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第2部

Renato Zero(57/Roma出身)は、警察官の息子として、ローマの郊外で生まれ育ちました。中学を終えると、志していた芝居や音楽の道に飛び出していきます。
芝居やグラムロックの影響を受けた派手なメイクと衣装、舞台がかった演出のステージを好み、男色家であることもカミングアウトしたエキセントリックな存在ながら、イタリアの大衆の心をがっちりと掴むことに成功したイタリアが誇るビッグスター。

1970年代の半ばからヒット曲が続き、一発屋で終わらずスターダムに伸し上がっていきます。1980年代は徐々に化粧を薄くしていったせいか、少々人気が下がり、危機的な状況を迎えますが、中絶・ドラッグ・安易なセックスなどに反対するメッセージが込められた姿勢が幅広い年齢層を掴み、1990年代以降は、押しも押されぬ人気を獲得しました。

芸名のZeroは、O型RH-の血液型で出生し、危篤状態だったので、全ての血液を入れ替えたという経験から付けたそうです。(イタリアでは「オー型」ではなく「ゼロ型」と呼ぶため)ちなみにドナーは神父様だったとか。三つ子の魂百まで、の言葉のように、この体験は彼の人生のなかで大きな存在のようで、芸名にしただけでなく、特に初期においては、アルバムタイトルに『Zero』を多用し、「EroZero(ゼロだった)」(1979)というアルバムは明らかに『O型だった』という意味で用いられているとのこと。

Renato Zero/Renatissimo!そんなビッグスターのRenato Zeroも待望の3枚組オリジナルベストがついに2006年暮れにリリースされました!!その名も大胆な「Renatissimo!」(Renatoの最上級形、転じて「最高のレナート!」の意)通常版と限定版の2種類がリリースされ、限定版はDVDと同じトールサイズで、書籍同様の装丁が施され、表2の部分にCD1が、表3の部分にCD2と3が半分ほど重ねて収められ、その間には写真集が挿入されています。2曲の未発表曲と2つの未発表エディションが収録されたベスト。

未発表曲のひとつ"Sono innocente(僕は無垢)"。静かな歌い出しから、徐々に盛り上がって行き、ストリングスの甘い調べが入る、Zeroお得意の極上POPSが展開されます。

初期のヒット曲"Morire qui(ここで死ぬこと)"(1977)は、未発表エディションであるExtended Versionにて。当時の流行だったディスコ調のドラムとベースに乗せて、オーケストラが大胆に起用され、Zeroが低音ヴォイスを乗せて歌うという、初期のZeroの特徴ともいえるサウンドの見本のような曲。厚いドーランを塗り、白いドレスのドレープを揺らせて踊り歌うZeroの姿が目に浮かびます。

Zeroの最後はもう一つの未発表曲"Fammi sognare almeno tu(僕に夢をみせてくれ、少なくとも君は)"。分厚いオーケストラを従えたサウンドですが、タイトル通り穏やかで、子守唄的な優しい雰囲気に満ち、聴いていると眠りに溶けてしまいそう。

 


 

第2部2人目は、Gigi Finizio(42/Napoli出身)。5歳からピアノと作曲を始め、9歳にしてS.I.A.E.(イタリア作曲家協会)の認定試験にパスしたという神童だったそうです。ナポリでは未就学児からTV出演する人気者でしたが、イタリア全国区に進出するのは1990年頃。

Gigi Finizio/Musica e speranza2006年のサンレモ音楽祭に中学生ユニットi Ragazzi di Scampiaのゲスト歌手として登場し、その風貌に似合わぬ高音の美声とナポリターノらしい歌いまわしの妙で、大いに会場を沸かしたGigi Finizio。
参加曲"Musica e speranza"を中心に3月に発売されたアルバム「Musica e speranza(音楽と希望)」(2006)に、地元Napoliでのライヴ映像を納めたDVDを追加したスペシャル版が追加発売されました。

まずはピアノ弾き語りの"Come stai(元気かい)"。スローなバラードで、サビの高音が堪りません。老若男女に渡る実に幅広い客層、地元Napoliのライヴだけあって、観客の盛り上がりは激しく、臨場感バツグンです。

2曲目はラテンフレーバー溢れる"Ma quest'amore(でもこの愛は)"。男女ペアのダンサーが3組出てきて、ラテンダンスを踊ります。男女とも露出度が高い衣装なので、視線はそちらに奪われますが、そこに美しく力強いGigiのヴォーカル。どちらも邪魔にならず、一体感のあるスペクタクルショーと化しています。

第2部の最後は、"Amore amaro(苦い愛)"。アコーディオンを抱えて弾き語りするGigiの姿を堪能できました。この曲はCDの方には収録されておらず、DVDだけで楽しめます。

確かな作曲能力と高く澄み切った美声、安定感のあるヴォーカル力。顔を見ているとただの中年男性なのに、なんと素晴らしい音楽家なのでしょう!

Continua alla prossima puntata.(続く)