(第1部はこちら

第2部は名付けて「Jazz系アーティストコーナー」。Jazz畑出身者やJazz要素を含む音楽を奏でるアーティストたちを3組。

Petra&Ferruccio_QuamDilecta最初は、Petra Magoni e Ferruccio Spinettiの通算3枚目となるアルバム「Quam Dilectra」(2006)。
2006年は2ndアルバム、ツアー、DVD、そして本作と、大活躍&多忙だった彼ら。2006年12月に慌しくリリースされたのは、本作がクリスマスアルバムだったからのようです。

クリスマスとは言っても、そこはカトリック教の総本山を擁すイタリア。厳かな「聖歌のアルバム」です。クラシック曲や古い賛美歌、オリジナル曲さえも厳かな雰囲気にまとめられており、「Musica Nuda」シリーズでの、彼らのハジケタ面を期待すると拍子抜けしてしまうと思います。

しかしながら、Ferruccio Spinettiのベースがますます冴え渡り、音だけ聴いているととてもベース1本の音には聞こえません。まるでチェロのように優雅に自由自在に、時に歌い、時には生き生きとリズムを刻みます。Petra Magoni(35/Pisa出身)も声を張り上げることなく、奥ゆかしく歌っています。

まずは"Ninna Nanna(子守唄)"。これは"ブラームスの子守唄”にイタリア語詞を載せたもの。クリスマスアルバムですから、子供のための子守唄ではなく、生まれたばかりのGesù(イエス=キリスト)を称えている内容の歌詞になっています。

"Deus(救世主)"は作詞にPetraが参画しています。Petraは淡々と救世主に向かって人間的な悩みを吐き、教えを請う。Ferruccioの演奏はピツィカート奏法をベースに、途中、弓を使ったチェロのような演奏が被り、とても情緒豊かな演奏が魅力的。

 



SergioCammariereIlPaneIlVinoELaVisione2人目はSergio Cammariere(47/Calabria州Crotone出身)の新作アルバム「il pane, il vino e la visione(パン、ワインそして幻覚)」(2006)より、POP!ITALIANOのKazuma氏から紹介。1曲目はアルバムタイトル曲"Il pane, il vino e la visione" アップテンポで、民族音楽的なフレーヴァー溢れるヴァイオリンの音色がフューチャーされた、Jazzというよりもジプシー音楽っぽい感じの曲に仕上げられています。

 

2曲目は一転してしっとりとしたスローバラードの"Tu sei(君は)"。ここ数年で、すっかりイタリアJazz界を代表する存在になったStefano Di BattistaのSaxがフューチャーされています。Sergioはその哀愁に満ちた渋い声で淡々と歌い、それがとても心に染み入ります。決して美声でも歌が格段にウマい訳でもないのに、こうした味を出せてしまうのが、彼の強力な強み。

本アルバムはソロシンガーとしては3枚目のアルバムになりますが、実はソロデビュー以前にサントラのアルバムが出ているので、実際には4枚目のアルバムになります。

 



RossanaCasaleCircoImmaginario第2部のトリは、Rossana Casale(48/NewYork生まれ-Roma在住)。アメリカ人の父とイタリア人の母(Venezia出身)の間に、アメリカで生を受けた彼女。その後は母の実家であるVenezia→Milano→Romaと移り住んで来たそうです。

 

若い時からコーラスガールとして多くのレコーディングやステージの場数を踏んできたRossanaは23歳の時、Alberto Fortisが彼女のために書いた"Didin"でデビュー。2年後の1984年にようやく、1stアルバムがリリースされますが、これがPFMのプロデュースであっため、注目を集めるようになります。

しかし真の成功はさらに2年後、27歳の時にサンレモ音楽祭にMaurizio Fabrizioのペンになる"Brividi(身震い)"で出場した時から。35歳の時にJazz畑やミュージカルにも進出し、以降、Jazzアルバム、POPアルバムを交互にリリースするような活動スタイルを続けています。彼女の一番弟子となるMario Rosini(44/Bari出身)も、このスタイルを踏襲し、JazzフィールドとPopフィールド、さらにはアメリカとイタリアを股にかけて活躍しているのも、彼女と共通点が多く、納得できますね。

今回は彼女のPOPS寄りの新作アルバム「Circo immaginario(空想のサーカス)」(2006)をPoohlover.netのSiriusさんがDVDで紹介してくれました。Sara Cerri作の同名小説からヒントを得て作られたアルバムとのことで、どうやらミュージカルも上映されているようです。

初回限定特典のDVDは、録音時の映像を重ねた4曲とインタビュー・・・これは「初回限定のDVDにしてはマシ」と解釈して割り切るしかありませんね・・・・

1曲目は"Circo(サーカス)" これまたジプシー風のアレンジ。ヴァイオリンの音色がエレジー色を強めています。Rossanaは相変わらず甘くかわいい声。ルックスもキュートなまま。イカシテます。

2曲目は先行シングルとなった"Gioir d'amore(愛の喜び)"。タンゴのリズムの作品ですが、途中から男性ヴォーカルが絡み、どこか南米的な退廃的なムードで心地良く響きます。

Continua alla prossima puntata(つづく)