば聴くほど味が出てくるタイプの楽曲です。

それは『退屈』さ 僕を決して容赦しないのは
ヤツは 間違いを冒しはしないのさ
そして お前がどんな男かお見通しなんだ
エキセントリックじゃないし 目立たないし
セクシーでもないし グラマーでもないけど 
そこには『退屈』のヤツが鎮座しているのさ

この『セクシーでもないし グラマーでもないけど』の部分で、Zeroはなんと、股間に手を当てて腰を怪しげに振るジェスチャー!

Che erotico è!!!(なんてエロティックなんでしょう!)

それは『退屈』さ 僕らの中にある濃い霞の正体は
暗い道 どこで転ぶかお前には知る由も無い
クスリやいかがわしいことは自滅する
偽りの浮遊感さ お前のやることは
幽霊の揺りかごへようこそ
お前が再び目覚めるには遅すぎる

『幽霊』のところは、テルミンによるそれっぽいSEが入り、雰囲気が最高!Zeroも幽霊のように『うらめしや〜』的なポーズも取ってくれます。本当にエンターテイナーですねぇ。

そしてこの曲の歌詞にも、Zeroがイタリア社会で人気を博す理由のひとつである確固たる彼のポリシー、反ドラッグ、安易なセックス反対の姿勢が現われていますね。

さあ、これで2周年フェスタは終わり、とボリュームを絞り、締めのコメントを始めようとしたところ、参加者から

れ・な〜と! れ・な〜と!

と、まるで本物のライヴのようにリクエストが(笑)。

まだ時間の余裕があったので、続けてもう1曲"Siamo eroi(僕らはヒーロー)"をお届けしました。彼の代表曲でもある傑作"Il cielo(空)"に通ずる、実に美しい歌い上げ系バラードの楽曲でありますが、前の曲の衝撃的&セクシーな振り付けが頭から抜けていないもあ氏の口からボソッと出た

僕らはエロイ??

とイタリア語の発音をそのまま日本語に当てはめた発言に、一同大爆笑で、Festaはエンディングとなりました。

tutti insieme2ちなみにその後に撮影した集合写真で、頭上で手を振るポーズの輩が多いのは、Zeroの振りを真似しているからであります(笑)。

こうして、2周年記念のタイトルを冠した、ややお祭り的なノリのフェスタは終了しました。満足していただいた方が多かったようで、主宰としても感無量でした。