set069/10(日)の第18回Festaは、会場を「ミュージック・ラウンジ♪バーン」(東京・江東区)に移し、音響も雰囲気も新たに開催いたしました。
何分、初めてのロケーション&会費制ということもあり、直前までドキドキではありましたが、参加者数27名(男性15名+女性12名)。うち、新顔さん9名の参加という盛会となりました。



第1部

 

Bennato3CD

Edoardo Bennato(57/Napoli出身)の「Salvare il salvabile」(2006/3CD)から。
3枚組ベスト盤リリースラッシュのイタリアですが、Edoardo Bennatoもリリースされました。
1970年代〜1980年代からの選曲が中心の内容だったので、1979年当時のライヴ映像を収めたDVD「Live@rtsi 」から、ピノッキオを題材にして一世を風靡したコンセプトアルバム「Burattino Senza Fili(1977)に収められた3曲を紹介。当時30歳だったBennatoの熱い魂をヒシヒシと感じられる映像です。

BennatoDVD

"E' stata la tua colpa"は、Bennatoのハーモニカのイントロがノスタルジーを感じさせ、バックのパーカッションとアコギのリードが心地良い傑作。
"Il gatto e la volpe"はBennatoがひとりで、ギターを弾き、足ではドラムを踏み、口では得意のカズーを演奏するという大道芸人スタイル。例のピノッキオ題材のアルバムの中で、最もポピュラーな曲だと思います。
"Dotti, medici e sapienti"はチェロの調べが心地良く、当時のフォーク&ロック基調のBennatoのスタイルの中では異色の曲調。

さらには、このライヴの後で発表されたピーターパンを題材にしたコンセプトアルバム「Sono Solo Canzonette」(1980)からBennatoの最大のヒット曲ともいえる他アルバムタイトル曲"Sono solo canzonette"を紹介。

Alex BrittiとのデュエットでFESTIVALBAR2006へ参加していたBennato(8月FESTAで紹介)。まだまだ現役というところを充分に見せ付けてましたね。

 

Tosca

続いては、Tosca(39/Roma出身)の新作アルバム「Romana」(2006)をFESTA常連のtonto氏より紹介。
このアルバムは1960年代から70年代にかけてイタリア音楽界で活躍した故Gabriella Ferri(1942-2004)へ捧げたミNataleInVaticanoュージカルのライヴアルバム。"Serenata de Paradiso"という、しっとりした曲を紹介してもらいました。

せっかくなのでToscaのライヴ映像を!ということで、ライヴDVD「Natale in Vaticano」(2005)より、"mater jubilaei"を観てもらいました。優しい声と麗しい眼差しの素敵な女性でしたね。

 



第2部

 

DeCrescenzoDVD

待望のライヴアルバム&DVD「le mani -un ragazzo della ferrovia in concerto」(2006)が発売となったEduardo De Crescenzo(55/Napoli出身)。

アルバムのテーマ曲"I ragazzi della ferrovia"。しっとりした曲調ながら、現在のEduardoの魅力を充分に引き出した佳作。"L'odore del mare"も落ち着いた魅力溢れる作品。

やっぱりEduardoといえばアコーディオンの弾き語りでしょう!ということで、"Danza danza"で彼のつむぎ出すアコーディオンと声のハーモニーを堪能。また曲調は少しラテンフレーバーが入って心地良い躍動感がありましたね。

そして彼の代表作、否、1980年代のイタリアを代表する名曲中の名曲"Ancora"。観客も大合唱していて、目頭が熱くなりました。

しっとりとした渋いスタイルの熟年アーティストなので、ごく一部のファンにしか受けないかも・・・と心配はしていたものの、紹介してみれば幅広い参加者に気に入ってもらえたようです。良かった・・・・

De Crescenzoのこのライヴは2005年12月の野外ライヴということで、演奏者も観客もかなり厚着をしているのですが、なぜかとても心が温かくなる、そんなコンサートでした。

 

Festivalbar95

続いて、第3部から始まるRockコーナーの口火を切るロックバンド・Vernice(Roma近郊で結成)をPensiero!のもあ氏より紹介。

まずは彼らの来歴として、コンピレーションアルバム「Festivalbar1995」にのみ収められた"Solo un brivido"。

Vernice

そして新作アルバム「Troppo duri per morire」(2006)より"Sud"。
前者は空間の広がりを感じさせるサウンドメイキングで、一頃のアメリカンRockぽいテイスト。
後者はレゲエとかスカを感じさせる、後ノリのリズムが心地良い作品でした。

 



第3部

 

LigabueDVD

Ligabue(46/Correggio出身)のFestivalbar優勝を記念して、8月FESTAに引き続きLigabue特集。
今回は伝説の音楽家Mauro Pagani(60/Brescia出身/ex.PFM)をメインゲストに迎えてのアコースティックライヴ映像をご紹介。(DVD「Campovolo -10 settembre 2005-」)

Reggio Emiliaの飛行場予定地に巨大な野外ステージを組み、膨大な観客を集めて2005年9月10日に行われたライヴ。(奇しくもこのFESTAのちょうど1年前)

ヘリコプターを使って上空からの撮影シーンもあり、ワンマンで伝説のウッドストック規模のコンサートを行ってしまうということは、名実ともにLigabueが現代イタリアのトップRockスターであることをヒシヒシと感じさせてくれました。

その現代のRockスター(Ligabue)と伝説のRockミュージシャン(Pagani)との競演ですから、イタリアでも物凄い話題になりました。
また、いつもRockのリズムが体に響いているようなLigabueのアコースティック・ライヴというのも、Ligabueの新しい魅力を存分に感じさせてくれました。2005年のLive8にもアコギ1本抱えて登場し、会場の声援をかっさらって行ったのも記憶に新しいところ。

"Una vita da mediano"
Paganiが奏でるギリシャの民族楽器ブズーキの、やや東洋的な音色とLigabueのGibsonとの2本でつむぎ出されるサウンドに乗せて、LigabueとPaganiのハーモニーの魅力が光ります。

"Il giorno di dolore che uno ha"
前半はマンドラ、後半はヴァイオリンに持ち替えるPaganiとLigabueが弾くMartinの優しい音色がミックスされ、心地良い。

"Questa e la mia vita"
バックバンドが入ってますますの盛り上がりを見せる曲。エンディングはPaganiによるヴァイオリンソロ。狂ったようにヴァイオリンを弾き倒します。

"Urlando contro il cielo"
Ligabueのお馴染みのヒット曲。フルバンドでの演奏で、Ligabueもいつものエレキに持ち替え、Rockバンドとしてのサウンド。PaganiはRockヴァイオリニストとしてのパフォーマンスを発揮。最高の盛り上がりの中、コンサートはエンディングを迎えます。

 

Neffa

第3部ラストは、Neffa(39/Napoli近郊出身)の新作アルバム「Alla fine della notte」(2006)からシングルカット曲"Il mondo nuovo"。エレPOP調の軽い曲です。最近のイタリアでの流行りのサウンドなんでしょうねぇ。

このアルバム、いろんなタイプの曲が入っていて、M4の"Luna nuova"なんか、イントロOmaggio_a_DeAndreから歌い出しまで、Laura Pausiniの"La prospettiva di me"にソックリ・・・・一瞬NeffaによるLauraカバー曲かと思ったほど(^_^;)

せっかくなのでNeffaの映像を見ましょうということで、第4部のFabrizio De Andre特集で紹介予定のDVD「Omaggio a Fabrizio De Andre」(2005)に収録された、NeffaによるDe Andreカバー"La guerra di Piero"の映像を。
緊張していたのか、偉大なる故人への敬意からなのか、無表情で頼りなさげに歌うNeffaでした。

 


第4部

 

構想?ヶ月(笑)。とうとう当FESTAでFabrizio De Andre(1940-1999)を特集することができました!
そのあまりに長い活動歴と、イタリア文化に与えたあまりにも絶大な影響力&カリスマ性のおかげで、片手間では取り組めない聖域のような存在だった訳です。

DeAndre3CD

イタリアの3枚組ベストCDラッシュの流れの中で、De Andreも「In direzione ostinata e contraria」(2006/3CD)という3枚組CDがリリースされましたので、このチャンスを活かすべく、思い切って着手した次第です。

亡くなる1年ほど前、1998年に行った最後のツアー映像のDVD「In concerto」から、在りし日のDe Andreを鑑賞しました。

DeAndreDVD

前出のMauro Paganiとの共作となる地中海音楽の傑作"Creuza de ma"(1984)、そして遺作となったアルバム「Anime Salve」(1996)の1曲目に収められたIvano Fossatiとの共作"Princesa"。どちらもエスニックな楽器の音色とリズムが、たまらない魅力です。

Fabrizioの斜め後ろに陣取った前妻の息子Cristiano De Andreが、Mauro Paganiを彷彿とさせる弦楽器の使い手であることも堪能できましたね。ヴァイオリンをまるでマンドリンのように脇に抱えてピツィカート奏法したり、エレクトリック・マンドリンを奏でたり。エレキシタールを弾いたり。Fabrizioもマンドラやリュートを持ち替えて演奏していました。

そして初期の代表作のひとつ"Bocca di rosa"。特徴のある低音で早口にメロディーに歌詞を載せていく、シャンソンにも影響を受けていた事を感じさせるスタイルの曲です。今度は息子Cristianoが正当なヴァイオリンの弾き方をしているのが光るアレンジでした。

1970年代の一時期、Sardegnaで隠遁生活を送っていたFabrizioを支え、後に後妻となる歌手のDori Ghezziとの間に生まれた娘、LuviことLuisa Victoriaがこのコンサートにコーラス隊の一員として参加しており、その愛娘とのデュエット"Geordie"。ステージに座り込んで歌うLuviの横にFabrizioパパ。その斜め後ろには、腹違いの兄Cristiano。一家のリビングルームでファミリーコンサートをしているような、実に微笑ましいシーン。

しかしその1年後、偉大なパパは他界してしまう・・・既に当時、死因となった癌はもうFabrizioの体を蝕んでいた思われますが、その事実を彼らはもう知っていたのかも知れません。そう思うと、何やら目頭が熱くなってしまいました。

コンサートのエンディングは思わず踊り出したくなるような、フォルクローレ調の"Volta la carta"(1978)。全ミュージシャンがノリノリでステージを楽しんでいました。

Fabrizio De Andreは没後、イタリア大衆の思想に大きな影響を与えた「究極の詩人」だったという評価が一気に高まり、戦後のイタリア人の精神的なシンボルとなりました。

あのClaudio BaglioniのようなベテランからDolceneraSimone Cristicchiのような新進の若手アーティストにも絶大な影響力を与えています。

Omaggio_a_DeAndre

そんな風潮は死後5年以上経っても衰えることなく、2005年には「Omaggio a Fabrizio De Andre」という彼の精神的フォロワーであるミュージシャンたちによる追悼コンサートが決行され、その模様がこのたびDVD+本という形で出版されました。そのDVDをPOP! ITALIANOのKazuma氏より紹介してもらいました。

Sergio Cammariere(46/Calabria出身), Dolcenera(29/Puglia出身), Neffa(39/Napoli出身), Nicky Nicolai(46/Roma出身), Antonella Ruggiero(54/Genova出身), Mario Venuti(43/Sicilia出身), Le Balentes(Sardegna出身)といった豪華メンバーによって、名曲"Il pescatore"の歌いまわし。

Fabrizioは北イタリア出身ですが、常に反体制的な不屈な精神で、貧しい者・弱者の立場に立った詩を書き続けたせいか、南部人に人気が高いのが実感できる顔ぶれですね。東西ドイツよりも経済格差が大きいと言われる、イタリア南北問題を実感させる一面かもしれません。

この辺の論説は「イタリア的 ―「南」の魅力」(講談社選書メチエ)に、北海道在住のイタリア人ファビオ・ランベッリ氏が日本語で端的にまとめて出版していますので、ご参照ください。

最後に1曲分の時間が余ったので、Fabrizioの庶民派の面と詩人としての才能を発揮した名曲中の名曲"La canzone di Marinella"をMassimo Ranieri(55/Napoli出身)が歌った映像を、Kazuma氏から紹介してもらいました。

「貧しい娼婦が客の男に殺され、惨めな一生を終えた」という本当にあった事件に対し、Fabrizioはまるで彼女がお姫様だったかのような美しい世界観の歌に変え、彼女の死を追悼した、と言われる名曲です。(上記「イタリア的 ―「南」の魅力」に訳詩を含め、詳しい解説があります)

Massimo Ranieriの歌い方はその世界観を良く表していて、その卓越した歌唱力とあいまって、涙を誘わずにいられませんでした。

 



二次会

 

夜7時にFESTAは終了し、会場の「ミュージック・ラウンジ♪バーン」は通常営業に入りましたが、FESTA参加者の大半は、そのまま会場に残り、歓談&交流目的の二次会に突入しました。20名程度は残っていたという、すごい出席率です!

今までのように、ゴミ出し等の後片付けは必要ないので、現実に引き戻されることも無く、FESTAの余韻の中で語り合えるのがとても良かったと思いました。

8時過ぎ頃からは、この日のライヴ出演アーティストである「さばいばるいとう」氏のステージも堪能できました。流れ解散方式で徐々に帰る方が居ましたが、結局「さばいばるいとう」氏のライヴステージを2セット観て、10時前頃まで3名のメンバーが飲み・語り・音楽を楽しみました。

「ミュージック・ラウンジ♪バーン」を出て、西大島名物のラーメン屋「蘭丸」に向かったのですが、残念ながらスープ完売となっていたので、話の種にと180円ラーメンがウリの「びっくりラーメン」へ。

ラーメンと餃子のセットでも400円未満。
tonto氏の「いや〜、餃子頼むと、またビール飲みたくなっちゃうから〜・・・」という提案(?)に、ニコラ氏も僕も乗ってしまいましたw 
ビールを付けても、700円未満。味も美味しい。恐るべし「びっくりラーメン」。



10月FESTAも引き続き「ミュージック・ラウンジ♪バーン」にて、10/7(土)15時〜19時の開催予定です。今回参加できなかった方は、ぜひご参加を!

 

注)記事中の歌手の年齢は、記載時点での誕生日の到来を考慮はせず、2006年に達する年齢で表記しています。